グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

シュスランの季節

2009年09月17日 | 植物
今日、お客様から日帰りでシュスランを見に行きたいと電話で問い合わせがありました。
 
白い小さな花とビロードのような手触りの葉を持つシュスランは、私のお気に入りの植物です。しかしかなり涼しい夏だった今年、花期はずれていないのでしょうか?

犬の散歩を口実に忙しい店を抜け出して、ちょっとだけ山に見に行くことにしました。私が初めてシュスランと出会った思い出の場所へ。

実は植物撮影に燃えていた6年前、シュスランを求めて森の中を歩き回った事があります。憧れだったシュスラン、自然愛好会の故吉田先生から「藪に入ればどこにでもありますよ。」とアドバイスをもらって、まだ真夏の日差しが照りつける9月初旬の午後に、椿の森を歩きまわりました。

マムシよけに長靴を履き、蚊よけに長袖を着て、汗だくになりながら約1時間。どこにでもあるはずのシュスランは全く目に入ってきませんでした。今考えれば全然環境の違う場所を探していたので見つからなくて当然なのですが、その頃の私はシュスランの好む環境がどういうものなのか、皆目見当もつきませんでした。

ヘトヘトになった私は椿の森を出て別の森へ入りました。そしてそこで初めてシュスランに出会ったのです。ちょうど木漏れ日がスポットライトのように白い可憐な花に降り注いでいました。1時間森の中をさまよい歩いた後だっただけに、ものすご~く感動的でした。本当に森の中で妖精にでも出会ったような気分でした。

当時のことを懐かしく思い出しながらその場所へ行ってみると、シュスランはまるで私を歓迎してくれるかのように美しい花をつけていました。ちょうど6年前と同じように…。


巷では山野草ブームとやらで、盗掘し売っているところもあるようです。でも野山の植物達は、やはりその景色の中にあってこそ美しいのだと思います。シュスランも照葉樹の森の豊かな土壌があるから、ナメクジやカタツムリに葉をかじられたりしながらも、元気に生き抜いているのです!

島の自然を大切に思う人達それぞれにお気に入りの場所があって、そこに行けば毎年お気に入りの植物達に会える、そんな島であり続けられたら素敵ですね。

(カナ)
コメント (2)
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