グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ジオパークガイド講習「火山防災」

2012年02月19日 | 火山・ジオパーク
今日のジオパークガイド講習は、東大名誉教授であり火山噴火予知連絡会会長でもある藤井敏嗣先生の「火山噴火と火山災害」の講義でした。

火山や噴火の基礎から今の火山噴火予知の現状などについて様々な話しを聞くことができて、私にとってとても有意義な時間になりました。

とくに印象深かった内容をいくつか…。

まず面白かったのは「富士山が円錐型で伊豆大島はなだらかな丘のような形をしているのは、富士山のマグマの方が粘性が高いからだと言われていたが、実際はその逆」という内容でした。(藤井先生の専門はマグマ学)

富士山の溶岩は99パーセントが玄武岩で、伊豆大島はもう少し安山岩よりの粘り気のある溶岩なのだそうです。普通サラサラのものの方が、山にならなさそうですが実際にはマグマの粘性だけが山の形を決めるわけではないようです。

富士山が円錐型なのは…

年齢が大島の5倍、(富士山は誕生後10万年、伊豆大島は海上に顔を出してから2万年)
マグマ噴出率が富士山は日本一、などの理由によるようです。

…ということは伊豆大島の火山も、もっともっと年を重ねたら富士山のような高い山に成長していくのでしょうか?

何万年後かにはこの景色の中に、富士山のような山がそびえたっているのかもしれませんね。

そして「噴火の前兆は必ず生じるがその時間スケールは様々で、火山によっては数時間たらずで噴火に至るケースもある」という内容は、ちょっとショッキングでした。

と言うことは“日本で最も観測が進んでいる火山のひとつ”と言われている伊豆大島でも、予想外のことがおきる可能性がなくはないということ(^_^;)これは「普段と違う」とか「何かがおかしい。」と思う、自分の動物的な感を研ぎ澄ましておかなければいけませんね。

人に頼るのではなく、自分で判断し危険を察知することが必要だと感じました。そしてそれと同時に、できるだけ火山の速報を手に入れられる状態で歩くようにしなければいけないとも思いました。

更に…
1 三宅島の2000年の噴火は数1000年に1回程度の特異な噴火と数10年おきの規則的な噴火が重なったもので、大島にも充分にその可能性があるということ、
2 比較的規則正しく噴火している火山でも、いつも同じような噴火をするとは限らないこと
3 近年の日本の火山噴火は比較的小規模なものが多かったが、火山ってこんなものではないこと、
4 今後100年の間に国内で5~6回は中規模~大規模噴火が起こる可能性があること
5 3.11のM9クラスの地震に数年以内に火山噴火が誘発される可能性もあること…などなど

日本の火山防災のトップである藤井先生のお話は、淡々と事実を話してくれているのに迫力があって、引き込まれました。なんだか今までなんとなくおぼろげに感じていたことを、「きちんと正視しなければならないものとして認識した」気分です。

こうやって少しずつ、第一線で活躍されている方達のお話を聞くことで、何かが自分の中で変わっていくような気がします。
(あやふやだったものが、ハッキリしてくるというか…)

今日の話を自分の中だけにしまっておいては、あまりにももったいないので、何かの形で出来るだけ多くの人に還元していきたいなぁ、と思いました。

(カナ)
コメント (2)
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雪が降りました

2012年02月18日 | 今日の大島
この冬は本当に寒さが厳しいです。
今日の伊豆大島の日中の最高気温は8.7℃(もう1ヶ所の観測地は7.7℃でした!)
こんなプラスの気温、もっと北国の人からすれば「何言ってんの!」と怒られそうですが(汗)

今朝は雪が積もっていました。
自宅の庭がこんなに白くなるなんて。




ちょっと標高の高いお友達の家で。


動物の足あと(笑)



三原山中腹付近から雪が積もるのは今季も何度かありましたが、海岸に近いところでも積もるのは初めてです。

雪雲は足早に立ち去って見事な青空が広がりました。
赤っ禿(あかっぱげ)から。







野田浜(ぬたのはま)から。
対岸の大室山もご覧の通り。


もちろん富士山も!


風力発電の風車もよく見えます。



弘法浜(こうぼうはま)から。
まだなんか妖しげな雲が。こっち来ないで!


少しウネリがあります。


薄っすら雪化粧の三原山。



まだまだ寒い日が続くようです。
体調管理に気をつけましょう。


                             がんま
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モウセンゴケ 噂の現場

2012年02月17日 | 植物
外輪山の都道沿いにある、希少なモウセンゴケの生育地が
危機に瀕していると噂に聞いて行ってみました。

東京都環境局自然環境部の発行した絵地図『大島・利島』には、
この付近が「コモウセンゴケ」の自生地と記されています。

同じモウセンゴケ科のモウセンゴケとコモウセンゴケは、
とてもよく似ているようです。

見分けるポイントは、葉の形。

↑左側の2本をスプーン・おたま型、
右側の2本をおしゃもじ・へら型、とします。(笑)

モウセンゴケは葉が丸く柄が長い、スプーン・おたま型。
コモウセンゴケは、おしゃもじ・へら型。

自然愛好会編集の『伊豆大島の植物』134ページ記載種は、
モウセンゴケの誤認・誤記ということになります。
2008年に改訂しましたが、
まだいくつか誤りが見つかっています。トホホ

食虫植物のモウセンゴケは、名前に「コケ」とついていますが、
種子植物の多年草です。丸い葉の表面に繊毛が密生し、
小さな昆虫を粘着させて消化してしまいます。

根から吸収した養分で花を咲かせることは出来るそうですが、
昆虫の栄養分をプラスすれば種子をより多く残せるそうです。
多年草ですが残念ながら今は冬枯れで、
葉がないので地上部はほとんど見られません。
これ↑は図鑑の転写です(汗)

『東京都の保護上重要な野生生物種(島しょ部)
~東京都レッドリスト~ 2011年版』に
載っているだろうと思いましたが、なぜかありません!
目立たない植物なので記載モレでしょうか?

国立公園の特別地域には「指定植物」が選定されていて、
採取などには環境大臣の許可が必要です。
以前、大島支庁で頂いた資料を見たら、
ありました!

モウセンゴケは当国立公園の指定植物です!

指定植物の選定理由は、
「観賞用・園芸用・薬草用などとして
採取されやすく、規制を行わなければ
絶滅する恐れのある植物であること。


[4]他の生物と共存関係にある種、
  b 、食虫植物

           」などとされています。

詳しくは、環境省のホームページで、関係法令・各種資料を開いて、
「国立・国定公園特別地域の指定植物」をご参照ください。

指定植物は、他にシマタヌキランやスカシユリなど・・・
たくさんあります。

工事がストップしているらしいと噂で聞いたので、
「指定植物」に選定されていて良かったなあ、と思ったのですが、
工事は再開され生育地は崩されていました!!!

「指定植物」制度は、抑止力にならないのですね(涙)
すぐ許可が出てしまったのでしょうか?

道路災害防除工事・・・
小さな崖ですが、道路管理者の東京都としては、
崩れる危険を防除しておかなければならない・・・
ということなのでしょう。

削られた道路の反対側には、
元町を見下ろせる見晴し台があり、
観光タクシーを止めて、お客様にこの場所も案内し、
モウセンゴケやイズノシマダイモンジソウ、
コケリンドウなどを
ご覧頂いていた運転手さんもいらしたようです。

残念ながら、
公共事業のアセスメント(影響評価)は、
一定規模以上の工事でないと行われません。

法律ではそうなっていても、国立公園の特別地域内です。
大島へ観光でいらしたお客様の多くが通る貴重な場所です。
その場所がどんな植物の自生地なのか、
他の季節の様子も確認すべきですね。

まだ削られていないところを見てみると、
トウゲシバやクラマゴケの仲間なども見られました。

工事の途中でも、「そこには貴重な植物があるよ」と指摘があったら、
遺跡が出土した場合に文化財保護法で工事をストップして
充分調べ保全するように、新たな仕組みが必要かも知れません。

モウセンゴケとダイモンジソウは移植されるそうです。
上手くいくことを見守りたいと思います。

(なるせ)
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春の兆しを見つけたツアー

2012年02月16日 | ツアー
2日間、柳場と10名の方のツアーをご案内しました。
インフルエンザ後、久しぶりの山です(^O^)

しか~し、昨日の天気予報は雨。
添乗員の方は「大丈夫です。私は晴れ男なんで歩いているうちに必ず晴れます。」と自信を持っておっしゃるのですが、山に上がった時は霧で何も見えませんでした。

「晴れ男さん、お願いしますよ~。」などと言っていたら、だんだん霧が晴れて三原山が姿を見せ始めました。

すごいタイミングに、みんなビックリです。

スッキリ霧が晴れたところで記念撮影。

晴れ男の添乗員の方が、万歳しています(^^)v

溶岩の上に最初に芽を出すハチジョウイタドリの、3枚の翼つきタネを観察したり…

(飛ばないタネがまだ結構残っていました。)

オオバヤシャブシの実と、膨らみ始めた今年の雄花の蕾を眺めたり…

周囲の景色をゆっくり楽しみながら、山を登りました。

途中の壁が、キラキラ光っていました。
「なんで今日は壁が光っているのだろう?」

不思議に思って近づいたら、理由はコレでした!

小さな小さなコケの胞子に雨粒が1滴ずつ、ついていたのです!
「うわ~!超カワイイ!!」

ほんの一瞬しか見ることのできない、キラキラ輝く小さな水滴。

三原山からの、とても素敵なプレゼントでした(^O^)

冬の間、枝に沿って目立たない状態で伸びていたハチジョウキブシの蕾も、下に垂れ下がり始めました。

そろそろ花の準備を始めたようです。

これ以外にも、春の兆しがあちこちで見つかりました。
大島公園の早咲きの桜の枝先に、白い花がポツポツと開き始めていましたし…


森では、ハチジョウカンスゲが花粉がギッシリ詰まった雄花を伸ばしていました。

この光景を見ると「春が来た~!」とうれしくなるのは、大島で長く暮らしているからかもしれません。
もうすぐ、野の花の季節が始まりますね(^O^)

そうそう、今日は森でちょっと面白いものを拾いました。

サルトリイバラの葉っぱに、しっかりと固定された蜂の巣です。

たぶん葉裏に巣を作りかけたところで、葉が地面に落ちてしまったのでしょう。
蜂、ビックリしたでしょうねぇ~(^_^;)

自然の中をのんびり歩いた後は、波浮の港へ立ち寄りました。
名物のアツアツコロッケが揚がるのを待ちながら、みんなで「波浮の港」の歌を合唱(^O^)

歌ったあとのサクサクコロッケ、最高です!(^^)!

そして最後に椿油工場見学へ。

今回のツアーのテーマは“火山と椿”

椿祭りや椿トンネルなど、様々な場所で椿を楽しんでいただいた後は、“大島の人が椿をどのように利用してきたか”を見ていただきたい、と思ったので、予定外でしたが工業に立ち寄りました。

「油屋」として4代目のご主人が、椿油について熱く語ってくれました。

笑顔いっぱいの皆さんと、楽しく歩いた2日間でした。

(カナ)

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もはや珍鳥!?

2012年02月15日 | 
2月ももう後半ですが年が明けたらどっとやって来るはずだった(ワタクシの希望~)冬鳥もサッパリです。
例年ならどこにでもいたアオジやツグミも滅多に出会うことがありません。
またまた言っちゃいますけど「この冬は本当に冬鳥がいません!!(涙)」

そんな中、やっと見つけたジョウビタキ♂です。
発見は一昨日の月曜日。
味気ない人工物止まりですがこの際そんなことはどうでもいいです。
出会えただけでもうれしい!
写真に撮れただけでも!
この冬はまったくもって普通種のジョウビタキでさえ珍鳥の仲間入りですよ(笑)




前の冬は海岸沿いやそこいらを歩いただけでもわんさかいて、自宅にもかわいいジョウビタキ♀が縄張りを持ってくれたのに・・・
一体どうしたというのだ!?


これからの春の移動に期待します。
・・・あんまり期待しすぎちゃいけないけどね。


                     がんま
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今日の三原山ツアー・・・

2012年02月14日 | ツアー
本日、病み上がりの西谷に代わり、三原山ガイドに行ってきました。
そのご報告です。

浜松からお越しの総勢40名様。
半数は、様々な所を歩いているベテランさん。

そして半数は、山歩きには余り慣れていないとの事でした。

皆さんご存知のように今日は
天候が悪く、山頂は100パーセント雲の中。

更に、大人数と言うこともあって
歩き始める前に、ホテルでスライドショーを行ない
予備知識を入れて頂きました。(経験豊かな”西谷”の発案です。)



さて、ホテルを出て山頂見晴台に立つと、目の前は真っ白・・・・・
何も見えません。


でも皆さん、にこやかに出発です。




人数が多いので、後ろの方達はかすんでいます。

縄状溶岩・86年溶岩流の上、皆さんとても反応がよいです。
溶岩流の上では、あちらこちらで「すごい~ぃ!」と
歓声が上がっていました。

20~30メートルしか視界が無いので
それが逆に、荒涼感をかもしだしていたのかも知れませんね。


上り坂に差し掛かると、結構雨も降ってきました。




それでも、避難壕の前で ”記念撮影”
どんな状況でも、楽しまなくっちゃね~。



皆さん、カラフルですね~。 ”本家 島ガール”にも負けていません。


視界は悪いのですが、幸いな事に風はそれほど強くありません。
折角なので、何も見えないとは判っていましたが
火孔展望台まで行ってみました。

しかし、こんな感じです。  



スライドショーを行なってきてたので
「皆さ~ん、火孔見えますか~、心の目で見てくださ~い。」と
思わず、叫んでしまいました。

さて、温泉ホテルに向けて下山です。

ここでは冊の無い中、ズラ~ッと列になって進みます。
はぐれる心配はないのですが、見えないので後ろが気になります。
どのぐらい列が長くなってるのかも判りません。



こんな感じで皆さん、しっかり歩いています。


私の好きな溶岩地帯に到着しました。
しかし、道路から数メートルの距離しか岩が見えません。
いつもなら、色々な奇岩を探して頂き盛り上がるのですが・・・


このブログに良く登場する”お祈りする犬”も、こんな感じです。



画像左に写ってるのが、判りますか?


さて、こんな視界不良のウォーキングでしたが
皆さん、要所々ではとても楽しんで下さいました。
どんな状況でも楽しめるって、素晴らしいですね。

でも出来れば、もう一度大島に来ていただいて
素晴らしい景観を見て頂きたいと思います。

皆さ~ん、リベンジ・・・お待ちしてますよ~。
                       (ぎば)










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水仙

2012年02月13日 | 植物
椿の花が咲き始めてきました。しかし、その木の下に黄色い花も見逃さないでください。
水仙の花。
日本寒水仙
中国では水の仙人と言うことらしいです。ヨーロッパでは美少年が水に映った自分の姿に恋をし、死んでしまった姿でうつむいているのは今でも水に映った姿を見ているのだとか?
越前海岸や千葉や下田の爪木崎など海の近くに群生しています。大島では群生はしていませんが、あまり手入れされて居ないような小群落(初めは球根を植えておいたのでしょうが)が結構見られ自力で増えて寒い今可愛い花を見せてくれます。
冬になると葉が無くなってしまう物と(もう少しすると葉と花が出てきます)、冬じゅう葉が茂っている物と(これが今咲いています)2品種有ります。
しかし、全草毒物だそうで危険植物?だから鳥や動物に狙われずに生きて繁殖出来たのでしょう。
私の咲かせた水仙です(しま)
たった1個だけ?ん風邪をひいてしまいましたずびーやっと熱も引いてきました。全国的にも大島も風邪がはやっています。みなさんくれぐれも流行りものにご注意ください!

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ジオパークガイド養成講座 第4回のご報告

2012年02月12日 | 火山・ジオパーク

一昨日の午後7:00から、樋口先生をお招きして
”第4回ジオパークガイド養成講座”が、大島町役場1F会議室にて行われました。
講座の中で、特に興味深かった内容についてのご報告です。

今回は、① 遺跡  ② 流人  ③ 史跡  ④ 文化財 が、講義のテーマでした。
手元には、100ページ近い資料。

まずは、表題通り ”遺 跡 ”のお話からスタートしました。


いきなりですが、このブログをご覧の皆さん、
伊豆大島には、いつ頃から人々が住み始めたのでしょう?

これを知るには、人々の生活の痕跡を探しその遺跡の年代を調べるしかありません。
遺跡が謎を解き明かしてくれるのですね。

私は考古学を勉強したことは無く、正直さほど興味も持っていませんでした。
しかし今回先生のお話を聞いて、この謎解きの醍醐味に触れることができました。

答えは・・・何と!今から約8,000年前 

”縄文時代早期 ”と思われる地層から、住居跡や土器が見つかっているとの事です。
しかも私が驚いたのは、”イノシシ”の骨も見つかっているのです。
大島に”イノシシ”は生息してなかったと思うので
きっと食料として、どこからか持ち込んだのでしょう。

火山で出来た誰も住んでいない所へ、なぜ人が住み始めたのでしょう?
樋口先生が、どなたか?に訊ねた事があるそうです。
この答えが最高でした。

「それは、人間本来が持っている冒険心でしょう。」
なるほど、”たまたま潮に乗って流れ着いた”のではないのですね。
新天地を求めて、自らやってきた訳です。食料の猪を積んで・・・。
ロマンを感じますね~。

では、どこに住み始めたのでしょう?
その答えは、島内50ヶ所以上に残る遺跡のどこか?となるのでしょうか。
遺跡は、西側の海岸線に多く存在するそうです。

”対岸の伊豆半島から来たから”というのが大きな理由かも知れませんが
ゴロタや砂浜が多く、漂着し易いと言う事も考えられます。
地形が関係しているのかも知れません。

また、生きていく為には水が必要です。

溶岩や火山礫・火山灰で出来た大島には川や湖がありません。
島に降り注いだ雨は、すぐに土中に染み込んでしまい貯まらないのです。
しかし波打ち際には、今でも真水が湧き出しているところが沢山有ります。
結構、これがポイントではないでしょうか。

島に住むと言う事は、火山と共存すると言う事。
様々な苦労があり、噴火に怯えた事も多々あったのでしょう。

そんな中でも人々は逞しく生き、様々な所と交流もあった様ですね。
遺跡からは、貴重な貝(オオツタノハ)の細工場跡(さいくばあと)や
他の島から持ち込まれたと思われる”上質な黒曜石で作られた矢じり?”
なども出ているそうです。


教室の様子です。50名以上の方が真剣に耳を傾けていました。




さて5分ほどの休憩をはさみ、お話は”流 人”に移りました。

島の歴史を語るうえに於いて、これは外せません。

今まで、八丈は重罪人、大島は軽犯罪 と思っていたのですが
実は、大島には”政治犯”が多かったそうです。

流刑者で、私が知っている名前は
役行者(えんのぎょうじゃ)・オタイネ ジュリア・源為朝・赤穂義士の遺児
などですが、興味深かったのは、日蓮宗の僧侶が69名ほど島流しに遭い
その内、大島にも13名が流されているというお話でした。

このお坊さん達が亡くなった後、10人の名前を刻んだ供養塔が建てられたのですが
(3名は、お寺が違う所)
島流しに遭った”言わば罪人の供養塔”を建てるのは当時ご法度。
で、どうしたかと言うと・・・

巡検に来る役人に見付からない様に隠す為
1メートル四方の溶岩を利用したとの事です。

ナルホド~納得、流れ広がった溶岩なら厚さが無く
広い面積を必要な時だけ隠すのに好都合だったのですね。

周囲を土で覆えば、地面に埋もれた大岩(岩盤)に見える訳です。
こんな所に溶岩が利用されていたとは・・・まさしくジオですね。

さて、この様なお話を聞いているうちにアッ!と言う間に
2時間が過ぎてしまいました。

結局、”史跡” ”文化財”は、用意して頂いた資料で自主勉強となりました。
もっとお話をお聞きしたかったのですが、残念!

その土地その土地・・・そこの土壌に根ざした生活が有ります。
その地域の歴史を知る事は、正にジオを学ぶ事なのですね。

ちょっと時間が足りませんでしたが、良い勉強ができました。
今回のお話も、きっとジオガイドに生かされるでしょう。
樋口先生、ありがとうございました。


さて先日、インフルエンザに倒れた西谷に代わり
「いい旅・夢気分」のロケをお手伝いしてきました。

その時の様子です。



86年の噴火でも流されなかった”三原神社”の前から下界?を撮っています。

この時収録した番組が
2月22日(水)20:00から”テレビ東京”で放映されます。
お時間の有る方は、是非ご覧になってくださ~い。 (ぎば)
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ルリビタキ

2012年02月11日 | 
本日やっとやっとで綺麗なルリビタキ♂成鳥をカメラに収めることができました。
ここは、もう5年も前になるのかな?「この場所に来ているよ」と人から教えてもらってそれから毎年通っている所です。
いつも必ず姿は見せてくれるのですがなかなかまともな写真を撮ることができないでいました。


見つけたときはちょっと遠かったです。







木の上から地面を見ていて、なにか見つけると降りてきます。
パッと降りてパッと飛び上がってしまうのでシャッターチャンスはそうそうありません。



うーん・・・もうちょっと近くに来ておくれ!



葉っぱ越しでボケボケ~(泣)


おぉっ!!



キターーーーッ!!!!
ココロの中で叫びました(笑)



そしてまた遠ざかり。


縁石に座ってじっとしている私を気にしつつも再び近くに来てくれました(喜)






こういうちょっと薄暗い所がお気に入りです。


ここには5年前(たぶん)からこのように美しい瑠璃色の個体が来ています。
私はずっと同じ子が来ているんだと思う(思いたい)のですが、それはわかりません。





あぁー、綺麗。
んでもって、かわいい。


冬鳥が少ないこの冬に、ちゃんとやって来てくれたルリビタキ。
また会いに行かなくっちゃ!!


                       がんま


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メジロ籠のこと

2012年02月10日 | 歴史・文化
今夜は冷えた空に丸い月がくっきり見えています。
気象庁予報部から、霜注意報が出されました。

先週、2月4日の当ブログ『冬の定番』(by がんま)で、
かわいいメジロがツバキの花の蜜を吸うシーンが、
たくさんアップされました。

こっち側↓からの方が読みやすいでしょうか?
大島では、一周道路沿いや林道の入口などに、
こんな看板が立っています。

メジロは、鳴き声や色彩の美しさから観賞用として
捕獲され飼育されることのある小鳥です。

こんなカゴ↓で飼われているのをしばしば見掛けました。
虫カゴのよう見えるかも知れませんが、
これがメジロを飼うのによく使われるカゴです。
たぶん市販されていた物だと思います。
中のメジロは素早く飛び回っているので、見えないですね。

冗談ですよ! 
許可を取っていませんから飼っていません(笑)

以前から趣味で飼っていたお年寄りなどに限り
飼育や捕獲が許可されていたようですが、
中央環境審議会の小委員会で指針改定が了承され、
この4月から禁止になるそうです。

知人から頂戴したものですが、
この機会にご覧頂きましょう。

こっそり飼おうと思ってたわけじゃないですよ!(汗)

とても丁寧に作ってあるもので、
もったいないし・・・虫でも入れようかと。

出入り口はこちら側↑です。
色の濃い部分を上にスライドさせて、エサ遣りや水替えをします。
高さが20センチ弱、幅は14センチ。

メジロは飼ったことがありませんが、
子どもの頃、ブンチョウやセキセイインコなどを
飼っていたせいか、小鳥を飼うということを
ごく普通のことのように感じてしまいます(罪)

ブンチョウなどは金属製のケージ(小鳥かご)で飼っていました。
それと比べると、1羽用だからかメジロ籠は小さいですね。

前後の止め具を抜くと、
底の平箱(床)がはずれるようになっています。

はずして、フンで汚れた新聞紙を交換するだけで、
掃除がしやすくなってるんですね!

奥行きは27.5センチです。

観賞用だからでしょうか? 
エサ入れがこんなに凝っています。

陶器でランの花が描かれています。
「九谷」って九谷焼のことでしょうか。
器の口は直径55ミリ、高さ42ミリ。

ブンチョウやセキセイインコは、相性のいいオスとメスを一緒にして、
それぞれに適した巣(箱)をケージの中に入れておくと、
産卵しヒナを孵します。「手乗り」にするには、
ヒナを途中で親から離して人が餌付けをし飼い慣らすわけですが、
メジロの繁殖はできないようです。

広い空を自由に飛び回っている野生の小鳥。
その野鳥をこんなに小さなカゴに入れて飼うのは、
違和感ありますか? 独房みたいでとんでもない!?

スズムシやコウロギを飼うのと一緒にしたらかわいそうかな?
熱帯魚やクラゲなどを水槽で飼うのが都会でブームだと聞きますが、
ちょっと違う感覚でしょうか?

ある水族館で、小さな池の中にウミガメが何頭も飼われているのを見て
かわいそうに思ったことがあります。あの感覚に近いでしょうか!?


ご近所のお宅に手作りのメジロ籠があると聞いて
1枚撮らせて頂きました。
サイズは、高さ15.5センチ、幅12センチ、
奥行き25.5センチと、ひと回り小さいです。

底の平箱(床)は、桐の板が使われていて軽くて丈夫に出来ています。
四国のご出身の方が作った物だそうです。

法律で禁止されてメジロが飼えなくなると
この籠を作る手仕事もなくなるんだなあ・・・などとブツブツ独り言を。


新聞には、メジロが高値で取り引きされることから、
密猟が横行し、暴力団の資金源ともされてきた、と。

撮るのはカメラやビデオだけにして、
メジロの観察は、双眼鏡やフィールドスコープで楽しみましょう!

(なるせ)
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