浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

地方自治の虚妄

2015-09-06 21:03:08 | 政治
 ここ30年くらいの自治体の資料を見ているが、現在に近づくほど、地方自治体が自治省(総務省)の通達に基づく行政が展開されていることに驚く。

 いったいいつ頃からこうなってしまったのか。

 ボクは他の自治体で、1980年くらいまでの行政を追ったことがあるが、そのときは当該自治体の施策が国家からの通達により行われているという感覚を持たなかった。考えてみれば、戦前の地方行政でも、もちろん兵事などは除いて、当該自治体の施策が上意下達で行われているという認識は持たなかった。

 いったいいつ頃からかと他の人に尋ねても、あまりはっきりした答えは返ってこなかった。みずから「行政改革」の面で調べてみたら、1980年代半ばに始まり、1990年代前半に本格化すると考え始めた。

 1990年代前半といえば、細川内閣が誕生したりした頃だ。もちろん、1980年代半ばは中曽根内閣の頃。つまり日本は、この頃から大きく変わり始めたのではないか。

 現在の地方行政は、総務省からの通達にもとづいて行われている。上意下達の地方行政であるから、いうまでもなく「地方自治」的な視点はない。住民は、サービスを受ける「顧客」であって、地方自治の担い手とは扱われず、住民参加が唱えられても、地方自治体の業務を「協働」する、つまり住民が無償かあるいは低賃金で労働を提供するようなシステムがつくられるだけだ。

 実質的な地方行政の担い手は総務省であり、自治体の首長である。首長が総務省の意向を尊重しながらトップダウンで行政を進める。そういうシステムがもう出来上がっている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする