「アンドリュー・ワイエス展」 青山ユニマット美術館

青山ユニマット美術館港区南青山2-13-10
「アンドリュー・ワイエス展」
3/20-10/14



東京・南青山に今年春、移転オープンした新しい美術館(と言っても、他のブロガーの方はとっくのとうに行かれているようですが…。)です。シャガールなどの充実した常設展と同時開催中の「アンドリュー・ワイエス展」へ行ってきました。



ワイエスの作品をこれほどまとめて見たのは初めてですが、まずはその「アメリカンリアリズム」というだけあっての高い写実性に強く感じさせるものがあります。アメリカ東部の田舎町の、まさしく田園を描き続けたというその風景画はどれも叙情的で、それこそ遮るもののない広大な大地に生きる人々の素朴な営みを見て取れるような作品ばかりでした。またテンペラを使ったものにはある種の軽やかさ、つまりは何か実体のない、例えば夢で一度見たような懐かしい風景が描かれているような感覚も受けます。率直に申し上げると、私にはこれらにもう一歩の重量感、ようはその土地の『影』の部分を伝えるような確かな感触が欲しいのですが、総じて心地良い風と空気を肌に感じるようなこれらに強い人気があるのにも頷ける気がしました。極めて純粋です。



テンペラの他に水彩画も出ていましたが、こちらはまるでエミール・ノルデを思わせるようなタッチに瑞々しい美感を見出すことができます。また細部の装飾など精緻に描く部分と、そうでない例えば建物に差し込む光の描写などの大胆な塗りとのコントラストも面白いと思いました。どちらかと言えば私は水彩の方に魅力を感じているかもしれません。

シャガールとエコール・ド・パリを名品を紹介する常設展(こちらが目的でした。)については、また別エントリで触れたいと思います。

当初の会期(10/2まで)が延長されています。10月14日までの開催です。(8/25)

*関連エントリ
「シャガールとエコール・ド・パリコレクション」(常設展示) 青山ユニマット美術館
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