浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

講座

2015-09-02 21:29:04 | 日記
 今日は、歴史講座の日である。一応90分の話とその後の質疑応答30分くらいということであるが、今日は中身が多すぎて2時間以上話してしまった。その後も質疑応答があり、また終了後いくつかの質問を受け、館をでたのは4時半過ぎとなった。

 ボクが話す内容は、まず欧米諸国における主権国家から国民国家への展開(アメリカ独立革命、フランス革命)、そして産業革命、国民国家構築の過程の中で現れてくる帝国主義的な海外侵出、非欧米諸国に対する侵略・植民地化の過程を第一部として話し、その帝国主義的な侵出が東アジアでも行われるようになったこと、その動きが日本では「癸丑」の黒船来航事件として出現し、それを契機にして幕藩体制が倒れていくその過程を話した。

 そこで強調したことは、欧米の侵出を非欧米諸国の眼からみること、そしていわゆる幕末の「外患」に対して、幕府の官僚たちによる対応はなかなか賢明であったこと、とくに避戦方針を貫いたことは重要であったこと、他方長州藩の冒険主義的なやり方がいかに危機を増幅させたかなどなど。1868年までを話した。

 終わった後、聴講されている方から、ヨーロッパ中心史観、薩長藩閥史観でない歴史が聞けてよかったといわれた。ボクの話の方向性を理解していただけたこと、まさに感謝、感謝であった。

 6回講座の3回目が終わったことになる。6回の講座の基調は、安倍政治の否定である。日本史の中で、安倍のような政治をするととんでもないことになること、逆に平和に徹することがいかに人々を救うことになるのかを実証的に述べることである。

 そのために、とにかくひたすらたくさんの研究を参考にしながらレジメを作成している。今度は1868年から、「大日本帝国」の歴史を語る。いかに問題が多い時代であったかを、事実で示していくつもりである。
 最初は、アイヌ/蝦夷地、琉球処分、朝鮮外交について話し、いかに明治の初発から日本が帝国主義的な政治を行ったかを話す。

 歴史の研究は、つねに現代的課題を念頭に置きながらすることが大切だ、と、故遠山茂樹氏は語っていた。ボクは、いつもそのことばを胸に調査研究をしている。
コメント
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