都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「『骨』展」 21_21 DESIGN SIGHT
21_21 DESIGN SIGHT(港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内)
「第5回企画展 中山俊治ディレクション 『骨』展」
5/29-8/30
生物から工業製品、はたまたアートに至るまでの「骨」(正確には骨と見立てたものを含む。)に目を向けて紹介します。21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「『骨』展」へ行ってきました。
前述の通り、生き物に限らない、ありとあらゆる事物の骨、骨格を、写真や映像、またはインスタレーションなどにて俯瞰する展覧会です。そもそも骨とは何ぞやという部分は必ずしも明快ではありませんが、そこから広がる多様なイメージはなかなか楽しめるものがありました。
では以下、印象に残った作品を簡単に挙げます。
ニック・ヴィーシー「X-RAY」
X線を通して家電製品などを写し出す。半透明となって、それこそ骨格を露としたドライヤーや掃除機の美しさは神秘的ですらある。必見は飛行機。出来ればもっと大きなサイズで見たかったが、幾何学的図像が組み合わさって一つの巨大な物体が出来る様は圧巻だった。
前田幸太郎「骨蜘蛛」
骨で組まれた蜘蛛、だから骨蜘蛛。それが深海に見立てたフロア床面に何体も這っている。吹き抜けのガラス越しから足を伸ばしたような仕草が可愛らしかった。
エルネスト・ネト「私たちがここにいる間」
ウォークイン型のネトのインスタレーション。お馴染みの皮膜、そしておもりで肋骨イメージの空間を作り上げる。ちなみに今回の中のおもりは小麦粉だった。ネト作品としてはややインパクトに欠けるかもしれない。
緒方壽人+五十嵐健夫「another shadow」
壁に映し出された自分のシルエットが、時間差で保存、動き出す。一瞬、凍り付いたように映る影が、まるでもう一人の自分のように見えるのが面白かった。
参「失われた弦のためのパヴァーヌ」
今回一番美しいインスタレーション。音が光となる瞬間がピアノから提示されていく。
玉屋庄兵衛+山中俊治「骨からくり『弓曵き小早舟』」
弓を構えたからくり人形。通常は動かないが、毎週土日の14時、及び16時からは実演イベント(各10分間)があるとのこと。動かないからくり人形は面白くないので、これからの方はそちらに参加されるのも良いのではないかと思う。
なお入口で配布されるガイドマップは、漫画家のしりあがり寿氏によるものでした。あまりにも自由なイラストは、地図としての機能を半ば放棄していますが、是非とも保存しておきたいところではないでしょうか。
8月30日まで開催されています。
「第5回企画展 中山俊治ディレクション 『骨』展」
5/29-8/30
生物から工業製品、はたまたアートに至るまでの「骨」(正確には骨と見立てたものを含む。)に目を向けて紹介します。21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「『骨』展」へ行ってきました。
前述の通り、生き物に限らない、ありとあらゆる事物の骨、骨格を、写真や映像、またはインスタレーションなどにて俯瞰する展覧会です。そもそも骨とは何ぞやという部分は必ずしも明快ではありませんが、そこから広がる多様なイメージはなかなか楽しめるものがありました。
では以下、印象に残った作品を簡単に挙げます。
ニック・ヴィーシー「X-RAY」
X線を通して家電製品などを写し出す。半透明となって、それこそ骨格を露としたドライヤーや掃除機の美しさは神秘的ですらある。必見は飛行機。出来ればもっと大きなサイズで見たかったが、幾何学的図像が組み合わさって一つの巨大な物体が出来る様は圧巻だった。
前田幸太郎「骨蜘蛛」
骨で組まれた蜘蛛、だから骨蜘蛛。それが深海に見立てたフロア床面に何体も這っている。吹き抜けのガラス越しから足を伸ばしたような仕草が可愛らしかった。
エルネスト・ネト「私たちがここにいる間」
ウォークイン型のネトのインスタレーション。お馴染みの皮膜、そしておもりで肋骨イメージの空間を作り上げる。ちなみに今回の中のおもりは小麦粉だった。ネト作品としてはややインパクトに欠けるかもしれない。
緒方壽人+五十嵐健夫「another shadow」
壁に映し出された自分のシルエットが、時間差で保存、動き出す。一瞬、凍り付いたように映る影が、まるでもう一人の自分のように見えるのが面白かった。
参「失われた弦のためのパヴァーヌ」
今回一番美しいインスタレーション。音が光となる瞬間がピアノから提示されていく。
玉屋庄兵衛+山中俊治「骨からくり『弓曵き小早舟』」
弓を構えたからくり人形。通常は動かないが、毎週土日の14時、及び16時からは実演イベント(各10分間)があるとのこと。動かないからくり人形は面白くないので、これからの方はそちらに参加されるのも良いのではないかと思う。
なお入口で配布されるガイドマップは、漫画家のしりあがり寿氏によるものでした。あまりにも自由なイラストは、地図としての機能を半ば放棄していますが、是非とも保存しておきたいところではないでしょうか。
8月30日まで開催されています。
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )