有働由美子著『ウドウロク』(2014年10月30日新潮社発行)を読んだ。
「自他ともに認めるクロい部分も、ちょっとだけあるシロい部分も、包み隠さず書いてみました。初めての本! 書き下ろし。」
ところどころに有働さん撮影の写真が挿入されている。
はじめに
きっと、男性が読んだら中年女が怖くなり、順風満帆に幸せになった女性が読めば、軽蔑するでしょう。
1 いろんな人から、いろんなことを言われました
わき汗
わき汗が忌み嫌われているものだと思わなかった有働さん。
結局、“わき汗の”アナウンサーという、ちょっとイタい、かわいそうな形容に耐えている感じが好感を持ってとらえられるらしく、放送でちょっとくらいクロいことを述べても、苦情がこなくなった。
スーパーマーケット
かごに一人分で少量の品物を入れてレジに並んでいた有働さん。後ろに並んでいた小学生の女の子が言った。
「おかあさん、この人のかごはさびしいね」
・・・
お母さんが言った。
「そんなかわいそうな人のかごの中とか、見てはだめ」
と。
・・・お母さんが返す時には「かわいそうな人」に自動変換されている・・・・・。
男社会で長く生き過ぎ
好きだった人「このモデルさん、清楚でいいよね」
私「でもさ、実は意外に奔放だったりするのよ~。たぶん。いや、きっと。・・・」
好きだった人「前から言おうと思ってたけど、有働さん、発言が、男社会で長く生き過ぎ」
2 一生懸命生きてきました。ええ、仕事に
3 酒がなかったら、この人がいなかったら……
4 黒ウドウ
私の個性、私が思う個性
・・・他人が、私のことをどんな個性の人間だとおもっているのか。
それさえ掴めていれば、あとは楽になる。仮にそれが、自分が思う本当の自分とは少々ずれていても、それは自分の素を理解されていない、ことにはならない。
逆に、なぜ私はこう受け止められているのかと考えると、自分には見えていなかった自分の個性が見えてきたりする。
5 白ウドウ
小心者シリーズ1 お見合い編
恋愛は、目の前の幸福と不服に、大いに振り回されるもの。
がお見合いは違う。目の前ではなく、長い目で見た幸福を考えるわけです。
・・・
・洋服がダサい→私が好みの服を揃えて着せてあげればいい。
小心者シリーズ2 昔の恋の捨て方編
「あさイチ」の本番中に、ゲストのタレントさんから、
「えっ! 昔の彼氏の写真とか思い出の品とか、捨ててないの? あり得ない!」
とご指摘を受けたことがある。
「デート中に指の皮がめくれたとき、一緒にむいたその皮」まで保存していたとは・・・
私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)
自分でクロとかおばさんとか言って凹んでみせている。傷つかないための防衛策でもあるのだろうが、結局自分に自信があるから言えるのだろう。
いずれにしても、すべてに真剣で、一生懸命で、そして明るいゆえに広く愛されるのだろう。
中年を過ぎた有名NHKアナウンサーの、新しいありようを作っていってほしい。(突き放した言い方しましたが、ファンです。それに46歳といっても我が子みたいな歳ですし)
有働由美子(うどう・ゆみこ)
1969年鹿児島県生まれ、兵庫県、大阪府育ち。神戸女学院大学卒業後、1991年NHK入局。「NHKニュースおはよう日本」「サタデースポーツ」「サンデースポーツ」「NHKニュース10」「スタジオパークからこんにちは」などの番組を担当し、紅白歌合戦の司会も務める。2007年~2010年ニューヨーク特派員。2010年3月より「あさイチ」のキャスター。