1960年の安保闘争、その静岡県での闘いを書き、某所に送った。いずれそのホームページで公開され、ゆくゆくは活字になる。
その「終わりに」で書いたことは、おおよそ次のようなものだ。
60年の安保闘争は、総評という労働組合の全国組織、そして日本社会党という総評に支えられていた政党が主導して、組織的な闘いを行った。もちろん学生や市民などもその闘いに加わっていったが、闘争の中核には総評と日本社会党があったことは事実である。
その闘いの標的となったのは、もちろん日米安保条約である。しかしその条約は現在も存続し、その本質である「全土基地方式」(アメリカは、日本のどこにでも基地をつくることができる)と米軍による基地の自由使用は全くかわっていない。それどころか、安保条約は、日本の自衛隊を海外の戦地に派遣できる法制も作りだしてきているし、また日本国憲法の蚕食も進んでいる。
安保条約の危険性や問題性は、いよいよ強くなっているにも拘わらず、1960年の闘争の中核にあった総評は消え、日本社会党は今や見る影もない。
そのような状態の中で、現在の安保闘争の担い手の形態は、もはや組織ではなく、したがって「動員」もなく、プライベートなネットワークに依拠した個人が、自主的・自発的に参集し、その場で協力しあうというものになっている。それ以外の形態は、日本においてはない。
その原因は、1980年代に政府に批判的な労働組合を、政治的に抹殺しようと「民営化」をしかけ(60年安保闘争でもっとも活躍したのは、国労、動労という国鉄労働者、全逓という郵便局の労働者、そして全電通という日本電信電話公社、現在のNTTの労働者であった)、また労働組合の側も「労働戦線の統一」という動きによって、総評という労働組合の全国組織を消し去ったことであり、日本社会党は「政治改革」という「小選挙区制」導入の波に呑まれ、みずからの存立基盤をこれもまた消し去ったことにある。
政治権力側の攻撃とそれを労働組合や社会党が受容していったこと、それが1960年の闘争主体を消したのである。
以上が、その趣旨である。
今や、「連合」という労働組合の全国組織は、労働者の権利を拡充するために闘うなんてことはなく、逆に労働者を管理統制するものとなっている。労働組合の幹部は、会社の人事担当が掌握する事態となっている。
振り返ってみると、「労働戦線の統一」ということばで、労働組合から闘う牙を抜く先頭にたっていたのが、電力会社の右派系組合にルーツを持つ電力労連であった。さらに右派系組合は、会社により育てられた労働組合破壊のためのインフォーマル組織がその源流であった。
過去の歴史が、今を形作る。当たり前のことであるが、その歴史を振り返る必要がある。
その「終わりに」で書いたことは、おおよそ次のようなものだ。
60年の安保闘争は、総評という労働組合の全国組織、そして日本社会党という総評に支えられていた政党が主導して、組織的な闘いを行った。もちろん学生や市民などもその闘いに加わっていったが、闘争の中核には総評と日本社会党があったことは事実である。
その闘いの標的となったのは、もちろん日米安保条約である。しかしその条約は現在も存続し、その本質である「全土基地方式」(アメリカは、日本のどこにでも基地をつくることができる)と米軍による基地の自由使用は全くかわっていない。それどころか、安保条約は、日本の自衛隊を海外の戦地に派遣できる法制も作りだしてきているし、また日本国憲法の蚕食も進んでいる。
安保条約の危険性や問題性は、いよいよ強くなっているにも拘わらず、1960年の闘争の中核にあった総評は消え、日本社会党は今や見る影もない。
そのような状態の中で、現在の安保闘争の担い手の形態は、もはや組織ではなく、したがって「動員」もなく、プライベートなネットワークに依拠した個人が、自主的・自発的に参集し、その場で協力しあうというものになっている。それ以外の形態は、日本においてはない。
その原因は、1980年代に政府に批判的な労働組合を、政治的に抹殺しようと「民営化」をしかけ(60年安保闘争でもっとも活躍したのは、国労、動労という国鉄労働者、全逓という郵便局の労働者、そして全電通という日本電信電話公社、現在のNTTの労働者であった)、また労働組合の側も「労働戦線の統一」という動きによって、総評という労働組合の全国組織を消し去ったことであり、日本社会党は「政治改革」という「小選挙区制」導入の波に呑まれ、みずからの存立基盤をこれもまた消し去ったことにある。
政治権力側の攻撃とそれを労働組合や社会党が受容していったこと、それが1960年の闘争主体を消したのである。
以上が、その趣旨である。
今や、「連合」という労働組合の全国組織は、労働者の権利を拡充するために闘うなんてことはなく、逆に労働者を管理統制するものとなっている。労働組合の幹部は、会社の人事担当が掌握する事態となっている。
振り返ってみると、「労働戦線の統一」ということばで、労働組合から闘う牙を抜く先頭にたっていたのが、電力会社の右派系組合にルーツを持つ電力労連であった。さらに右派系組合は、会社により育てられた労働組合破壊のためのインフォーマル組織がその源流であった。
過去の歴史が、今を形作る。当たり前のことであるが、その歴史を振り返る必要がある。