グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

磯の貝達12

2009年09月24日 | 海の生物
毎週の様に台風が来ています。
今回の台風は、実にしつこく通過した後も海には大きなウネリが連日入っていました。海況が悪く、海に行けなかった多くの方々にエコツアーに参加して頂きました。有難う御座います。

さて、今週の貝の話です。
世の中には、貝殻コレクターと言う人々がいます。その名の通り、貝殻集めを趣味としている方々です。勿論私もその一人です。
私の場合は、磯やダイビング中に拾った物を集めているのですが、貝殻を販売しているお店で買う事も出来ます。
数多くある貝の中でも、人気があるのがタカラガイです。
タカラガイ、漢字で書くと「宝貝」と書き。その昔は貨幣の変わりとして使用されていた事もあるようです。
形が揃い、持ち運びも楽なので重宝していた様です。

タカラガイの多くは潮間帯から生息しています。中には物凄く深い場所に生息している物もあります。「日本の三名宝」と呼ばれる3つのタカラガイ(ニッポンダカラ・テラマチダカラ・オトメダカラ)等は生息水深も深く、非常に高価です。

分布の多くは、熱帯に集中していますが、今回のネタの「メダカラ」は唯一東北の方まで分布を広げています。そんな訳で大島で非常に多く見られます。
磯で生きているタカラガイを発見するには、石を捲るしかありません。貝を潰さない様にソ~ッと捲ります。
上の写真は生態写真なので、貝殻が外套膜と呼ばれる軟体部で覆われています。この膜のお蔭でツルツルでピカピカの貝殻が拾えるのです。
観察していると、モゾモゾと動き出しました。その下からは、なんと卵を出て来ました。(右側のツブツブが卵です)
これは、実に申し訳ない事をしたと、岩を元の状態に戻してあげました。
生きている個体を持って帰り、殺してコレクションに加える方も居ますが、やはりそれは可哀相という物です。この様に立派に産卵をして、子孫を残そうと頑張っているのですから!!
せめて、観察・撮影位にしておくべきでしょう。

メダカラという名前の由来は「目宝」です。(最近~~ガイの「ガイ」の部分を省略していう様になっています)
下の写真をご覧下さい。 貝殻の中央に目の様な暗色班があります。これが名前の由来です。


この貝はちょっと地味ですが、もっと綺麗な模様のタカラガイがいっぱいいます。まずは磯で自分で見つけてみましょう。はまりますよ~~
コメント
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