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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ツアー報告と今日の大島

2009年09月20日 | 植物
連休スタートと同時に大型台風が世を騒がせ、おかげで土曜は全部の海がクローズになりました。
そのおかげで山のほうはせっせと動きました^^
今日も昨日に引き続き、午前・午後のツアーに行ってまいりました。
昨日の強風とうってかわって、今日の陸はとてもおだやかでした^^
「山頂は寒いですよ~!」と脅したわりにはじんわり汗をかくほどの気候で、植物や火山のお話をしながら歩いたり止まったりしながら快適に楽しめました♪

カルデラ内で夏に大きな花を咲かせていたサクユリは実をつけていて、代わりに明日葉があちこちで花をさかせていました。
ハチジョウススキが穂を揺らし、陽の光に染まって輝いていました^^

そんなふうに季節ごとに山の風景も変わっていきますが、街中では今、ヒガンバナが盛りを迎えています。
咲き方がユリっぽいですね。
今は茎を伸ばしていきなり花がついていますが、この花の時期がおわると今度は葉を生やします。
葉が出ている時には花がないので、何の植物だか分かりづらいです。
ノビルやアサツキに似ているので、誤食してすまう事もあるとの事ですが、毒があるので注意してください!
この毒性を利用し、田んぼ周辺に植えられて、土を掘る生き物達を遠ざけるのだそうです。

色々な別名をもち、色んな言われ方をする花ですが、そのうちの一つ、韓国ではこんないわれがあるそうです^^
それは、花と葉が同時に出ることはないから「葉は花を思い、花は葉を思う」という意味で、「相思華」と呼ぶのだそうです。
ちょっと片思いのような感もありますが、なんとなく切なくて胸にしみますね。

日本では彼岸に出る花だし、毒もあったりして忌み嫌われがちな気もしますが、そんないわれも少し記憶の片隅に留めていただいて、ヒガンバナを眺めてみてください^^
少しほんわかしていただけるかもしれません^^♪

(友)

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いい波、来てます!

2009年09月19日 | 今日の大島
台風14号は今、八丈島と父島の中間あたりでしょうか?
大島からはかなり遠くにありますがその膨大なエネルギーが大きなうねりとなって次々とやって来ています。

台風のすぐ近くでは暴風でメチャクチャになっている海の波が、長い距離を進んで来るとこうして綺麗なうねりになってくるというのは不思議なものです。
まぁ、小難しい理由はありますが。



うねりとサーファーを見ていると飽きることがありません。



サーフィンの上手い下手や数々あるだろう技は私にはわかりませんが、彼らと(今日は彼女もいました)波とは会話しているように思えます。

うねりは常に押し寄せてきているわけではありません。
大きな波がやって来る周期があって、サーファーたちはそれを実によく見極めています。

波に乗るときはもちろん、海に入るときや陸(おか と読んでね!)に上がるときのタイミングを見事に測っています。
先輩に教えられながら、あるいは自分で経験しながら身に付けていったものでしょう。




ボードの上で沖を見つめ、次の波が来るのを待つ。
あれは?
まだまだ。
もっと大きいのが来る。
これは?
だめだめ。
来たか?
あれだ!
乗れるか?
乗るぞ。
これは自分の波だ!





















こうして波に乗る姿を見ていると、この時の彼らは海と一体となって地球全体と繋がっているのでは?・・・などと考えてしまいました。


    がんま
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性は温度で決まる

2009年09月18日 | 哺乳類、爬虫類、他
 美しいシュスランの花の次に、ちょっと気が引けるなあ・・・失敗したタコ焼きみたいな・・・発泡トレーにのっているけど、実はこれウミガメのタマゴです。左側8個は生きていません。

 先週の日記に書いた産卵巣(さんらんそう)調査観察会の時、初参加の方から孵卵途中で除去した「生きていない卵」って、どうして分かるんですか? と、ご質問を受けたので、この場をお借りしてご覧頂きます。

 私たちが普段食べているタマゴ---鶏卵(玉子)は、カラが硬くて、中で胚が生きているのか?いないのか? 分からないですね。分からないから良いんでしょうか?! カメの卵のカラは、薄くてやわらかでマンマル。

 未受精卵(無精卵)や、胚発生が途中で停止して死んでしまった卵は、日数が経ったものなら、こんなふうに外見で分かります。

 産卵地点が波打ち際に近く、台風の接近で何度も波をかぶって砂が堆積したので、卵を掘り出してもう少し安全な場所へ移しました。浜が侵食されて卵が流出してしまいそうな場合や人間の盗掘や動物の食害の危険がある場合などに行なう保護の方法で、「卵の移植」と言います。移植の時に、明らかに生きていない卵8個を除去しました。

 先週、孵卵温度と期間の関係を書きましたが、これには続きがあります。ウミガメ類は卵の時の温度---孵卵温度で♀♂(雌雄:性)が決まります。温度に依存して性決定がされるので「温度依存性決定(TSD:temperature-dependent sex determination)」と言われる現象・様式です。このことがあるので、移植は慎重にしなくてはいけません。生まれる子ガメの性別を変えてしまう可能性があるからです。

 孵卵期間の中程の期間、温度が約29度で、生まれてくる子ガメはオス50%メス50%になるそうです。これが26~28度ではオス100%、32~34度ではメス100%とのこと。地温が高くなりがちな大島では、メスの子ガメが多く生まれているということですが、子ガメの時には外見上で雌雄が判別できないんですー。(苦!)

 8月上旬までずっと雨が多く地温が低めでしたので、見送った6匹の子ガメは男の子だったはず、と地温計測から推察してます。

 北上中の14号、台風一過、秋晴れが続いて欲しいなあ・・・次の孵化のために。


 なお、ウミガメの卵の採取は、東京都の漁業調整規則などで禁止されています。東京都漁業調整委員会から特別な承認を得た東京都農林水産総合センターに調査協力して活動しています。
   
(なるせ)
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シュスランの季節

2009年09月17日 | 植物
今日、お客様から日帰りでシュスランを見に行きたいと電話で問い合わせがありました。
 
白い小さな花とビロードのような手触りの葉を持つシュスランは、私のお気に入りの植物です。しかしかなり涼しい夏だった今年、花期はずれていないのでしょうか?

犬の散歩を口実に忙しい店を抜け出して、ちょっとだけ山に見に行くことにしました。私が初めてシュスランと出会った思い出の場所へ。

実は植物撮影に燃えていた6年前、シュスランを求めて森の中を歩き回った事があります。憧れだったシュスラン、自然愛好会の故吉田先生から「藪に入ればどこにでもありますよ。」とアドバイスをもらって、まだ真夏の日差しが照りつける9月初旬の午後に、椿の森を歩きまわりました。

マムシよけに長靴を履き、蚊よけに長袖を着て、汗だくになりながら約1時間。どこにでもあるはずのシュスランは全く目に入ってきませんでした。今考えれば全然環境の違う場所を探していたので見つからなくて当然なのですが、その頃の私はシュスランの好む環境がどういうものなのか、皆目見当もつきませんでした。

ヘトヘトになった私は椿の森を出て別の森へ入りました。そしてそこで初めてシュスランに出会ったのです。ちょうど木漏れ日がスポットライトのように白い可憐な花に降り注いでいました。1時間森の中をさまよい歩いた後だっただけに、ものすご~く感動的でした。本当に森の中で妖精にでも出会ったような気分でした。

当時のことを懐かしく思い出しながらその場所へ行ってみると、シュスランはまるで私を歓迎してくれるかのように美しい花をつけていました。ちょうど6年前と同じように…。


巷では山野草ブームとやらで、盗掘し売っているところもあるようです。でも野山の植物達は、やはりその景色の中にあってこそ美しいのだと思います。シュスランも照葉樹の森の豊かな土壌があるから、ナメクジやカタツムリに葉をかじられたりしながらも、元気に生き抜いているのです!

島の自然を大切に思う人達それぞれにお気に入りの場所があって、そこに行けば毎年お気に入りの植物達に会える、そんな島であり続けられたら素敵ですね。

(カナ)
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磯の貝達11

2009年09月16日 | 海の生物
毎週水曜日は「磯の貝達」の日ですね(なんのこっちゃ・・・?)
毎週、毎週貝について書いても話がつきないとは、本当に幅の広い生き物です。

今回も、ちょっと変わった貝の話を書きましょう。
前にも書きましたが、貝と言えばサザエの様な形の貝を想像しますよね?
でも、前にもご紹介したツタノハガイやウノアシやヒザラガイ等
貝のイメージを壊す貝もいます。
今回の貝もそんな貝で、「スカシガイ」という名の貝です。

まずは写真をご覧下さい。
実は2個体写っているのですが、大きい上の個体を見てもらうと分かり易いです。
右側に出ている赤い物は触覚です、その後ろにある楕円形をした物が
このスカシガイの貝殻です。
どう見ても、軟体部を収納出来るサイズでは無いので、常に軟体部は表に出ています。
なんて無防備なんでしょう・・・ 
その貝殻を良く見ると真ん中に穴が開いています、その中から水管が飛び出しています。(これは下の個体を見ると分かり易いです)
刺激を与えるとここから白っぽい濁った液を出します。
威嚇のつもりなんでしょうかね? 我々には煙突から煙を吐いている様にしか見えないのですが(笑)
そんな無防備な貝なので、いつも岩の下に入って隠れています。

あまりに変わった形なので、一時期グローバル(海部門の方)で大人気になりました。
大島の西側にある野田浜というポイントに皆で見に行ったものです。
生息水深は潮間帯~10m位までで見られ、磯でも十分見られます。
只、石を引っくり返さないと見られません。引っくり返した岩はちゃんと元に戻してあげて下さい。折角、隠れている生き物達が可愛そうですからね~

このスカシガイに限らず、自然の生き物中には「なんでこんな形してるんだろう?」と思う生き物が多くいます。そんな理由を想像してみるのも面白いもんです。
皆さん、なんでスカシガイはこんな格好をしているんでしょうね~?










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翼の生えた旅人たち

2009年09月15日 | 
 もう秋です。誰がなんと言おうと秋です。すごく秋です。

と、まあすっかり秋なわけですが、まだ陽射しも強烈な8月も終わりの頃から今ぐらいの時期にかけて、伊豆大島に毎年「翼の生えた旅人」がやってきます。

 シギやチドリの仲間です。いろいろな渡り鳥がこの島にはやってきますが、中でもシギやチドリの仲間は移動距離がハンパではありません。

 これらの鳥さんたちは渡りの途中、干潟や湿地に降り立って水生昆虫やミミズなどの小動物を食べて体力を回復し、再び飛び立って行くという長い旅を春と秋に必ず行うのですが、伊豆大島には干潟も湿地もありません。
 この島に降り立ったシギ、チドリたちは磯で小さな甲殻類やゴカイなどを食べて過ごします。

 それでもやはり好適な環境が無いためか、あまり数は多くはありません。
 そんな中でも毎年必ず来てくれるのが今日写真をご紹介するムナグロ(チドリ科)です。荒波をバックに磯で眠そうにしていました。

 この鳥は夏と冬で全然違う姿に換羽しますが、写真の子たちは、「胸が黒い」美しい夏羽から地味な冬羽に生え変わっている途中です。良く見るとお腹の方に黒い夏羽がちょっと残っていますね。

 大きさはハトよりちょっと小さいくらいの鳥ですが、なんと、ユーラシア大陸のツンドラ地帯で繁殖し、日本まで飛んでくるのです。ちょっと羽を休めた後、さらに飛んで東南アジアで越冬します。一番遠くはオーストラリアやニュージーランドまで行くものも居ます。そして春になると再び日本を通って生まれ故郷のツンドラへ帰るのです。

 ですから、これらのシギ、チドリたちが元気で暮せるためには、繁殖地と越冬地、それと日本のような渡りの中継地の環境が守られていなくてはなりません。
どれかが一つ欠けたらこの素晴らしい「旅人」たちに会えなくなってしまうでしょう。鳥や野生動物に国境なんて関係ないですからね。

(あまの)

 

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秋の味覚

2009年09月14日 | 植物
“暑さ寒さも彼岸まで”と言いますが今年はお彼岸が来る前に涼しくなっています。朝夕は長袖が欲しいところです。
そんな秋日和は山歩きがお勧め!
道にはアキグミ、エビヅル、サルナシ、ヤマイモのムカゴなんかも生でもカリカリっと、あ!シイの実も甘みが有ってなかなか良いですよ。

でも、その中で本日の一押しはエビヅルでしょうか?大島では“エベヅ”と言って甘酸っぱい秋の味覚です。そのまま食べたりジュースを作ったり、焼酎に漬けたりして利用します。その紫の色もきれいですし、ポリフェノールもたくさん入っていると思われますよ。

        ダイエットとは無関係な(しま)でした

明日も山へ行きます。何を食してきましょうか?
     
コメント (2)
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白まだら!

2009年09月13日 | ツアー
本日、久しぶりにナイトツアーに行ってきました。
夏休みが終わったとたんに夜はすっかり冷えが早くなりました。
真っ暗になってしまう前に始められるよう、6時半からのスタートでした。
今日のリクエストは裏砂漠。
行きにキョンの姿でも見ながらいけたらいいな、なんて思っていると
まず今夜も一番初めにヒキガエルを発見!
スタッフのひとしきりの説明と、みんなで撮影会っ。

さらに足を進めて裏砂漠の入口に着く前に今度はキクガシラコウモリ~!
その後もカエル・コウモリ・カエル・カエル・・みたいな調子で生き物発見が続きました。

今夜はとても虫が多く飛んでいたので、きっと食料が多くてコウモリも出てきているのかもしれないですね!

そして、ヘビは温かい道路に出てくるんですよ~、なんていう話をしていると、呼ばれたかのようになんと、シロマダラが現れました!!

スタッフもお客様も大興奮です!
しばし撮影を楽しみました^^

裏砂漠への道を歩く時にもコウモリがたくさん飛んでいたのに、
今日はいつものように明かりの前を行ったり来たりする行動が見られず、先頭チームだけが目撃?なんていう事もありました(>.<)

それにしても全部の出演者のさらに上をいくのが、満天の星空でした♪
天の川もくっきりはっきり!
星が多すぎて、星座が分かりにくくなる程でした!

みんなで流れ星を待ちましたが、はっきりと確認が出来ず残念でした。
星が綺麗に出ていてこんなに流れ星が見られない日というのもめずらしいね・・という話をしましたっ。

帰りの車中では、参加の皆様全員で「次は何が出るか?!」と真剣に夜の道路を見つめながら盛り上がっていました!

今日は出演者てんこもりで大変楽しいツアーでした^^

(友)
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アオサギ

2009年09月12日 | 
いつも「今日はなにがいるかな~?」と見に行く海岸に、アオサギが1羽いました。
大島では春と秋によく見ることができます。
ときに3~6羽くらいの小さい群れでいることもあります。

大島で繁殖はしていませんが繁殖地では何百羽もの集団になることもあるそうで、その周辺では鳴き声や悪臭・糞で樹木が枯れる・池の魚が食べられるなどの被害が出ています。

こうしていると実に絵になるのですがね(笑)




主な食べ物は魚ですがバッタやトンボなどの虫やヘビ・カエル・ザリガニ、ときには他の鳥のヒナ・小鳥・ネズミまでも襲って食べてしまいます。

中でも驚いたのはいろいろ調べているうちにウサギを食べている写真を見つけたことです!
オランダで撮影されたその写真には仔ウサギを丸呑みにするアオサギの姿がバッチリ写っていました。

猛禽が生きた哺乳類を襲うということは今までテレビなどで見てきたせいかすんなり頭に入ってきますが、『アオサギがウサギを食べる』という画像はかなりの衝撃でした。
そう、このアオサギは生きたウサギを襲ったのです。
生きていくため ですね。




飛ぶ姿はゆったりとした羽ばたきで堂々としています。
初めて目にする人はその大きさに驚くことでしょう。

アオサギは日本で見ることのできるサギ類の中では最大のサギです。
そのためしばしば「ツルがいた!」と騒がれる対象になります。

飛翔時のツルとの見分け方は、ツルは首を真っ直ぐ伸ばしていますがアオサギはこの写真のようにS字に縮めています。

またツルに出会う確率は相当低いので、ツル飛来地周辺以外で大きな鳥を見つけたらそれはほぼアオサギで間違いありません。





・・・いや、でも・・・





鳥は大空を翔ける自由な生き物。
自分でどこへでも飛んで行くことができます。





どこにどんな鳥が現れたって、ちっとも不思議ではありません。



     がんま

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子ガメの出発

2009年09月11日 | 哺乳類、爬虫類、他
 写真は先週の土曜日、夕日の中を海へと出発する子ガメを見送ってくれた方々のシルエットです。鮮度が良くない話題ですが、ウミガメの卵のその後をご報告します。

 この夏は、梅雨がいつまでも続いたので、6~7月と8月上旬の地温が低めでした。そのため、カメの卵の孵化日数が例年に比べ延びました。ウミガメの卵は積算温度で孵化するため、孵化させる地温が低ければ長期化し、地温が高ければ短期になります。

 砂浜の地表下40~60センチくらいの所に、平均110個程の卵(ピンポン玉大)が
埋められています。この深さが卵の孵化に必要な適度な温度と湿度が維持される絶妙な設定なのです。その産卵巣の穴は、母ガメが後ろ足を交互に使って器用に掘ったものです。

 砂浜に卵をあずけて(薄情にも!)置き去りにしてしまうのですが、そうだからこそ慎重に産む場所選びをして「ここだ!」と決めて上陸・産卵しているはずです。そこが大島だというのが、いいじゃないですか!

 丁度、台風11号が伊豆諸島の東側を通過した翌日の9月1日、朝の見回りに行ってみると、保護柵の中から7本の足跡のスジが波打ち際まで続いているのが確認できました!7月8日の夜、母がメが産卵してから、54日が経ちました。

 大島で産卵するウミガメ2種(アオウミガメ・アカウミガメ)は、通常夜間に上陸します。そして子ガメたちも、だいたい夜の内に砂の中から脱出して海へと旅立って行きます。昼間の浜辺や陸の近くには外敵(捕食者)などの危険が多いから、こんな隠密行動の習性が身に付いたのでしょうね。

 夜の暗い内に出来るだけ陸地から離れて、うまく黒潮の流れに乗れれば、流木や流れ藻に身を隠しながら・・・遠くアメリカ大陸沿岸の美味しい大好物がたくさんの海域まで辿り着けるかも知れません。小さな子ガメの長旅を思うと無事を願わずにはいられませんね~。

 9月2~5日の間、毎朝見回っていましたが、子ガメが脱出した跡がないので、5日の夕方に産卵巣を掘って調べました。それで分かったのは、台風が接近してきた30日の夜に荒れた海へ出て行った子ガメもいたことです。そして、自力で脱出できずに生き埋めになっていた6匹の子ガメを夕日が沈む頃、みんなで見送りました。



 今度は子ガメの写真を上手に撮って載せたいものです(汗)   (なるせ)
 

 

  


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