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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

思い草

2009年09月04日 | 植物
 秋らしく晴れて、気持ち良い朝だったので、近くの海岸まで行ってみました。センニンソウ、ハマシャジン、ハマナタマメなどの花々、ススキの穂も伸びています。十五夜は、次のその次の満月だから、10月何日?などと思いながら見ると・・・。

 ススキの根元に淡紫色のナンバンギセルの花が咲いていました。写真のこの植物の場合、咲いていると言っても20センチ程の花柄を真っ直ぐ伸ばして来るまで、その存在に気付きません。茎はほとんど地下にあって、極小さなりん片状の葉を数枚付けていますが、光合成をするための葉はありません。

 1年生の寄生植物で、寄生される宿主のススキ、ミョウガ、サトウキビなどから栄養分を吸収して生きているチャッカリ者です。同じハマウツボ科の仲間は、それぞれ違う宿主をもつ寄生植物ばかりのようです。

 和名のナンバンギセル(南蛮煙管)は、パイプのことでしょうか? ただ「南蛮」と言えば、やっぱり「--漬け」とか「鴨--」を連想しませんか?(笑) 洋風・欧風を意味する古語??

 調べたら、16世紀半ばころ、ポルトガル人が東南アジアの植民地から来航すると、彼らを「南蛮人」と呼ぶようになり、その船を「南蛮船」、彼らの船で輸入する品物を「南蛮品」、彼らがもたらした物に「南蛮」を冠して呼ぶ・・・昔、歴史の時間に習ったような?!(汗)

 煙管(キセル)は、最近実物を見なくなりましたね。時代劇か博物館の展示品ですかね。タバコの喫煙具。キセル(khsier)は、カンボジア語の「管」の意味です。

 タバコは新大陸から西欧人が持ち帰って全世界へ広まったそうなので、旧大陸側のタバコの歴史は500年程ということになりますか。

 で、タイトルの「思い草」ですが、南蛮人もキセルもタバコも渡来する以前の、この植物の古名が「おもいぐさ」だそうです。 万葉集に「路の辺の尾花が下の思ひ草・・・」

 それはそれでいいのですが、「思い草」は「タバコの別称」でもあるとか。この植物は、どこまでもタバコと縁が深いようです。 

(なるせ)
コメント
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