統合幕僚長の、昨年12月米軍高官と意見交換した内容は、憲法も政府も、国会も無視し、アメリカの言いなりになる姿を明示していて、まさに「属国日本」を証明している。
もちろん、広大な米軍基地を押しつけられている沖縄は、怒る。
『琉球新報』、『沖縄タイムス』の社説。
<社説>統幕長「逸脱発言」 証人喚問し追及すべきだ
2015年9月4日 6:02
「軍隊は住民を守らない」ことは沖縄戦から得た教訓だが「自衛隊トップは民意を無視する」ことも国民は強く認識する必要がある。
河野克俊統合幕僚長が「普天間移設問題は地方の問題ではなく国の問題」とし、県民意思に関係なく、名護市辺野古に新基地が建設されるとの認識を米軍幹部に伝えていたことが明らかになった。
新基地建設反対を訴え、約10万票の大差で勝利した翁長雄志知事の就任直後の昨年12月、統幕長は新基地建設を米側に明言していたのである。
「地方の問題ではない」とすることは、知事選で示された沖縄の民意は無視していいということだ。民主主義を逸脱した発言であり、断じて容認できない。
県知事選の際、米軍が実施した夜間外出規制などに統幕長は感謝していることも分かった。統幕長の要請で規制されたならば、明らかな選挙介入であり看過できない。
統幕長はオスプレイ配備反対運動について「不安全性をあおるのは一部の活動家だけである」と断定した。事実とは全く異なる。
宜野湾市議会は6月、米ハワイ州オアフ島で5月に起きた米海兵隊MV22オスプレイの墜落事故に対する意見書と抗議決議を全会一致で可決した。意見書と抗議決議は、事故機と同型機が常駐する普天間飛行場で飛行していることで「(市民の)不安と恐怖は極限に達している」と訴えている。
統幕長は市民の安全を考える議員を「一部の活動家」呼ばわりしたことになる。一部の活動家が「あおっている」のではなく、オスプレイが起こす事故が「不安全性」を証明しているのである。それを米側に伝えるべきだ。
幕僚長はキャンプ・ハンセンなどの共同使用が実現すれば「沖縄の住民感情も好転するのではないか」とも述べている。住民感情が好転するとすれば、普天間飛行場閉鎖と新基地建設断念しかない。
統幕長が長を務める防衛省統合幕僚監部が、安保法案の成立を前提に、部隊運用に関する内部資料を作成したことも明らかになっている。
地元の民意を踏みにじり、国会も軽視する自衛隊トップの暴走を放置してはならない。国会は統幕長を証人喚問し、一連の問題を徹底的に追及すべきである。
安倍晋三首相は事実関係を明らかにした上で、処分を科すべきだ。不問に付すことは許されない。
社説[自衛隊内部資料]統幕長を証人喚問せよ
2015年9月4日 05:30 社説
防衛省制服組トップの河野克俊統合幕僚長が、昨年12月の訪米時に米軍幹部ら7人と会談した内容を示す資料が明らかになった。
オディエルノ米陸軍参謀総長との会談で河野統幕長は「(安保法案審議は)与党の勝利により来年夏までには終了するものと考えている」と言及している。
安倍晋三首相が国民より先に米議会で「夏まで」の成立を約束した異例の発言の4カ月前であり、そもそも法案の与党協議前でもある。
政権の意向をくんだなら国会での法案審議を無意味化するものであり、河野統幕長自身の見解なら文民統制をはるかに超えた暴走行為だ。
資料は、2日の参院特別委員会で仁比聡平氏(共産)が問いただした。
それによると河野統幕長は米軍トップとの会談で、安保政策に関わる政治状況はじめ防衛省予算の増額や、自衛隊の海外派遣拡大、オスプレイの整備拠点の国内誘致など新たな「軍事政策」について繰り返し言及している。
集団的自衛権の行使容認を歓迎する言質も散見され、法案成立へ自衛隊の前のめり姿勢をうかがわせる内容だ。
中谷元・防衛相は資料について明確な答弁を避けたが、政権の国会軽視を否定し、文民統制が機能していることを証明したいのなら、国会で河野統幕長を証人喚問すべきだろう。
ダンフォード海兵隊司令官らとの会談では、沖縄の基地問題について政治家さながらの発言が相次いだ。
■ ■
「キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブでの共同使用が実現すれば、米海兵隊と陸上自衛隊との協力が一層深化すると認識している。これにより沖縄の住民感情も好転するのではないか」(河野統幕長)「オスプレイに関しての不安全性をあおるのは一部の活動家だけだ」(同)
「辺野古NO」を公約とした翁長雄志知事が誕生した直後にもかかわらず、発言はどれも政権の立場を強調するもので、沖縄の民意は一顧だにされていない。
本来、文民統制にある自衛隊は政治的中立でなければならない。なのに資料は、自衛隊トップが沖縄に関して米側へ誤った情報を伝えていることを示しており、憤りを禁じ得ない。
それどころか昨年12月の県知事選について「県知事選時にはリバティーポリシー(行動規範)の実施、地域情勢に配慮して頂き感謝する」とする発言は、選挙へのあからさまな政治介入だ。
■ ■
特別委では、山本太郎氏(生活の党)の質疑で集団的自衛権の行使容認はじめ原発再稼働、TPP交渉参加、特定秘密保護法の制定、防衛装備移転三原則など安倍政権が次々実行した政策が、元米国務副長官アーミテージ氏らの過去の提言と一致することが明らかになった。
今資料でも内政干渉に値する米側のリードは明らかだ。複数の米軍幹部が、さらなる自衛隊派遣の拡大を提案しており、資料は、この国の安保政策の真の立役者を暗示してもいる。
もちろん、広大な米軍基地を押しつけられている沖縄は、怒る。
『琉球新報』、『沖縄タイムス』の社説。
<社説>統幕長「逸脱発言」 証人喚問し追及すべきだ
2015年9月4日 6:02
「軍隊は住民を守らない」ことは沖縄戦から得た教訓だが「自衛隊トップは民意を無視する」ことも国民は強く認識する必要がある。
河野克俊統合幕僚長が「普天間移設問題は地方の問題ではなく国の問題」とし、県民意思に関係なく、名護市辺野古に新基地が建設されるとの認識を米軍幹部に伝えていたことが明らかになった。
新基地建設反対を訴え、約10万票の大差で勝利した翁長雄志知事の就任直後の昨年12月、統幕長は新基地建設を米側に明言していたのである。
「地方の問題ではない」とすることは、知事選で示された沖縄の民意は無視していいということだ。民主主義を逸脱した発言であり、断じて容認できない。
県知事選の際、米軍が実施した夜間外出規制などに統幕長は感謝していることも分かった。統幕長の要請で規制されたならば、明らかな選挙介入であり看過できない。
統幕長はオスプレイ配備反対運動について「不安全性をあおるのは一部の活動家だけである」と断定した。事実とは全く異なる。
宜野湾市議会は6月、米ハワイ州オアフ島で5月に起きた米海兵隊MV22オスプレイの墜落事故に対する意見書と抗議決議を全会一致で可決した。意見書と抗議決議は、事故機と同型機が常駐する普天間飛行場で飛行していることで「(市民の)不安と恐怖は極限に達している」と訴えている。
統幕長は市民の安全を考える議員を「一部の活動家」呼ばわりしたことになる。一部の活動家が「あおっている」のではなく、オスプレイが起こす事故が「不安全性」を証明しているのである。それを米側に伝えるべきだ。
幕僚長はキャンプ・ハンセンなどの共同使用が実現すれば「沖縄の住民感情も好転するのではないか」とも述べている。住民感情が好転するとすれば、普天間飛行場閉鎖と新基地建設断念しかない。
統幕長が長を務める防衛省統合幕僚監部が、安保法案の成立を前提に、部隊運用に関する内部資料を作成したことも明らかになっている。
地元の民意を踏みにじり、国会も軽視する自衛隊トップの暴走を放置してはならない。国会は統幕長を証人喚問し、一連の問題を徹底的に追及すべきである。
安倍晋三首相は事実関係を明らかにした上で、処分を科すべきだ。不問に付すことは許されない。
社説[自衛隊内部資料]統幕長を証人喚問せよ
2015年9月4日 05:30 社説
防衛省制服組トップの河野克俊統合幕僚長が、昨年12月の訪米時に米軍幹部ら7人と会談した内容を示す資料が明らかになった。
オディエルノ米陸軍参謀総長との会談で河野統幕長は「(安保法案審議は)与党の勝利により来年夏までには終了するものと考えている」と言及している。
安倍晋三首相が国民より先に米議会で「夏まで」の成立を約束した異例の発言の4カ月前であり、そもそも法案の与党協議前でもある。
政権の意向をくんだなら国会での法案審議を無意味化するものであり、河野統幕長自身の見解なら文民統制をはるかに超えた暴走行為だ。
資料は、2日の参院特別委員会で仁比聡平氏(共産)が問いただした。
それによると河野統幕長は米軍トップとの会談で、安保政策に関わる政治状況はじめ防衛省予算の増額や、自衛隊の海外派遣拡大、オスプレイの整備拠点の国内誘致など新たな「軍事政策」について繰り返し言及している。
集団的自衛権の行使容認を歓迎する言質も散見され、法案成立へ自衛隊の前のめり姿勢をうかがわせる内容だ。
中谷元・防衛相は資料について明確な答弁を避けたが、政権の国会軽視を否定し、文民統制が機能していることを証明したいのなら、国会で河野統幕長を証人喚問すべきだろう。
ダンフォード海兵隊司令官らとの会談では、沖縄の基地問題について政治家さながらの発言が相次いだ。
■ ■
「キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブでの共同使用が実現すれば、米海兵隊と陸上自衛隊との協力が一層深化すると認識している。これにより沖縄の住民感情も好転するのではないか」(河野統幕長)「オスプレイに関しての不安全性をあおるのは一部の活動家だけだ」(同)
「辺野古NO」を公約とした翁長雄志知事が誕生した直後にもかかわらず、発言はどれも政権の立場を強調するもので、沖縄の民意は一顧だにされていない。
本来、文民統制にある自衛隊は政治的中立でなければならない。なのに資料は、自衛隊トップが沖縄に関して米側へ誤った情報を伝えていることを示しており、憤りを禁じ得ない。
それどころか昨年12月の県知事選について「県知事選時にはリバティーポリシー(行動規範)の実施、地域情勢に配慮して頂き感謝する」とする発言は、選挙へのあからさまな政治介入だ。
■ ■
特別委では、山本太郎氏(生活の党)の質疑で集団的自衛権の行使容認はじめ原発再稼働、TPP交渉参加、特定秘密保護法の制定、防衛装備移転三原則など安倍政権が次々実行した政策が、元米国務副長官アーミテージ氏らの過去の提言と一致することが明らかになった。
今資料でも内政干渉に値する米側のリードは明らかだ。複数の米軍幹部が、さらなる自衛隊派遣の拡大を提案しており、資料は、この国の安保政策の真の立役者を暗示してもいる。
読売新聞、日本テレビ、フジテレビ、産経新聞、そしてNHK。今や権力の広報機関となったメディア。さまざまなかたちで、権力の片棒を担ぎ、政治権力を助けようとしている。都合の悪いことは報じず、わざわざ安倍を出演させて、自由に話させる。そして司会者やコメンテーターも、一緒に担ぐ。
以下にリテラの記事を貼り付ける。「みやね屋」とかいう番組のコメンテーター手嶋龍一は、もとNHK。
http://lite-ra.com/2015/09/post-1450.html
http://lite-ra.com/2015/09/post-1451.html
以下にリテラの記事を貼り付ける。「みやね屋」とかいう番組のコメンテーター手嶋龍一は、もとNHK。
http://lite-ra.com/2015/09/post-1450.html
http://lite-ra.com/2015/09/post-1451.html
新国立競技場といい、エンブレムといい、2020年オリンピックは大きく躓いている。しかし抗した問題が起こり、大金をどぶに捨てているにも関わらず、誰も責任をとらない。無責任の構造をつづけてよいわけがない。世金をとらない発言をした組織委員会の武藤事務総長は、官僚出身だ。なるほど、である。日本の官僚は責任をとったためしがない。
五輪ロゴ騒動終わらず ネット住民の怒り買った“次の標的”
東京五輪エンブレム騒動は「使用中止」の決定でチャンチャン、とはいかなかった。騒動の火は収まるどころか、原作者でアートディレクターの佐野研二郎氏(43)による京扇子の老舗や多摩美大のポスターなど、新たな“盗用疑惑”まで報じられている。ネット住民の怒りの矛先も、佐野氏から、大会組織委の森喜朗会長(78)らトップにも向かい始めている。
「ネット住民にとって、もはやエンブレムの良し悪しは問題ではない。いまや“階級闘争”になりつつあります」と、ITジャーナリストの井上トシユキ氏がこう言う。
「組織委サイドはこれまでずっと〈素人が口出しするな〉と言わんばかりの“上から目線”の態度だった。それにネット住民が反発。怒りが原動力になって、ここまで騒動が大炎上したわけです。それなのに、武藤敏郎事務総長は使用中止の会見で『一般国民には分からない』なんて上から発言で神経を逆なで。ネット住民は〈あいつらは何も反省していない〉などとカンカンです。エンブレム騒動は下火どころか、ネット上で〈上級国民〉などと呼ばれる権力者VS一般国民の闘争に移りつつあります」
■森会長の「ひどい目に遭った」が火に油
森会長に至っては、この期に及んで「ひどい目に遭った」などとまるで他人事。怒りの火に油を注ぐ始末で、ネットの掲示板は〈老害だ〉〈伝統芸の責任回避〉〈トップが代わらないと何も変わらない〉……森会長、武藤事務総長、審査委員代表の永井一正氏(86)ら幹部連中の“罪”を問う声が燃え広がっている。
「『さっさと使用中止にしろ』と水面下で説得されていたにもかかわらず、武藤事務総長ら組織委サイドは『国際的な信用問題になる』と突っぱね、騒動を長引かせ、国内外の信用を失墜させた。その責任は重大ですが、武藤事務総長は『誰に責任があるかという議論はすべきではないし、できない』などと言い逃れ、誰ひとり責任を取ろうとしない。それどころか、永井審査委員代表の“続投”の可能性までささやかれています」(組織委事情通)
まあ“一般国民”は到底納得できない。
「いまのエンブレム騒動は〈国民をナメるな〉という“一揆”です。トップが引責辞任するなど全面降伏するまで、上級国民VS一般国民の闘争は、延々と続けられるでしょう」(井上トシユキ氏)
佐野氏は、多摩美大の教授職まで危ぶまれている。もうボロボロだ。競技場、エンブレムに続いてトップ人事も“白紙撤回”した方がいい。
五輪ロゴ騒動終わらず ネット住民の怒り買った“次の標的”
東京五輪エンブレム騒動は「使用中止」の決定でチャンチャン、とはいかなかった。騒動の火は収まるどころか、原作者でアートディレクターの佐野研二郎氏(43)による京扇子の老舗や多摩美大のポスターなど、新たな“盗用疑惑”まで報じられている。ネット住民の怒りの矛先も、佐野氏から、大会組織委の森喜朗会長(78)らトップにも向かい始めている。
「ネット住民にとって、もはやエンブレムの良し悪しは問題ではない。いまや“階級闘争”になりつつあります」と、ITジャーナリストの井上トシユキ氏がこう言う。
「組織委サイドはこれまでずっと〈素人が口出しするな〉と言わんばかりの“上から目線”の態度だった。それにネット住民が反発。怒りが原動力になって、ここまで騒動が大炎上したわけです。それなのに、武藤敏郎事務総長は使用中止の会見で『一般国民には分からない』なんて上から発言で神経を逆なで。ネット住民は〈あいつらは何も反省していない〉などとカンカンです。エンブレム騒動は下火どころか、ネット上で〈上級国民〉などと呼ばれる権力者VS一般国民の闘争に移りつつあります」
■森会長の「ひどい目に遭った」が火に油
森会長に至っては、この期に及んで「ひどい目に遭った」などとまるで他人事。怒りの火に油を注ぐ始末で、ネットの掲示板は〈老害だ〉〈伝統芸の責任回避〉〈トップが代わらないと何も変わらない〉……森会長、武藤事務総長、審査委員代表の永井一正氏(86)ら幹部連中の“罪”を問う声が燃え広がっている。
「『さっさと使用中止にしろ』と水面下で説得されていたにもかかわらず、武藤事務総長ら組織委サイドは『国際的な信用問題になる』と突っぱね、騒動を長引かせ、国内外の信用を失墜させた。その責任は重大ですが、武藤事務総長は『誰に責任があるかという議論はすべきではないし、できない』などと言い逃れ、誰ひとり責任を取ろうとしない。それどころか、永井審査委員代表の“続投”の可能性までささやかれています」(組織委事情通)
まあ“一般国民”は到底納得できない。
「いまのエンブレム騒動は〈国民をナメるな〉という“一揆”です。トップが引責辞任するなど全面降伏するまで、上級国民VS一般国民の闘争は、延々と続けられるでしょう」(井上トシユキ氏)
佐野氏は、多摩美大の教授職まで危ぶまれている。もうボロボロだ。競技場、エンブレムに続いてトップ人事も“白紙撤回”した方がいい。
今日の『中日新聞』記事。「核心」欄の記事の一部。一般家庭でも、電力会社を選択できるようになったとき、ボクはもちろん中部電力との契約をやめる。中電は今もなお、浜岡原発への執着を捨てず、テレビのCMでも、原発再稼働を狙っている。反省のない会社とはおさらばするしかない。
大手電力解約、原発15基分 自由化以降に新電力へ流れる
2015/9/5 朝刊
二〇〇〇年三月の電力自由化以降、電力の購入先を大手電力会社から新電力へ切り替えた企業や自治体などが、今年六月末時点で少なくとも約八万四千件に上ったことが本紙の調べで分かった。契約規模は約千五百万キロワットに上り、原発十五基分の出力に相当する電力が大手電力から離れた。
この動きは、東京電力福島第一原発事故をきっかけに加速。原発が止まった大手各社が電気料金を値上げしたため、多くの顧客が割安な新電力へ流れる傾向が続いている。
電力使用量の大きい工場などの大口の利用者は電力自由化以降、電力会社を選んで購入できるようになった。当初はコンビナートなど大工場だけだったが、その後、スーパーや町工場などにも対象が拡大。一般家庭は一六年四月から自由化される。新電力にはガス会社や丸紅などの商社、石油元売りなどが参入している。
本紙が大手電力十社に自由化後の解約状況を問い合わせたところ、東電、関西電力、中部電力の大手三社だけで解約件数の八割に当たる六万七千八百件(千二百七十万キロワット)の契約を失っていた。
最も多かった東電は四万六千件(八百五十万キロワット)が解約。内訳をみると原発事故以降に解約が加速しており、一一年三月末時点から三万一千三百件(四百三十万キロワット)が新電力へ移った。一二年四月から企業向け料金を平均14・9%値上げしたことが大きく影響したほか、「値上げは事業者の権利」(西沢俊夫元社長)とする発言への批判も高まり、解約が急増した。
中電では九千三百件(百五十四万キロワット)が解約した。最大の得意先である産業用大口の解約は「ほぼない」(中電幹部)というが、昨年四月の料金値上げをきっかけに、自治体や小規模事業所向けで新電力への流出が続いている。
同じく原発事故後、二度の値上げをした北海道電力でも解約数は、事故前の八倍以上に膨らんだ。一方、値上げしていない北陸電力は百二件(一万キロワット)にとどまり、原発のない沖縄電力ではゼロ件だった。
新電力の伸びについて東京理科大の橘川武郎(きっかわたけお)教授は「値上げなどを機に競争マインドが高まり、切り替えが大きな流れになりつつある」と指摘している。
大手電力解約、原発15基分 自由化以降に新電力へ流れる
2015/9/5 朝刊
二〇〇〇年三月の電力自由化以降、電力の購入先を大手電力会社から新電力へ切り替えた企業や自治体などが、今年六月末時点で少なくとも約八万四千件に上ったことが本紙の調べで分かった。契約規模は約千五百万キロワットに上り、原発十五基分の出力に相当する電力が大手電力から離れた。
この動きは、東京電力福島第一原発事故をきっかけに加速。原発が止まった大手各社が電気料金を値上げしたため、多くの顧客が割安な新電力へ流れる傾向が続いている。
電力使用量の大きい工場などの大口の利用者は電力自由化以降、電力会社を選んで購入できるようになった。当初はコンビナートなど大工場だけだったが、その後、スーパーや町工場などにも対象が拡大。一般家庭は一六年四月から自由化される。新電力にはガス会社や丸紅などの商社、石油元売りなどが参入している。
本紙が大手電力十社に自由化後の解約状況を問い合わせたところ、東電、関西電力、中部電力の大手三社だけで解約件数の八割に当たる六万七千八百件(千二百七十万キロワット)の契約を失っていた。
最も多かった東電は四万六千件(八百五十万キロワット)が解約。内訳をみると原発事故以降に解約が加速しており、一一年三月末時点から三万一千三百件(四百三十万キロワット)が新電力へ移った。一二年四月から企業向け料金を平均14・9%値上げしたことが大きく影響したほか、「値上げは事業者の権利」(西沢俊夫元社長)とする発言への批判も高まり、解約が急増した。
中電では九千三百件(百五十四万キロワット)が解約した。最大の得意先である産業用大口の解約は「ほぼない」(中電幹部)というが、昨年四月の料金値上げをきっかけに、自治体や小規模事業所向けで新電力への流出が続いている。
同じく原発事故後、二度の値上げをした北海道電力でも解約数は、事故前の八倍以上に膨らんだ。一方、値上げしていない北陸電力は百二件(一万キロワット)にとどまり、原発のない沖縄電力ではゼロ件だった。
新電力の伸びについて東京理科大の橘川武郎(きっかわたけお)教授は「値上げなどを機に競争マインドが高まり、切り替えが大きな流れになりつつある」と指摘している。