グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

シイノキの森

2014年05月11日 | 植物
昨日、とても久しぶりに“シイノキ群叢”に行ってきました。
島の北東部に位置する、10数本のスダジイの巨木が生きる森です。

火山ベースで歩くようになってから足が遠のき、2年以上訪れていませんでした。
コース入口の看板…

なんだか年季が入ってきたなぁ…。

看板の奥には、こんな感じの細い山道が伸びています。

実は台風26号の土砂災害後の状況を見に行ったのですが、特に歩くのに危険な感じはしませんでした。(くずれかかっていた木の橋が完全に無くなっていましたけれど…)

一見、濃い緑の森に思えますが、足もとを観察しながら歩くと“華やかな赤”が見つかります。
マッチ棒のようなオオシマザクラの実。

この時期サクラの木は、甘い実を作るために余分な実を自ら落とします。

大島の森に多いテイカカズラの紅い葉も、木漏れ日に照らされていました。
ツヤツヤです!

1年を通して緑の葉を茂らせるテイカカズラですが、春に新しい葉が伸びる時に古い葉をまとめて落とすのです。

“赤い色”以外に“イノシシの顔”も落ちていました!
これ…

似ていませんか?(笑)

さて、足もとに注目しながら歩いていたら、10分ぐらいで目的の場所に着きました。

木の枝の隙間から見える、満開の黄色い花!
なんとも素敵です。

でも森の様子は、以前と少し変わっていました。
巨木を覆い隠すように伸びていた萌芽(若い木)が、倍くらいに高くなっていました!

前は私の身長より少し高いぐらいだったのに、今でははるか上を見上げる感じ…。

枝と枝の隙間には枯葉が目一杯詰まって、栄養源となりそうな雰囲気です。

この枯葉だけで、1mぐらいの高さがありました。

そして今までは萌芽が目立たなかった周囲の巨木たちが、みんな細くて若い木をたくさん伸ばしていました。

植物は自分が弱ってくると自分の体のコピーを作り、生き残ろうとすると言われています。

…と言うことは、ここのスダジイ達は全て弱ってきたということ?

寿命なのでしょうか?
それとも、このところの異常気象に「このままではマズい」と危険を感じているのでしょうか?

スダジイの芽吹きが何かを語っているかのようでした。

ああ…木と会話ができたらなぁ…。

そして、こんなに深い森なのに足もとには“溶岩”が見えていました。

もしかしたら樹高20mぐらいある巨木を支える土は、わずかしかないのかもしれません。

火山島で生きるって大変ですね。
でもその分、たくましくなれるのかもしれません。

木も人も…。
きっとそうだと思います。

(カナ)



コメント
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