浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】福田ますみ『モンスターマザー』(新潮社)

2016-08-26 23:38:01 | その他
 この事件は知らなかった。以前この著者の『でっちあげ』を読みブログに紹介したら、著者から書き込みをいただいたことがある。前著と同じような展開といってよいだろう。

 長野県・丸子実業高校の生徒が自殺した。その子どもの母親(シングルマザー)は、その自殺の原因をバレーボール(部活動)関係者の「いじめ」によるものだと主張した。
 
 それはしかしウソだった。実際は、その母親は、ネグレクトはもちろん子どもに家事をやらせるなど、家庭内の母子関係が自殺の原因だった。母親から逃れるための自殺だったのだ。

 『平気でウソをつく人』という本があるが、母親も同じ。平気でウソをつくし、敵と見做した者に対しては異常な攻撃を行う。学校や教師、バレーボール部の生徒も、そのターゲットとされた。

 この母親、最初の夫とふたりの子どもをつくった。離婚。そして再婚。結婚するまではフツーだった母親は、結婚すると豹変し、攻撃的な性格をあらわにする。男性はもちろん出て行った。

 そして又この母親は再々婚する。そして同様の事態を引き起こし、離婚。

 いずれも、結婚は、出会い系サイトで知り合ったようだ。出会い系サイトの危険性が、ここで明らかになる。

 さて、この母親は、学校関係者にたいして訴訟を起こす。そこに人権派弁護士が加わる。

 再婚、再々婚の相手は善良な人、弁護士も善良な人だ。善良な人は、こうした女性にはころりとだまされる。善良な人はだまされやすいのだ。善良な人は、そうした人物から遠ざかるのがいちばんである。君子危うきに近寄らず、である。

 地域の人々や、母親の家族は、この母親の「個性」を知っていた。だから学校側も、そうした「個性」を見抜いて闘った。そして見事に母親の野望を打ち砕いたのである。

 しかし善良な人は、「平気でウソをつく人」にだまされてしまう。「自殺」に関わる事実、その母親に関わる事実をきちんと見ていけば、とてもその母親をささえることなんかできないはずなのに、弁護士も、そして『週刊金曜日』(鎌田慧・筆)もだまされてしまう。

 虚心坦懐に事実をみつめることが、こうした間違いをなくしていく。被害者を演じて同情を得ようとする者に対しても、無条件に信用することはやめなければならない。

 なおこの本は図書館で借りたものである。

 
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NHK受信料

2016-08-26 22:37:24 | その他
 共同配信記事。当たり前の判決。アベ様のNHKに受信料を、こんなことで取られてたまるか、である。私のケータイは、ワンセグなしだけど。

 NHKはワンセグをしなければいいんだ。勝手に電波送ってくるな、といいたい。

ワンセグ携帯、NHK受信料不要 さいたま地裁、契約義務なし

2016年8月26日 17時42分

 埼玉県朝霞市議の男性(40)が、ワンセグ付きの携帯電話を所有する人はNHK受信料の契約を結ぶ義務があるかどうかを争った訴訟で、さいたま地裁(大野和明裁判長)は26日、契約義務がないとの判断を示し、市議側の訴えを認めた。受信料の支払い義務がないことを認めた。

 大野裁判長は判決理由で、携帯電話の所持は放送法上、受信契約を締結する義務があると定める受信設備の設置には当たらない、とした。

 NHK広報局は「判決は受信設備の設置についての解釈を誤ったものと理解しており、ただちに控訴します」とのコメントを出した。

(共同)
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装備というおもちゃ

2016-08-26 22:04:30 | その他
 畑で雑草を刈り取っていたら、今日もエーワックスが飛んでいた。一機570億円。それが4機。航空自衛隊員は、これをおもちゃのように扱っているように思える。高価なおもちゃ。

 昨日届いた『週刊金曜日』、そこに田岡俊次の「敵がミサイル発射を通告すると思っている防衛省 役に立たなかった「ミサイル防衛」」という記事があった。

 最近も、北朝鮮が潜水艦からミサイルを発射したようだが、すぐにそれが報じられることはなかった。もちろん「Jアラート」も動かせなかった。

 北朝鮮が事前に教えてくれなかったからだ。

 田岡は、8月3日午前8時前、北朝鮮による弾道ミサイル「ノドン」を2発発射したことに関して、防衛省が何もなしえなかったことを指摘する。防衛省がその事実を公表したのが午前9時8分。高価なイージス艦や「パトリオット・PAC3」はどうしていたのか。「ノドン」発射に関しては、まったく効果がないことが実証された。もちろん、先日の潜水艦からの発射についても、である。

 北朝鮮がテポドン2によって人工衛星を打ち上げるということで、防衛省は大騒ぎした。イージス艦を配備し、PAC3を沖縄県などに配備した。北朝鮮が、人工衛星を打ち上げるということで、長時間にわたってその準備をしていたから、防衛省も対応し、「破壊措置命令」なんかを出していた。

 最初から、いつ、どこから、どの方向に発射されるかわからないミサイルなんか、撃ち落とすことなんかできっこない。防衛省が米軍としばしば訓練をし、命中したとかいっているが、それはすべて事前にそれらが明らかになっているから「命中」するのだ。

 北朝鮮が人工衛星を打ちあげるときには、テレビニュースでもPAC3なんかを映していたが、8月3日のミサイル発射、先日の潜水艦からのミサイル発射に、防衛省がどう対応したか、どこのメディアもコメントしない。

 日本のメディアは、ほんとうにおめでたい。政府の言うがまま、同じような事態に対して、「防衛省はミサイル発射々に際しての「防衛」はどうしたのか」という質問すらしないようだ。

 退廃するメディア、批判的知性を失ったメディア。

 防衛省は、意味のない「ミサイル防衛」の装備を、もっと買うようだ。装備というおもちゃ、自衛隊員に高額なおもちゃを与えるのはやめよう。
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