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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

バスが早く行った!? 乗せてくれんかった!?

2015年02月15日 20時29分34秒 | バス運転士
先日、某駅の休憩室で食事タイムを過ごし… 「まだ時間は大丈夫かな?」と思いながらテレビの前のデジタル時計を見ると、時刻は◎◎時○○分25秒くらいだった(乗務中の癖で、必要ない時も“秒”まで見てしまうのだ)。「とりあえずトイレに行くか!」と思いながら休憩室の外にあるトイレへ… その時、“乗り場から出たばかりと思われる1台のバス”が見えたので、「あぁ、○○分のバスだな」と思った。

トイレから休憩室へ戻り、「そろそろバスへ行こうかな」と思った時… 突然、見知らぬお爺さんが入ってきて「バスってのは、始発は早めに出るもんか?」と言った。一瞬、私は何のことか分からなかったので「はっ… いえ… 始発でも途中でも、早く出てはいけませんが…」と答えた。すると、お爺さんが「さっきのバスが早く出て行ったもんで、文句を言わないかん!」と言ったので、私は「どこ行きのバス… どちらまで行かれるのですか?」と尋ねた。

それに対して、お爺さんが「△△停まで行くんだけど、どこへ電話… ※※へ電話すればいいのか!?」と委託元の名前を口にしたので、私は「△△停を通るのはウチの営業所… さっき見たバスだろう。でも、あの位置で25秒くらい過ぎていたんだから、バスが早く出たとは思えないなぁ… 多分、このお爺さんの勘違いだろう。とはいえ、委託元へ電話をされてゴチャゴチャするよりは、直接ウチに電話をしてもらった方が話が早い!」と思って、自分の手帳の1ページを切り取り、そこに営業所の電話番号を書いて…

その時! お爺さんが「あっ! 忘れ物した!」と言って、休憩室から出て行ってしまったのである。呆気にとられた私は言葉も出ず… お爺さんが置いて行った“たくさんの食材が入ったスーパーのレジ袋”を見つめながら、「果たして、すぐに戻って来るのだろうか?」と不安に思っていた。が、お爺さんが“私のバスの発車時刻の5~6分前”に戻ってきたので、私は「もうすぐ行かなければいけないので…」と言って、電話番号を書いたメモを手渡しながら一緒に休憩室を出たのだが… その後、私がバスを乗り場に着けた時、お爺さんはタクシーに乗って行ってしまったのだった…

一瞬、私は「まさかタクシー代を請求するつもりなのか!?」と思ったけれど、すぐに「いや、それでも大丈夫! バスは早く出ていないはずから!」と思い直した。なぜならば… 休憩室で話していた時、お爺さんが「(乗り場から離れた位置で止まっていたバスのところまで行って)扉を叩いたけど、乗せてくれんかった!」と言っていたからである。以前、ココにも書いたと思うけれど… 私も似たような苦情(最初は「バスが早く行った!」と言っておきながら、そうではないと分かると別件について文句を言い出すパターン)をもらった経験があるからである。結局… その後「運行ミスがあった」とは聞いていないので、私の推測通りだったと思われる。

さて、営業所の掲示板には様々なモノが貼り出されているのだが… その中に“委託元の社内報のようなモノのコピー”がある。いつもはノーチェックの私だが、今回はある運転士さんが「委託元は、こんなことが“お褒め”としてピックアップされるんだね」と言いながら見ていたので、私も読んでみたのだが… そこには「バス停を出発してすぐに止まっていたところへ“乗せてくれ”と来た人に対して、毅然とした態度で断っていた運転士さんの姿を見て、その後も安心して乗っていることができた」みたいな内容が書かれていたのだ。ひょっとすると、先日のバスの運転士さんは、その掲示物を見た後だったのかもしれないなぁ~!

また、このような“乗せてくれ!”は、よくあることで… 乗せようと乗せまいと、常に“諸刃の剣”である。その掲示物の場合、逆に「バス停から少ししか離れていないんだから、乗せてあげればいいのに。冷たい運転士だ!」という苦情が入ることも有り得るのだ。もしも、そんな“苦情”が、掲示物のような“お褒め”と同時に入ったら… その運転士に対しては、どちらの評価となるのだろうか…??? さらに、苦情の方を受けた上司は、キッパリと「バス停以外での乗降はできません!」と言えるのだろうか…??? ま、どっちでもいいんだけどね。そんなこと気にしとったら、運転士は鬱病になっちゃうからね! ハハハ…