都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「エヴァン・ペニー展」 小山登美夫ギャラリー
小山登美夫ギャラリー(江東区清澄1-3-2 6階)
「エヴァン・ペニー展」
6/3-7/28(会期終了)
既に会期を終えていますが、驚くほど生々しい感触の胸像は実に圧倒的でした。南アフリカ生まれのアーティスト、エヴァン・ペニー(1953~)の個展です。
ともかく見入るのは、シリコンによってつくられた胸像における精巧な表現です。背中を露にし、やや右へ向く後ろ姿の男性の作品では、所々に点々と連なる吹き出物からうっすらと浮かび上がるほくろ、またはくびれた首の皺や皮膚の汗ばんだような感触、さらには頭部に見る2、3ミリにカットされた髪の毛(ただしこれは本物の髪が使われていますが。)までが、まさに生きているかのように象られています。このリアリティーは尋常でありません。さながらこの人物の体臭が臭ってくるかのよう臨場感さえ味わいました。
中年の女性を象る胸像、「Female」(2007)も見事です。こちらも上に挙げた男性と同じようにリアルにつくられていますが、何と言ってもそのデフォルメされた形に異様な雰囲気を感じます。ちょうど顔の両側から力を加え、上下へ二倍に引き延ばしたような人物が全くの無表情で佇んでいるわけです。ペニーの作品に見る面白さは、たんに人間をシリコンで精密に複製しているというよりも、この形の変化の方にあるのかもしれません。例えばPCで人物の画像を加工するかのように、彼は立体を自在に変形しているのです。
日本では初めての個展だったそうです。今回は僅か4点の彫像が紹介されるのみでしたが、また他の作品を拝見出来ればとも思いました。(7/28)
「エヴァン・ペニー展」
6/3-7/28(会期終了)
既に会期を終えていますが、驚くほど生々しい感触の胸像は実に圧倒的でした。南アフリカ生まれのアーティスト、エヴァン・ペニー(1953~)の個展です。
ともかく見入るのは、シリコンによってつくられた胸像における精巧な表現です。背中を露にし、やや右へ向く後ろ姿の男性の作品では、所々に点々と連なる吹き出物からうっすらと浮かび上がるほくろ、またはくびれた首の皺や皮膚の汗ばんだような感触、さらには頭部に見る2、3ミリにカットされた髪の毛(ただしこれは本物の髪が使われていますが。)までが、まさに生きているかのように象られています。このリアリティーは尋常でありません。さながらこの人物の体臭が臭ってくるかのよう臨場感さえ味わいました。
中年の女性を象る胸像、「Female」(2007)も見事です。こちらも上に挙げた男性と同じようにリアルにつくられていますが、何と言ってもそのデフォルメされた形に異様な雰囲気を感じます。ちょうど顔の両側から力を加え、上下へ二倍に引き延ばしたような人物が全くの無表情で佇んでいるわけです。ペニーの作品に見る面白さは、たんに人間をシリコンで精密に複製しているというよりも、この形の変化の方にあるのかもしれません。例えばPCで人物の画像を加工するかのように、彼は立体を自在に変形しているのです。
日本では初めての個展だったそうです。今回は僅か4点の彫像が紹介されるのみでしたが、また他の作品を拝見出来ればとも思いました。(7/28)
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