浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

『歴史評論』5月号

2013-04-21 22:17:54 | 日記
 歴史科学協議会『歴史評論』5月号が届いていたので、そちらを読み始めた。今月号は実証的な論文ではなく、大学生などへの啓蒙の文が並ぶ。「歴史学の名著を読もう」という特集である。

 歴史関係の雑誌は、これしか購読していないから、歴史学研究の動向はこれから入手するしかないので、じっくりと読む。ほかに『歴史学研究』、『日本史研究』などの雑誌があるが、購読するだけでかなりの出費となるので読んでいない。だいたいボクはみずからを地域史研究をしているとはいうが、日本史研究をしていますなどという大げさな自己規定はいっさいしない。それほど本格的にやっているわけではなく、自らの関心の動きにあわせて、政治や経済、とにかくなんでも勉強する。そのなかで主に地域史の研究をしている(とはいえ、これとて生半可にはできるものではなく、当該研究の動きをきちんと把握していないとできない)というにすぎない。

 さて今月号は、それぞれの分野での「名著」を紹介しているのだが、伊藤定良の「名著を読む」は、江口朴郎、板垣雄三、上原専祿、そして従属論のフランク、ウォーラーステイン、柴田三千雄、阿部謹也、網野善彦、サイード、、アンダーソン(『想像の共同体』)、ホブズボーム、西川正雄、鹿野政直、安丸良夫らの本を紹介している。読んだものもあれば、読んでないものもある。しかし、ここに記されている本は、歴史研究の学科に進学した人は、読んでおいた方がよい。

 自らの問題意識は、こういう名著を読む中でより鮮明になっていくのである。

 ボクは問題意識を持てといつも言ってきたが、問題意識は自己満足のためのものではなく、客観的なものとして育てていかなければならない。「名著」は、その際の大きな刺激となるであろう。

 また上杉忍さんの文もある。上杉さんが掲げている本は、いずれも知らない。アメリカ黒人史に関わる本だ。

 ボクは“帝国”アメリカについては、いろいろな本を読んでいるが、黒人の歴史については本田創造と近年出された、書名が浮かばないが、女性の書いた、いずれも岩波新書くらいしか読んではいない。でも本当は、黒人支配の動向も視野に入れないと、“帝国”アメリカは理解できないだろうと、実は思っている。

 歴史研究を志す人のなかには、鋭い問題意識をもった人が多かった。今はそうでもないようだが、そういう人の著書は、とても刺激になる。

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晴耕雨読

2013-04-21 11:06:42 | 日記
 昨日までほとんど雨が降らなかった。最近のボクは、午後いつも、着替えをして畑に行った。畑で2時間くらい体を動かす。ほうれん草の収穫が終わった畑を掘り返す。次は何を植えようか、と思いつつ。その隣にはジャガイモの葉がきれいに並んでいる。ボクはかがんで種芋から何本か出てきている芽を2~3本にし、土寄せをする。ジャガイモは太陽の光に合う少し緑化する。それを防ぐためだ。

 そして他のところを耕す。

 最近畑に立っていて思うことは、この地域はほんとに西風が強いということだ。帽子が飛んでしまう。そこで深くかぶることができる帽子を新しく買った。首の周囲を覆うことができる布がついているものだ。

 ボクが働いていると、隣の畑を耕している女性が、いろいろ細かいことを教えてくれる。農業に素人のボクにとって、助言はとても助かる。

 ボクの実家の敷地内でも畑をつくっているが、土の質が異なる。家の敷地は土!という感じのものであるが、畑のほうは砂が多分に混じり、乾燥している。だから水を撒かなければならない。近くを流れる農業用水までいって、ひしゃくでバケツにすくい上げ、畑に持って行って撒く。もちろん出芽するまでだ。

 一週間前くらいに種を蒔いたほうれん草、その芽がやっと出だした。昨日は大根とにんじんの種を蒔いた。そして枝豆(これはポットで育てている)を植えつけるところに苦土石灰を撒いてきた。

 耕し、肥料を施し、種を蒔き、水を撒布し・・・・土にまみれて働く。そして野菜類は数ヶ月畑を占拠する。なかなかの労働だ。しかしスーパーに行ってみれば、ほうれん草は一把98円だ。果たして農家の労働に見あった価格なのだろうかと思う。

 さて昨日午後雨が降り始めた。久しぶりの雨だ。今ボクは『海辺のカフカ』を読み進めている。図書館で借りた文庫本。もうかなり汚れている。「小口」は茶色くなっていて、しおりは上巻は短くなり、下巻はなくなっている。多くの人がこの本を読んだようだ。

 上巻を読み終えた。村上春樹の言い回しは、もちろんここでも立派に活躍している。「・・・・・し、・・・・」、「たぶん」、「長すぎもしないし、短すぎもしない」という持って回った言い方・・・。しかしこの小説には「疲れ」はない。

 なかなかの構想力である。「意味をこえたイメージが切り絵のように立ちあがって、一人歩きを始める」という記述があった。これって、村上作品の本質を言い当てているかもしれないと思った。

 この小説の感想は、すべて読み終えてから記そう。
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