浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

目的として

2014-06-01 21:05:13 | 日記
 毎日、毎日、畑に行く。毎日1~2時間、からだを動かす。種まき、水遣り、除草・・・何かしら仕事がある。

 ここ数日、ズッキーニを収穫している。全部で七本、そのうち四本は種から栽培したものだ。多くの苗ができ、周辺の人たちに苗をあげた。だから同じ頃から収穫が始まっている。ズッキーニは朝受粉させなければならない。隣の畑を耕作している人がそれをやってくれる。ギブアンドテイクだ。キャベツをもらう、カボチャの苗をあげる、・・・・・・相互の「贈与」の関係、「互酬 reciprocityである。

 まさにヨコの関係である。こういう人間関係は心地が良い。ヨコの関係であるから、相互扶助でもある。

 しかし職場や地域などでは、どうしてもタテの関係がはいってくる。人間は承認されたいという欲求がある。それもより多くの人から承認されたいという欲求をもっている。

 残念ながら、ボクはある種の世捨て人的な人生を生きているので、そうした欲求はない。だから農作業をしているときが、もっとも心地よい。

 しかし時に、人々が集まるところに参加することがある。そうすると、そこにはどうしても、他人より「上」になりたい、という人がいる。そういう人は、他人を「手段」としてつかうことがある。そうしないと「上」にはいけないということもあろう。

 ボクはカントの人格そのものを目的として尊重する(「汝の人格においても、あらゆる他者の人格においても、人間性を単なる手段としてではなく、つねに同時に目的として扱うように行為せよ」)は正しいと思うし、まさに「当為」sollenとして認識している。

 だから、時にボク自身が「手段」として扱われることがあれば、ボクはその人間から離れる。ある会でそうされたことがあり、その後ボクはその会に一度も出ていない。

 またこちらから聞きもしないのに、自慢する人がいる。これはボクが手段としてあつかわれているわけではないから、仕方がないから我慢して聞いてあげる。でも、ボクはそういうとき、ある種の哀れみをもってその人を見てしまう。おそらくもっとも承認してほしい人に承認されないので、ボク如きの人間に自慢するのだ。

 「能ある鷹は爪を隠す」というが、それは本当だ。今までいろいろな人とつきあってきたが、有能な人は奢らない、とても謙虚だし、余裕がある。自ら自慢することはない。別に自ら自慢しなくても、その人の能力や識見は自然に承認されるのである。

 ところで、「目的として」つきあった人がいつのまにか遠のいてしまうというのは、さびしい。
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官僚の別働隊?

2014-06-01 06:44:09 | 社会
 『読売新聞』の記事。IMFは、新自由主義経済の世界的な推進部隊だ。アメリカの世界戦略を推進すべく、アメリカ主導での各国へのチェックが行われている。そしてその中には、日本の財務省などからの出向者がいる。新自由主義的構造改革を進めるために、ここでは消費税のさらなる増税を実現するために、あたかも国際機関からの要請というかたちをとりながら、安倍政権の「世界でもっとも企業が活動しやすい国=もっとも利潤追求が自由にできる国」にしようとしているのだ。


「消費税率、最低でも15%に」…IMFが声明
読売新聞5月31日(土)9時21分

 国際通貨基金(IMF)は30日、2014年の対日審査後の声明を発表した。

 4月の消費税率引き上げの影響については「うまく乗り切りつつある」とし、アベノミクスの効果を評価した。一方で、景気回復が続くかどうかは「中期的なリスクは依然大きい」と指摘し、規制緩和や財政再建の推進を促した。消費税率については「最低でも15%まで段階的に引き上げる」ことを求めた。

 具体的な改革としては、エネルギーや農業分野での規制緩和のほか、女性や高齢者の雇用拡大などを挙げた。

 財政については、消費税率の10%への引き上げを、法律に従って15年10月に実行することを促した。企業が実際に納める法人実効税率の引き下げについては、「投資や成長を高める」としながらも、「減税による減収を穴埋めするほどの増収はもたらさない」と明記し、税収減を補う財源の確保を求めた。一方、1ドル=100円台前半で推移している最近の円相場については、「おおむねバランスが取れている」と容認した。
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