「アニアス・ワイルダー展」 INAXギャラリー・GALLERY2

INAXギャラリー・GALLERY2中央区京橋3-6-18 INAX:GINZA2階)
「アニアス・ワイルダー展 - 超重力 無限再生ジャーニー - 」
7/2-28

改装後の「GALLERY2」では初めてとなる展覧会です。スコットランド出身のアーティスト、アニアス・ワイルダー(1967~)の個展を見てきました。



ともかく、ギャラリーの空間を横切るかのようにして宙に浮く、さながら巨大積み木とも言えるオブジェが圧倒的です。各約5×30センチほどの木材がちょうど6角形を象るように組み合わされ、それがギャラリーの壁と壁の間(約6メートル)にがっちりと挟まって一つの構造物を作り上げています。またここには一切の接着剤も釘も用いられていません。つまりはただ組み上がられただけの木々が、重力に反する形にてピタッと静止しているわけなのです。もちろん一片だけでもずれたり落下したりしたら、瞬く間にバランスを崩して全てが壊れてしまうのでしょう。何か見ているとこちらまで力んでしまうような、強い緊張感さえ漂っていました。

今回は「キッキング」(*1)のパフォーマンスは行われないそうです。会期中にだけ存在し、その後は必ず壊されてしまうという儚い宿命を背負っています。彼の作品に保存という観点はありません。

INAXギャラリーは9階より2階へ移動しました。受付より階段をあがってすぐのスペースなので便利です。

今週末までの開催です。おすすめします。(7/21)

*1 会期最終日に作家自身や時には観客とともに「キッキング」というパフォーマンスを行い、一瞬にして作品を蹴って崩壊させることもあります。

(写真、及び*1はギャラリーHPより引用。)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「本郷理奈展」 INAXガレリアセラミカ

INAXガレリアセラミカ中央区京橋3-6-18 INAX:GINZA2階)
「本郷理奈展 - 陶の転映 - 」
7/2-8/2



まるで太古の木材の化石を見るような質感と、花や水玉模様などのカジュアルな図柄の組み合わせがとても新鮮です。本郷理奈の陶を用いた新作個展を見てきました。

展示室にゴロゴロと転がっているのは、半円状をしたいくつもの土塊です。表面に見る割れ目は、まるで年輪を象るかのように円を描き、そこへ黒や赤土などの色が仄かに滲み出しています。その味わいは非作為的です。長い年月だけが生み出すことが出来るような形や味わいにも見えてきます。

シルクスクリーンによってつけれたという花々などの紋様が、これらの重々しいオブジェと奇妙にマッチしていました。半円の側面にも何か表面に見るような工夫があればとも思いましたが、この質感はあまり他で出会ったことがありません。

8月2日までの開催です。(7/21)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )