さすが石見神楽の本場、石見路を走っていると民家の法面に石見神楽のハイライトであるヤマタノオロチ(大蛇)が・・・ ここの家主は熱烈な神楽ファンなのだろう。
有福温泉町を走っていると民家で珍しい石造の蔵がみられた。この石蔵は石見地方で産出されている凝灰岩の福光石で造られているようである。石蔵の蔵飾りは福光石に当家の家紋とみられる丸に五枚根笹文が刻されている。石造りの蔵飾りは以前紹介した小松市で産出している日華石で造られた石蔵がある。
昨日は何十年ぶりであろうか江津市の有福温泉に行き御前湯で英気を養った。御前湯は昭和5年(1930)に建築されたようであり昭和ロマンを漂わせるレトロな建物である。有福温泉は昭和3年(1928)頃には17軒の温泉旅館があり賑わっていたようであるが、現在温泉街では3軒のみ営業されているようで街並みはひっそりとしていた。
天神地区にある民家土蔵の蔵飾りで富貴繁栄祈願の福槌と反対側は福袋を漆喰細工で表されている。小屋根と鬼瓦を模した部分や懸魚が豪華な造りであり、懸魚は針金で取り付けられているようである。
国道2号線バイパスの佐方サービスエリアからの出口付近の電柱に蔓性の植物で樹木かと間違いそうに繁茂している。側道から見上げてみると中ほどに赤い花がみられるがこれは恐らくキョウチクトウの花であり、蔓性の植物は葛の蔓が主体のようである。
浅原戸屋原地区にある河内神社の拝殿には奉納された三十六歌仙額の34面が掲額されているが吹き曝しのために退色剥落が激しく歌人など確認出来るものはないような状態である。誰が描いたものかいつ頃奉納されたものかも不明である。
先日、管弦祭の日に地御前神社付近から広島ガス廿日市工場脇に大きなLNGガス運搬船SURYA AKIが停泊していたのがみられた。ネットによるとSURYA AKI「スリヤ アキ」(スリヤはインドネシア語で太陽を、アキは安芸を意味する)はMCGC インターナショナル社と広島ガスが共有船主のようでインドネシアからのLNG輸送をしているようである。SURYA AKIはブログ投稿時現在和歌山県沖の太平洋上にいるようである。(船舶画像-ライブ船舶マップより)
一昨日行われた管弦祭での御座船を引く阿賀の漕ぎ船2艘で、以前阿賀港から情島に渡る情島通船の時間待ちをしていたら反対側にこの漕ぎ船の艇庫があった。看板表示の説明によると旧暦6月15日(6日)乗り手は阿賀の住吉神社に参詣した後に阿賀港で2艘の漕ぎ船を3回旋回してから厳島神社に向かったようである。
昨日は旧暦の6月17日で厳島神社の最大の神事である管弦祭が行われ、当ブログ主は旧火立岩沖から地御前神社向かった漕ぎ船に引かれた御座船を迎えた。地御前神社前では御座船上で神職が管弦を奏し長浜神社、大元神社を経て厳島神社に還御で平安絵巻の神事は終わるようである。子供の頃親が管弦祭のことを「オカゲンサン」と言っていたのを思い出した。
弁慶負釣鐘之図-千畳閣の奉納絵馬
渡辺對岳の模写縮図
厳島絵馬鑑
厳島神社の本殿各所にかつて奉納された絵馬が掲額されていたが現在多くは千畳閣に掲げられている。これらの絵馬は江戸後期に模写縮図して厳島絵馬鑑などの刊行本とされた。これら絵馬の模写縮図24点は地御前出身の画家渡辺對岳が行っており、模写縮図と厳島絵馬鑑の画像が同じサイズであるので模写縮図の同寸図を版木に転写して彫師が彫って摺師が刷り上げて製本したものが厳島絵馬鑑である。
参照「厳島神社絵馬模写縮図について」広島県文化財ニュース第148号所収
浅原地区にある民家土蔵の裏側にある蔵飾りで富貴繁栄祈願の福槌が漆喰細工で表されており、表側の蔵飾りは下画像のように樹木が茂っており何が表されているのか確認できなかった。当土蔵は維持管理が行き届いてなく画像のような状態であり蔵飾りの先行きが危ぶまれるのである。
浅原地区を流れる小瀬川流域の保曽原地区と白河地区に大正14年9月1日と刻された水害碑が建立されていた。当地域でどのような被害があったのかは定かでないが、資料によると小瀬川流域で大正14 年(1925)に起こった洪水により浸水家屋 179 戸、堤防破損4 箇所、田畑冠水16 町 2 反、大和橋流失とある。台風5号が現在北上中であり今後の行方が心配される。
昨日紹介した旧浅原小学校がある地は浅原地区の中心地で各施設があったところである。近くには大きな民家がありかつては各種の宴会や結婚式の披露宴などに使用されていたようである。玄関の庇や欄間など洒落たデザインであり和風建築には珍しい両開きの扉となっており繁栄していた良き時代を彷彿とさせる。
浅原地区も過疎化が進んでいるようで当地区にあった浅原小学校が平成27年3月で閉校となり津田小学校に統合されている。閉校時の児童数は16名だったようであるが校舎や体育館の規模をみると昭和50年代に建築された当時は相当の児童数だったように思われる。