グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

フィールド調査のような?

2012年08月12日 | ツアー
1年半前にツアーに参加されたMさんから、再度ツアーのリクエストをいただきました。
今回の目的地は、裏砂漠と地層大切断面。

裏砂漠についた時には、青空と霧がミックスしたようなお天気でした。
レース編みのようなクモの巣に、全員が「きれい!」と足を止めました。

で、普通のパターンだとここで終わるのですが、Mさんたちは違っていました。
持参された高倍率のルーペで、クモを観察。
ルーペがすぐに出てくるなんて、かなりただ者ではない感じ(笑)

のんびり観察しながら歩いていたら、モクモクと漂って来た霧が、あっという間に三原山の姿を隠してしまいました。「晴れないかね~。」BY全員。

しばらく霧が晴れるのに期待して待ちましたが、三原山はなかなか見えてきません。
で、普通のパターンだとここで終わるのですが、またまたMさんたちは違っていました(笑)

カルデラの中の砂っぽい場所に下りて、観察を開始しました!

みなさんなんだかア・ウンの呼吸でそれぞれに観察されています。

「すごい、きれい!いい匂い!来て良かったわ~!」と、火山灰を手に喜ぶMさん。
「炭の匂いがする!」

え?炭の匂い??
ビックリして私も匂いを嗅いでみましたが、するようなしないような…?

岩を覆う地衣類を見て「あら!きれいだわ!」「キゴケの仲間は風の強いところに生えるから…」

「え?キゴケ?」と私。
「キゴケといってもコケではなくて地衣類ですよ。キゴケの仲間というだけで『キゴケ』じゃないですよ。正確な同定はむずかしいです。」とMさん。

う~ん、地衣類はいつかちゃんと調べたら楽しいだろうと思いつつ、図鑑を見たりネットで調べてもなんだかはっきりわからなくて、未だに手つかずのまま…。「いつか詳しい人と知り合いたいなぁ。」と思っていたのです。

なんだかメチャメチャ楽しくなってきました(笑)
でっかいカメムシも見つけてもらい…

初めて見る(たぶん)いかつい形に大興奮!

さらに「あ!オカダトカゲ!」の声に振り向いてみれば、大人サイズなのにしっぽが青い美しいトカゲが目の前にいるではありませんか!

あのすばしこいトカゲが、目の前で簡単に写真に撮れるほどジッとしていてくれるなんて、今までほとんど経験がありません。

「この状態、なんか普通じゃないですよね。弱っているのかも!」by全員。

いやいやもしかしたら急に「オカダトカゲ!」と正式名称で呼ばれてビックリして動けなくなったのかも知れません(笑)

筆島海岸でも、それぞれに観察。


オオシマハイネズを手に「こうやって見るとまさにヒノキの仲間ね。」

おお!オオシマハイネズを持ち上げて裏返して観察するというパターンは初めてです!
新鮮~!

海岸にはハマナタマメがきれいに花を咲かせていました。
そして大きなマメもできていました。

「マメ。割ってみたいですよね。」Mさん&私。

2個割ったマメには両方とも、虫が入っていました。

「へ~、こんなに咲いているけど、なかなか子孫を残せないんだ~。」
「まあ、虫の側からすれば、そうやって生きているわけだから」

いや~、皆さんの会話やものの捉え方が、とても楽しかったです。
今日のようにして歩いたら、ジオパークの謎解きの幅が広がって、ますます面白くなりそうです。

大地の不思議を楽しみながら、また一緒に歩きたいです。

(カナ)
コメント
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