「都市的知覚」 TWS本郷

トーキョーワンダーサイト本郷文京区本郷2-4-16
「都市的知覚」
8/11-30



映像やインスタレーションなどの様々な手法で都市を捉えます。トーキョーワンダーサイト本郷で開催中の「都市的知覚」へ行ってきました。

出品作家は8名です。

笹口数、石原次郎、前林明次、前田真二郎、遠藤孝則、河村陽介、上妻勇太、八嶋有司

決して「都市とは何ぞや。」という問いを抉る展示ではありませんが、連なるビルや押し寄せる人々など、都市の「速度や量に、普段ただ圧倒されて」(ちらしより引用)生きている人間が、そこにどう接触し、またイメージを広げるのかという試みが提示されています。以下に印象深かった作家を挙げてみました。



石原次郎「interMetro」(2003)
東京、パリ、NY、ソウル他、世界各地の地下鉄の車窓(ホーム)をインタラクティブに体験する映像アート。大きなスクリーンの前に置かれたマウスを操作すると、走行中の電車内からトンネルの真っ暗な風景を見た映像がスタートし、その直後に各都市の地下鉄駅のホームへ到着する様子が映し出される。クリック一つで世界中の駅を旅するだけでなく、あたかもそれらが一つの地下鉄で繋がっているような気分にさせられるのが面白い。例えば神谷町駅の次はNY、そしてソウル、また今度は赤坂見附を挟んでパリと、自在に路線を作るようにして楽しめた。

笹口数「22 July, 2009, 35° 68' N. 139° 69' E.」(2009)
西新宿に連なる高層ビルの影をオブジェ、または映像化した作品。地図から切り出された高層ビルが影の形で立体化され、それが動画となって都市を作り出す。見慣れた高層ビル群も影となるとまた新鮮。現実の都市と表裏一体の関係にある「影の都市」を疑似体験出来た。



前林明次「Dreaming on the desktop #1」(2009)
今回の展示で一番興味深い作品。小部屋に椅子とテーブルが備えられ、テーブル上にはメトロノームの他、小さなラジオが一台置かれている。観客は椅子に座り、ヘッドホンを装着して耳と目に展開させる都市の「ノイズ」を楽しむ。決して派手さはないが、思いもつかないような展開が面白かった。

いかにもワンダーサイトらしいコンセプトに明快な展覧会でした。

今月30日までの開催です。
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