鳥越俊太郎著『祖父の流儀(ダンディズム)』(2014年7月31日徳間書店発行)を読んだ。
鳥越さんは、2009年2月21日に4度目のガンの手術を終えて退院。翌3月21日に次女に男の子“りう”が生まれた。鳥越さんの長女はあすか(言語聴覚士)、次女はさやか(歌手)。
孫をまっとうに育てるのは親の役目で、祖父は、孫育てに関しては親のポリシーに従い、そして無責任に愛し、親ができないことやる役目だ。そこで、鳥越流の孫とつきあう3原則は、
「祖父は孫に毒を与える存在である」
潔癖すぎる環境で育つ子どもたちは弱くなっていきます。少しばい菌が入っただけでやられてしまう。免疫力が弱いのです。
「祖父と孫は人間同士のつきあいをすべきである」
どんなに小さな子どもでも人間ですから、相手から低く見られていると知ったら心は開きません。
「孫は祖父のオモチャである」
反抗期は子どもの独立に必要なプロセスですから、親は何か言いたい、世話したい、干渉したいという気持ちをグッと抑え、自立しようとしている子どもを見守ればよいのです。
(「反抗期とは、親が成長する子どもに反抗する期間のことである」と言った男の子がいました。)
戦争は死と永遠に消えない憎しみを生むだけです。
中国や韓国の人たちが日本人に抱いた半世紀以上前の戦争の憎しみは、いまも消えていません。日本が戦争をできる国になるということは、これからさらなる死と憎しみを生み出すということです。
実は、2014年の都知事選と、その前の都知事選でも、私に立候補の依頼がありました。・・・私と舛添氏が五分五分の勝負で、「浮動票を取込めば勝てます」と、某党の幹部が依頼に来ました。
しかし、今回も私はお断りしました。・・・外側から権力を監視し真実を伝えていくことが、ジャーナリストとしての私の役割だと考えているからです。
次女に、
「パパはどうしてそんなに強いの?」と聞かれて答えた言葉はこうだった。
「他者(ひと)には優しさ、自分には覚悟だよ」
私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
祖父のあり方についての話は、私もまったく同感だ。だから、本に書くほどのことではなく、多分普通ということなのだろう。
そもそも、鳥越さんは、見た目も、男としての生き方もかっこ良いし、かっこ付けてるとも言える。それだけに、現代では考えが古く、時代遅れの感がある。
鳥越俊太郎(とりごえ・しゅんたろう)
1940年生れ。福岡県出身。京都大学文学部卒。
1965年毎日新聞社入社。『サンデー毎日』編集部、」外信部テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長
1989年毎日新聞社を退社し、テレビ朝日『ザ・スクープ』キャスター。
著書『ニュースの職人』『親父の出番』(娘二人の育て方を披露)、他。