グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

できてました!

2009年12月11日 | 歴史・文化
 木炭ができ上がっていました! 11月20日に引き続き、炭焼きのまとめをしておくことにします。実は、先週私が所用で島を離れている間に、炭焼き師匠のMさんが1人で炭を窯から出す:窯だしをしていたのでした。
 窯口を開ける時の、緊張と感動の一瞬がお届けできませんでした(涙)。最初の写真が窯から出したままの炭です。



 上の写真は、ノコギリで切った断面と、それを縦に割ったもの。このマテバシイの炭は、なかなか面白い模様ができてますね。今回、比較できませんがツバキ炭とは全く違います。
 使った炭窯が、もう何年も使われていませんでしたし、あの窯をMさんが借りるのも初めてでしたので、上手く炭化しているのか心配だったとのこと。ネズミの仕業などで、どこかに空気の通る穴があったりして密閉できないと、最悪の場合、炭にならず灰になってしまうことがあるそうです。Mさんはそんな不安もあって1人で窯だしをしたのでしょうか。



 マテバシイの樹皮が、みごとに剥がれていました。これは木の水上げの盛んな春に伐採したからだそうです。内側から見たところですが、飾って置きたいような造形です。



 これは樹皮が剥がれた幹の内側、とっても堅く仕上がっています。木は炭素が約50% その他、酸素、水素、チッソ、灰分や微量成分など。炭窯の中が高温になって炭素以外の成分が全て煙になって抜けてしまうと、真っ黒な炭素のかたまりになるのだそうです。最初の画像で、茶色く見える一部分は、上手く炭化していませんでした。

 ちなみに、偽装殺人か?とウワサの事件で使われた「練炭:れんたん」は、石炭・コークス・木炭を粉にしてピッチを加え、着火しやすく作られているそうです。今まで私は、石炭の粉を練ったものとばかり思い込んでいました。(恥)





 久し振りに炭をおこしました。いいものですね。木炭を生活の中で使うには、専用の道具があると便利です。(なくても工夫できるものもありますが)
 若い方は使ったことのない道具もあると思います。右は移動式簡易かまど「七輪:しちりん」です。側面の通風口を開閉して火力を調節します。江戸時代にお金の「七厘:しちりん」ほどのわずかな炭で煮炊きが出来る、ということから名付けられたそうです。
 左上のナベのような「炭おこし器」は、底がアミ状になっていて、これに炭を入れてコンロで着火させます。「火箸:ひばし」か、火ばさみも必要ですね。

 全国の木炭の生産は、昭和30年頃がピークで、その後は石油やガスのコンロが普及し炭の需要は急に減りました。でもまた最近、木炭や木酢液(もくさくえき)が再認識され、炭焼きが見直され始めたので、里山や雑木林に人の手が入れられるようになってきたようです。
 本物の火のぬくもり、火の大切さを実感して、改めて山や木々の貴重さに気付かされた思いです。

(なるせ)
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森の中の不思議な物と森林インストラクター試験

2009年12月10日 | 
先週金曜日のガイド中に、樹海の中で不思議なものを見かけました。
木の根元にうず高く降り積もったような綺麗なオレンジ色の粒々です。
ちょっと暗めな色から明るいオレンジ色まで色は微妙に違いますが、
妙に大きさも形もそろっています。皆さん、これ何だと思いますか?


写真を撮って各方面(どこでしょう~?笑)に問い合わせたところ、
カミキリ虫か蛾の幼虫の糞ではないかと教えてもらいました。
糞をどけると穴があるはずだとのこと…。

先日さっそく確認に行ってきました。良く観察して見ると糞をどけるまでもなく、
粒々の山の一番上に粒と同じぐらいの大きさの穴が見つかりました。
この穴からポイポイ捨てた糞が転がり落ちてなだらかな山を作っていたようです。


それにしても大きさも形も見事に揃った粒ですよね。(感心)
この粒の山は30分のコース中2か所にありましたが、2か所ともヒサカキの木の下でした。
やはり好みの木があるのでしょうね。
ちなみに粒をつぶしたら、粉々になって土と見分けがつかなくなりました。

木に穿孔し材を食い荒らす虫は林業の世界では害虫ですが、
この数え切れないほどの木の幹が乱立する樹海の中で、
自分の排泄物をきちんと巣の外に捨てて土に戻し、ひっそりと暮らす虫達のことを思うと、
本当は害虫などというものは自然界には存在しないのだろうな、と思います。

自然は常に変化しながらも絶妙なバランスを保っていて、何か一つのものが増えすぎない仕組みがあるように思います。
人間がそのバランスを崩しさえしなければ…。

ところで帰宅してさらに調べたら、どうやらこの虫の正体はゴマフボクトウの幼虫らしい
ということがわかってきました。
ゴマフボクトウといえば私の家のテーブルクロスの上に産卵した蛾ではないですか!
(どんな蛾か知りたい方は9月10日の日記をご覧ください。)
う~ん、ますます親しみが湧いてきました(笑)。

さて、今日の日記の写真がウン○の写真だけというのでは寂しいので、
同じ時に見かけた可愛い花をご紹介します。

キッコウハグマ。薄暗い森の中で足元に咲く可憐な花です。
ほとんどが種になっていましたが2株だけまだ咲き残っていました。


良く見ると種も綺麗です。フワフワの綿毛が花火のようです。

こんな立派な綿毛があれば
樹海の中のわずかな風でも、少しは遠くに飛んで行けそうですね。
頑張って風に乗って、どこかで芽を出し、来年にはこの森に沢山の可憐な花を咲かせてほしいです。


ところで最後に報告があります。
先日、森林インストラクターの試験に合格しました!

森林インストラクターって何?と思われる方も多いと思いますが、
一言で言うと「森の案内人」という感じでしょうか。

実はこの試験、難しいので定評があります(毎年の合格率は15~25%です)。
森林、林業、レクリェーション、安全、と試験範囲が広い上、
「森林の効用について300字以内で述べよ」みたいな記述式の問題が多くて、
時間内に書ききれないというのが難易度の高さの原因のようです。

勉強はかなりハードでしたけれど、この試験のために、
森の構造や役割をはじめ多岐にわたる課題を300字~500字にまとめる練習を
繰り返したことが、今、実際のガイドの現場でと~っても役に立っています。

これから少しずつ全国の森林インストラクターの方々と交流して他の地域のことを学びながら、
ここ伊豆大島の個性&魅力を、たくさん見つけていきたいです。
楽しい発見があったらこの日記で報告しますね!

(カナ)

コメント (3)
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赤い実

2009年12月09日 | 植物
12月に入り、大島では、お正月の花に使われる千両の出荷が始まりました。
千両はお正月の花を代表するような木ですよね。

写真のマンリョウも同じ赤い実をつける木です。
大島にあるのはオオバマンリョウという種類になるようです。
大島では林や藪の中でよく見かけます。
特に実をつけるこの時期は目につきます。

千両と同じようにお正月の花として飾られるようです。
千両は葉の上に実をつけますが、万両は逆に葉の下に実をつけます。
切花として飾る千両に対して、万両は鉢植えで飾ることが多いようです。

同じように赤い実をつけるサルトリイバラもこの時期目にとまります。
最近ではクリスマスリースの飾りとして人気が高いようです。
私も毎年使ってリースを作ります。

どれも季節的に人気の赤い実で、
きっと鳥と人間で取り合うようですね。

(のり)
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春を待つ生きた枯葉?

2009年12月08日 | 
 12月になったというのに暖かい日にはまだ虫の姿を見かけることがあります。

 先日のスタッフ勉強会で野鳥観察している時のことです。林の中の小道をひらひらと飛んでいるものがいます。

 止まるのを待って種類を確認しようと目で追うと、道端の落ち葉の上に降りました。その時の写真が上の画像です。見事な擬態で最初数人で目を凝らしてもまったく見つかりませんでした。
 どこにいるかわかりますか?ちょっと葉っぱが被っていて意地悪な画像ですね。

そっと手前の枝をどけて撮ったのが下の画像です。



さて、この虫の正体は?!
蛾ではありませんよ~。地味ですがチョウです。
 クロコノマチョウという種類です。
ジャノメチョウ科に属するチョウで、日本では本州南西部(静岡県など太平洋沿岸部から紀伊半島、瀬戸内海沿岸部)から四国、九州、屋久島、種子島にかけて分布しますが、本州中部地方の太平洋岸に定着するようになったのは昭和30年代以降のことなのだそうです。
 とても近い親戚にウスイロコノマチョウという種類が居ますが、こちらはより南方系で奄美諸島以南に分布するとされています。
 薄暗い林の中に居るので漢字では「木間蝶」と書くそうです。

こんな時期に成虫でうろうろしているのは、彼らが成虫で越冬するからなのです。真冬でも暖かい日にはちょっと飛び回ったりするのかも知れません。
 ちなみにこの蝶には形がちょっと異なる夏型と秋型がありますが、越冬するのは秋型です。

 日本産ジャノメチョウ科のうちで成虫で越冬するのは、本種とウスイロコノマチョウくらいです。

 幼虫の食草はススキ、ジュズダマなどらしいので、来年の春には伊豆大島でも幼虫が見られるかもしれませんね! 

(あまの)
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カミヤツデ

2009年12月07日 | 植物
波浮港にあるちょっと変わった木があります。ジャングルか恐竜が似合いそうな木です
高さ3~4メートルでしょうか。



今クリームに変化しているのでよく見ると花が咲いていました


沢山かたまっているのですが、1つの花はとても小さいです


葉ので始め


こんな葉です

ヤツデの葉によく似ています。“カミヤツデ”と言います。
カミは紙で昔この木で紙を作ったからだそうです。
幹は、今年成長した部分は草系ですが


何年か経つとこんなに木質化しています。


自然の物ではなく人間の手によって植えられて増えた物でしょうが、誰が何のために(紙を作るためが=無さそうですが)やはり、観賞用でしょうか?

昭和の初め、大島を観光地にするためヤシなどの南国的な植物を植えた時期があったそうですがその時なのでしょうか?
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冬がはじまるよ

2009年12月06日 | 
 12月に入って今日で6日目。さすがに気温が低くなってきましたが、昨夜は雨が降ったためかまだヒキガエルが何匹も道路を歩きまわっていました。 
 今日のように晴れた日にはカネタタキの声がまだ聞かれています。
 時々蛾の仲間や成虫で越冬するチョウの仲間を見かけることもあります。

 しかし、やはり冬は多くの生き物にとって厳しいもの。特に昆虫たちはその種類によって卵を残して死に絶えたり、蛹になって春を待ったり、様々な方法で寒さをしのぎ、捕食者の目を逃れ、また数ヵ月後にやって来る春を謳歌します。

 夏から秋にかけて伊豆大島を彩り賑わしていた虫達。彼らはそっと命をつなぎ静かだけれども力強く生きています。
 
 朝、家の近くで画像のヒメクダマキモドキの雌が横たわってるのを見つけました。もう死んでしまっているのかと思い拾い上げると弱々しく脚を動かしました。 その姿になんとも言えない気持ちになって冷たいアスファルトの上から土の上に移動させてやりました。

 彼女の命はあとわずか。一夏の命を懸命に生きたのでしょう。自力で移動することも出来なくなってもその眼には「誇り」のようなものが見えたような気がして、敬意を表したくなりました。
 彼女の最後の瞬間を写真に撮り、その生き様から誰かが何かを感じてくれたら、と思いこのブログを書いています。

 たった数ヶ月を生きる虫たち。卵を残し、冬の訪れとともにその命を終える。来年の春に生まれ来る決して見ることのない我が子らに全てを託して。
 
 そしてその営みは来年も、再来年も繰り返され、我々人間を包み込んでいる大きな世界を支えてくれているんだと気付きました。彼らの命は短いように感じるけれども、その命は脈々と太古から受け継がれてきているものであるということに。

(あまの)
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ツグミ

2009年12月05日 | 

興味のない人にはサッパリわからないことでしょうけれど、私のように鳥見を趣味としている人間にとって季節ごとに渡ってくる鳥たちとの出会いというのは本当にうれしいものです。

この冬もはるばる海を越えて大島にツグミがやって来ました。
今季の初確認は11月3日でした。



写真のツグミは今朝、小雨降る海岸近くの小さな公園で。


↑の擬似木から地面に降り立って食べ物をゲット!
コガネムシの幼虫のようです。








一見地味ですがとっても味わい深い色合いをしています。
この色の配分に1羽1羽の個性があって、何羽見ても飽きることがありません。
オスはメリハリの利いた色調で、メスは少し淡くなります。

地面をサササーッと歩いたりピョンピョン跳ねたりこうしてピタッと止まったり。









あれ?
後ろに誰かいますね。











イソシギでした。
お互いそれぞれをまったく無視してエサを探していました。







毎年こうして律儀に来てくれてありがとう(笑)

ツグミたちは来年の4月下旬まで滞在しています。



           がんま
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三原山ツアーと素敵なプレゼント

2009年12月04日 | ツアー
今日は外国メディアの方々の大島視察ツアー2日目で、数種類の体験ツアーが行われ、山ガイドは私が担当しました。
サイクリングやダイビングが大人気で、山歩きの希望者は1名でした。

人数の少なさに最初はちょっと拍子抜けしましたが、でも逆に少人数の方がゆっくり三原山の魅力を紹介できます。
天気予報も晴天で風も弱いとなっていたので、山頂口からお鉢まわりをして裏砂漠、樹海、と抜ける
てんこ盛りのコースを用意して張り切って山に出発しました。(先週、下見したコースです。)

支庁からの飛び入り参加のM氏と3人で「良い天気ですね~!」と清々しい気分で歩き始めたのですが…。
あれ??おかしい!なんだか妙に風が強いのです…。

歩いていくうちに風はどんどん強くなり、言葉が聞き取れないほどになってきました。時々風にあおられてよろめくほどです。
(実は一番よろめいていたのは私なのですけど…汗)

朝の天気予報は1日中穏やかな風だったのに…そう思って携帯で1時間ごとの風を調べたのですが
やはり1日中穏やかな風の予報しか出ていません。
でも実際には私達のまわりには風がビュービュー。自然相手は本当に予測がつかない部分が多いですね。

溶岩の中に入り込んだイタドリの種が翼を持っていて、いかに風に飛びやすいかを説明しようとして手に乗せると、
説明が終わる前に飛んで行ってしまいます……。

このままではあまりにも危険なので予定していたコースは断念し、火口展望台の往復のみで切り上げて、
温泉ホテル側から樹海を歩き裏砂漠に立ち寄りました。

後半は風を感じず少し余裕を持って植物を見て歩けました。
今、野の花はほとんど終わりで、椿が咲き始めている時期なのですが、いろいろな実は楽しめます。
黒くツヤツヤしたイヌツゲの実、ピンク色の鞘が可愛いマユミ、真っ赤なシロダモ、ツルマサキ、ヤブコウジ。

メギにも真っ赤なツヤツヤした実がついていました。


裏砂漠では枯れて葉を落としたイタドリの中に緑色の小さなススキが伸び、小さな穂を開いていました。

溶岩の大地に噴火1年目に芽を出した、たくましいイタドリは冬には枯れて葉を落とし、枝だけになります。
風に飛ばされた枯れ葉は他に引っかかる場所がないので、結局イタドリの根元に吹きだまります。
自分の体から落とした葉を栄養分にして、さらに成長していくのです。

何年か経ち、イタドリの根もとの栄養分が他の植物の成長を支えるのに十分になってきた時、
運良くたどり着いたススキの種が成長を始めます。
この枯れ枝の中の青々としたススキは、小さいながらも逞しいパイオニアなのです。

これから何年もかけてススキの原になっていくのでしょうね。
こんな逞しい命に出会うたびに、「歩いて良かったなぁ。」と思います。

ツアーに参加したくださったT様、Mさん、ありがとうございました。
色々なものを共有出来て楽しかったです。

ところで、ツアーから帰ったら、店にとても素敵なプレゼントが届いていました。

毎年、自然愛好会のSさんがプレゼントしてくれる巨大リースです!!
全て大島の植物の実と花でできています。今日山で見てきた実も飾られていました!

アップにするとこんな感じです。自然の色ってなんて多彩で美しいのでしょうか。
Sさん、毎年ありがとうございます!!


風のパワーに圧倒され、小さな植物の逞しさに見とれ、山でも店でも自然の作りだした様々な色を楽しみ…今日も素敵な1日でした!


(カナ)



コメント (2)
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鳥の巣

2009年12月03日 | 
未明からの雨が一日降り続き、午後は風も吹きました。
きのうは、暖かくて晴れた空を見上げると、葉を落としたオオシマザクラの枝に鳥の巣らしきものが見えました。

ヒヨドリの巣でしょうか? (注)

大きな巣のようでしたが、壊れかけていて、高い位置でしたし形がよく分かりませんでした。

この時季になると、サクラやエノキ、クワ、果樹ではウメなど早々と落葉し、枝だけになって冬支度です。落葉樹(夏緑樹)が葉をなくした枝に鳥の巣を発見することが時々あります。葉が茂っている時には、すぐ近くを歩いていても気付かなかった所に、見つからないように、雨に濡れにくいように巣を作っているのに感心させられます。




台風や低気圧の通過した後などに、地面に落ちている鳥の巣を拾うこともあります。上の写真は、この秋に拾ったメジロの巣です。このようにお椀型で上向きに使われます。

巣の内側の直径5~5.5センチ、深さ4.5~5センチくらい。

巣の材料は、枯れ草、樹木のシュロの幹の繊維・・・それからミズゴケやスギゴケなどの蘚類も使われていて、とってもやわらかくて温かそうです! 5~6月が産卵期で、4~5個の卵を11~12日ほど温めます。ヒナの巣立ちまでは11~13日だそうですから、すごく早いですね。(ニワトリは21日温めてました!)



これは下側から見たところ、
鳥の巣は保温器にもベビーベッドにもなるんですから、安全性に耐久性、それから柔軟性も求められるのでしょう。
何と、クモの巣を使ったりして枝に吊り下げるそうです!!

メジロもヒヨドリも、今頃からツバキの蜜を好んで吸い、花々を飛び回っては花粉を媒介してくれます。





上の巣の製作者は、ウグイスです。ホーホケキョ! 
これは、巣を上から見たところ。こちらの巣は横穴式なのです。





これは横から撮りました。
ススキやチガヤ、笹などの枯れ葉を上手に使って作っています。

巣の内側の直径4~4.5センチ、深さ7~7.5センチくらいです。

ウグイスは比較的低い所に巣を作ります。今年7月に見つけた巣はガクアジサイの枝にありました。こんなに低い所でヘビやネコに狙われないか心配になる、腰の高さくらいの所でした。低いのにはそれなりの理由があるでしょう。

天気俚諺(りげん)では、ハチが低い場所に巣を作ると秋に大きな台風が来る、とか、雪の多い地方でカマキリが高い所に産卵した冬は積雪が多い、とかいいますが。ウグイスの巣が低いところなのは、いつものことのようです。 何で?





この巣は、10月17日にヤブツバキの小さな木で見つけて撮りました。
ウグイスも産卵期は5~6月。卵数4~6個、抱卵日数14~16日、ヒナが巣立ちまで14日くらい。ホトトギスに托卵されることがあるようですが、それとは関係ないと思いますが。
一体この巣に何があったのでしょう?! 卵の中身は、3つとも腐っていました。

未受精卵の場合、孵化しないと、親鳥は巣も放棄してしまうのでしょうか?

親鳥の身に何かあったのでしょうか・・・?!  謎です。




やっぱり、カテゴリー「 鳥 」に挑戦したけど難しい!
分からないことが多過ぎる~。(汗)

(なるせ)

(注)トップ画像のサクラの枝にあるのはキジバトの巣だそうです。
   鳥に詳しいメンバーからチェックが入りました。
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磯の貝達17

2009年12月02日 | 海の生物
季節はすっかり冬になってきていますが
海は実に温かいです。水温が21℃もあります。
陸の気温が暖かくても15~6というのに比べればどれだけ温かい事でしょう。
海が温かいう事は、海の生き物達も元気で暮せるという事ですね。

今回のご紹介する貝は今迄の貝とは違いちょっと変わった奴です。
前にも書きましたが、生き物には名前があります。
この和名に地名が付く事がよくあります。
伊豆大島を含む、伊豆諸島では「八丈島」が有名で非常に多くの生き物に使われています。

植物ならば、ハチジョウイタドリやハチジョウキブシ
昆虫ならハチジョウノコギリクワガタ
カニなら、ハチジョウヒライソモドキ
魚ならば、ハチジョウボウヨウジやハチジョウフサカサゴ等です。
勿論、貝にも有りハチジョウヒゲヒザラガイ等が知られています。
そんな「ハチジョウ」は付く、ちょっと変わった貝を紹介します。

ハチジョウチチカケガイです。
チチカケガイ科という科に含まれる貝で
実は1科1属1種の特殊な奴です。
写真をご覧下さい、貝というよりはウミウシに近いフォルムをしています。
しかし、心臓と鰓の位置から立派な巻貝の仲間に分類されているのです。

チチカケは「乳をかける」の意味で、刺激を与えると乳白色の液を分泌するそうです。
残念ながら撮影時には、その乳を出してくれませんでした。。。

この貝、図鑑等の分布では三宅島以南とあります。
つまり今回の大島の発見は、北限の更新という事になるのかもしれません。
しかし、実物を撮影後に捕獲した訳では無いので、正式な記録にはならないでしょう。
黒潮の影響における季節来遊なのか?それとも常時生息している生き物なのかは分りませんが、大島の生物層の濃さを改めて再認識した出来事でした。

この貝を、今年の春から探して来た私にしては今年一番の大ニュースでした。
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