「EXHIBITION C-DEPOT 2007」 スパイラルガーデン

スパイラルガーデン港区南青山5-6-23
「EXHIBITION C-DEPOT 2007 - present - 」
7/19-23



若手アーティストの「今」を気軽に楽しめる展覧会です。今年で5回目を数える「C-DEPOT」へ行ってきました。

曲線と吹き抜けの印象的なスパイラルガーデンの空間を上手く利用しています。「C-DEPOT」の特徴として、難しい理屈を抜きにした、それこそ体感的に楽しめるインスタレーションが多いと思いますが、今回もまた空間の力も借りた作品が良く映えていました。8本の透明なチューブの中で、羽で出来た天使が上下に動く小松宏誠の「浮輪赤の祭壇」や、敷きつめられた砂利の上を歩くと、その足跡が微かに動く田部井勝の「邂逅」、それに電球の光度がスイッチを押す回数で変化する松本祐一のズバリ「スイッチ」などは、誰もが見て触れて楽しめるような作品だと思います。エンターテイメント的要素すら感じる「C-DEPOT」の間口は非常に広いのです。

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もちろん見応えのある絵画などもしっかり揃っています。中でも安岡亜蘭の「ku jya ku」は魅力的です。木肌の残る支持体にアクリル絵具やアクリル板をコラージュ風に仕立て上げ、黄色の羽の見事な孔雀を艶やかに表現しています。また小さな紙にボールペンにて、どこかメルヘン調でありながらもシュルレアリスムすら思わせる少女の物語を描いた日根野裕美の「謝謝」も印象に残りました。そして、「C-DEPOT」の創設メンバーでもある金丸悠児の大作ドローイング「地図」も必見の作品です。家々や道路、それに港などをいくつかのキャンバスに分けて描き、結果として一つの街を作り上げています。英字新聞や布地をコラージュさせた味わいもまた優れていました。

屋外を望む、日差しも眩しいガラス張りの階段には、天野由美子のオブジェ「animal life」が可愛らしく控えていました。籐によって出来た巨大なオオアリクイのような動物が、壁にへばりついてウロウロするかのように佇んでいます。何かを探すかのように群れる姿は何とも微笑ましいものです。

「C-DEPOT」とは元々、若手作家がかつてのクリムトを中心とした「ウィーン分離派」に倣い、既存の枠より離れた新しい芸術を提示しようとする意欲的な取り組みです。会期が短いのが残念ですが、期間中は夜8時まで開いています。入場は無料です。おすすめします。(7/21)

*クリックで拡大します。出品アーティストの一覧です。
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