昨日、気象庁の火山観測に同行させてもらいました。
ジオパーク活動の防災のとりくみの一環で、私たちガイドが2人ずつ火山観測の現場を見せてもらえるようになってから、2年以上が経ちます。私は昨日で2回目の参加でした。
三原新山のふもとで、地温の測定。

数10mしか離れていないようでも、場所によって温度が違います。
この日は2カ所で測り、最初の場所は30.2℃。
噴気が出ている場所は…

でした。
観測機器が一カ所おかしいので点検するとのことでしたが、何とソーラーパネルが1枚、壊れていました。何かが強い力でぶつかったような割れ方です。

今までにこういう割れ方をしたことはなかったそうですが…誰かがイタズラで割ったのではないことを祈りたいです。
何を修理すれば良いかのチェックをすませ、先へ…。
火口では“放射温度計”と“赤外熱映像装置”という2種類の観測機器を使って、火口底の温度を測りました。
こちらは“赤外線熱映像装置”

カメラの液晶に、数字で温度が出てきます。
この日の温度は55℃とのことでした。
「剣が峰」という火口1周コースの中で一番高いところでは、ものすご~く精密な時間が計れる機械で、レーザー光線が“離れた所にあるミラーから跳ね返ってくる時間”を測っていました。(正確にはパルスの位相差を検知しているもののようです。)

気象庁の加冶屋氏の説明によると「レーザー光線は1秒で30万キロ飛ぶと言われていますが、ここでは2kmから500mの距離で跳ね返ってくる光を測っています。そんな時計の精度は、たぶん10の11乗分の1秒」
…は?
なんですか、その単位??
計算すると0.00000~秒?!(もはや理解不能)
瞬きする時間もないのですね!
人間って、そんな精度の時計を作れるのですね~!!
機械をのぞかせてもらったら、ミラーの位置に焦点を合わせられるようになっていました。

この観測結果によると、大島は全体が膨らんでいるが、火口は縮んでいるのがわかっているのだそうです。
これは、「地下のマグマだまりにマグマが溜まってきているが、上の方までは上がっていないこと」を示しているようです。噴火が近づき、マグマが上がってくると、火口が開いてくるだろうと考えられているとのこと。
火口1周コースから内側に入り、普段は見下ろしている凹みの中から写真をとります。

いつも同じ場所から写真を撮って、地形の変化を見ているのだそうです。
この位置からも、写真を撮っていました。

見ている方が怖いです…。
そして行く先々で、このようにお掃除。
「けっこう汚れているなぁ」と加治屋氏。

「あのう掃除をしないと観測結果に差が出るんですか?」←疑問に思ったので聞いてみました。
回答は…「いや、単に性格の問題です。」とのことでした!
私たちは途中で帰りましたが、火山観測は、ほぼ1日続いていたようです。こうやって最先端の技術を使って、次の噴火を予知しようとする努力が続けられているのですね。
私たちが、火山とともに暮らすために…。
なんだか感動です。
ところで、普段立ち入らない火口付近では、様々な“噴火のスゴさ”を連想させる景色がみつかりました。例えば、ドロドロの流れ…。

噴火で火口から飛んで来た岩の上に、流れて来た溶岩(たぶん)。

こちらは溶岩が上から飛んで来て、帽子のようになったのかも?

キノコにも見えますが…。
火山弾の横に立って火口を眺めると「あの穴から出て来たんだね。」と語りかけたくなります。

ちょっと大きめの火山弾に寄り添うように咲いていた、鮮やかなツツジの花にも出会いました。(三原新山の下で)

周りが荒涼とした風景だからか、ひときわ美しく感じました。
火山も人も植物も、みんな素敵です。
知れば知るほど、そう思います。
ジオパークを通して、火山観測の現場を見られるようになったことも本当に嬉しいです。

噴火や地震や雨は人間の力では止められないけれど、でも人間は、その中で生きぬく方法を探し続けていけるはず…そんなふうに感じられた、火山観測でした。
(カナ)
ジオパーク活動の防災のとりくみの一環で、私たちガイドが2人ずつ火山観測の現場を見せてもらえるようになってから、2年以上が経ちます。私は昨日で2回目の参加でした。
三原新山のふもとで、地温の測定。

数10mしか離れていないようでも、場所によって温度が違います。
この日は2カ所で測り、最初の場所は30.2℃。
噴気が出ている場所は…

でした。
観測機器が一カ所おかしいので点検するとのことでしたが、何とソーラーパネルが1枚、壊れていました。何かが強い力でぶつかったような割れ方です。

今までにこういう割れ方をしたことはなかったそうですが…誰かがイタズラで割ったのではないことを祈りたいです。
何を修理すれば良いかのチェックをすませ、先へ…。
火口では“放射温度計”と“赤外熱映像装置”という2種類の観測機器を使って、火口底の温度を測りました。
こちらは“赤外線熱映像装置”

カメラの液晶に、数字で温度が出てきます。
この日の温度は55℃とのことでした。
「剣が峰」という火口1周コースの中で一番高いところでは、ものすご~く精密な時間が計れる機械で、レーザー光線が“離れた所にあるミラーから跳ね返ってくる時間”を測っていました。(正確にはパルスの位相差を検知しているもののようです。)

気象庁の加冶屋氏の説明によると「レーザー光線は1秒で30万キロ飛ぶと言われていますが、ここでは2kmから500mの距離で跳ね返ってくる光を測っています。そんな時計の精度は、たぶん10の11乗分の1秒」
…は?
なんですか、その単位??
計算すると0.00000~秒?!(もはや理解不能)
瞬きする時間もないのですね!
人間って、そんな精度の時計を作れるのですね~!!
機械をのぞかせてもらったら、ミラーの位置に焦点を合わせられるようになっていました。

この観測結果によると、大島は全体が膨らんでいるが、火口は縮んでいるのがわかっているのだそうです。
これは、「地下のマグマだまりにマグマが溜まってきているが、上の方までは上がっていないこと」を示しているようです。噴火が近づき、マグマが上がってくると、火口が開いてくるだろうと考えられているとのこと。
火口1周コースから内側に入り、普段は見下ろしている凹みの中から写真をとります。

いつも同じ場所から写真を撮って、地形の変化を見ているのだそうです。
この位置からも、写真を撮っていました。

見ている方が怖いです…。
そして行く先々で、このようにお掃除。
「けっこう汚れているなぁ」と加治屋氏。

「あのう掃除をしないと観測結果に差が出るんですか?」←疑問に思ったので聞いてみました。
回答は…「いや、単に性格の問題です。」とのことでした!
私たちは途中で帰りましたが、火山観測は、ほぼ1日続いていたようです。こうやって最先端の技術を使って、次の噴火を予知しようとする努力が続けられているのですね。
私たちが、火山とともに暮らすために…。
なんだか感動です。
ところで、普段立ち入らない火口付近では、様々な“噴火のスゴさ”を連想させる景色がみつかりました。例えば、ドロドロの流れ…。

噴火で火口から飛んで来た岩の上に、流れて来た溶岩(たぶん)。

こちらは溶岩が上から飛んで来て、帽子のようになったのかも?

キノコにも見えますが…。
火山弾の横に立って火口を眺めると「あの穴から出て来たんだね。」と語りかけたくなります。

ちょっと大きめの火山弾に寄り添うように咲いていた、鮮やかなツツジの花にも出会いました。(三原新山の下で)

周りが荒涼とした風景だからか、ひときわ美しく感じました。
火山も人も植物も、みんな素敵です。
知れば知るほど、そう思います。
ジオパークを通して、火山観測の現場を見られるようになったことも本当に嬉しいです。

噴火や地震や雨は人間の力では止められないけれど、でも人間は、その中で生きぬく方法を探し続けていけるはず…そんなふうに感じられた、火山観測でした。
(カナ)