グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

復興町民会議

2014年05月09日 | 火山・ジオパーク
昨晩、復興町民会議が開催されたので傍聴してきました。

議員席の後ろには傍聴人席が設けられ、数10人が傍聴に来ていました。
(一番前に座っていたので正確な人数は不明)

町民会議の議事の後、東京都の大島町復興計画策定委員会の中林一樹委員長(明治大学)、饗庭氏(首都大学)、市古氏(首都大学)と町民会議メンバーとの意見交換会も行われました。

策定委員の方達は東日本大震災後、それぞれ南三陸町、大船渡、気仙沼で復興計画作り、町づくりに関わられた経験から、意見を述べてくれました。

中林委員長は「委員会は9月末までに町の復興計画案を責任を持ってまとめるが、それで終わりではない。10年後を目指して、どのように安全を確保していけばいいのか、“方向付けをする”のが復興計画。元町だけでなく島全体として考えていく。そして今後の課題出しが復興事業につながる」という主旨のことを話されていました。

そして「より安全に暮らすためにはどうすれば良いのか?人間の住み方と構造物とのバランスをどうとるか?雨は止められない、山の崩れも止められない。助け合って逃げるようにしない限り、土木をしてもダメなのが一方の真理。町民の意見も出していただいて、町の安全安心を作りだしていく。」と、安心、安全のために学んで考えていくことの必要性を述べられていました。

また、ご自身が関わられた南三陸町の例をあげ、「南三陸では、町民のすべての思いやアイデアを束ねておいて、計画書の後ろに資料を付けて復興に向かっている。町民と行政が力を合わせていく。大島町も同じように、皆さんが10年後の大島町をどのように復興させるのかを分科会で議論して、提案として残していくことが大事だと思う。」と、まとめなくてもいいので、具体的にやりたいことのアイデアを、たくさん出して欲しいと語られていました。

お話を聞いていたら“9月”という復興計画案の期限が、“終わりではなく始まり”のように感じられました。

そして市古氏は…「東北の復興のキーワードが多重防災。単純にハードソフトに分けるのではなく、いろんな仕組みで災害と向き合うという考え方が今後の防災の視点。人口構造物だけに頼らないというのが大事。東京都での委員会で、高い擁壁が出来ると山が見れなくなるという話を何人かが言っていた。人口構造物だけに頼らずに防災と観光、自然を結びつける。会議にジオパークという言葉が何回も出てきたことも印象的。砂防の専門家も、ソフトの防災情報の専門の委員もジオパークと発言されていた。多重防災が軸になると改めて感じている。」と、教えてくれました。(市古氏のブログはこちら。http://disaster-research.cocolog-nifty.com/blog/

多重防災にジオパークが役立つということにも「なるほど!」と思いました。

会議終了時の中林氏の言葉…
「10年後、今の小学生は青年になる。素晴らしい島に復興できるようにみんなの知見を出して頑張っていただきたい。」
この言葉に暖かいものを感じました。

先は長いですが、私も自分の立場でできることを、考え続けていきたいと思います。

(カナ)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする