hiyamizu's blog

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松尾豊『超AI入門』を読む

2019年06月02日 | 読書2

松尾豊、NHK「人間ってナンだ? 超AI入門」制作班編『超AI入門 ディープラーニングはどこまで進化するのか』(2019年2月25日NHK出版発行)を読む

 

表紙裏にはこうある。

人間のパターン認識をもとに開発されたディープラーニングは、現在、どこまで進化しているのか。

AIの仕組みや可能性についてやさしく解説しながら、人間の認知の本質、そして「人間とは何か」という問いに迫る。

 

人間のパターン認識をもとに開発されたディープラーニングは、現在、どこまで進化しているのか。AIの仕組みや可能性についてやさしく解説しながら、人間の認知の本質、そして「人間とは何か」という問いに迫る。

大きな反響を集めたEテレ人気シリーズ「人間ってナンだ? 超AI入門」のエッセンスに、ジェフリー・ヒントン(Google)、ヤン・ルカン(Facebook人工知能研究所)、2人のトップ研究者のインタビューを収載。

 

講義1:AIと人間の間で会話は成立するのか

講義2:脳とAI、違いはどこにあるのか
講義3:AIは芸術作品を生み出せるのか
講義4:AIロボットの実現はなぜ難しいのか
講義5:AIの画像認識技術で暮らしはどう変わるのか
講義6:AIと人間は融合するのか
インタビュー1:ジェフリー・ヒントン「ディープラーニング誕生までの道のり」
インタビュー2:ヤン・ルカン「人間のように学べるAIを目指して」

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

人間の思考とAIの仕組みの差や、AIの限界をやさしく解説している。ただ、AIの仕組みの説明は数式を全く使わないので、わかった気になるが、肝心な点がまったくわかっていないことに気が付く。例えば、20年ほど前にはやったニューラルネットワークとディープラーニングの差がどこにあるのかがわからない。当時のニューラルネットワークは3,4層であったし、入力データもそれほど多くなかった。コンピュータパワーの差で、量の圧倒的な差が質の転換をもたらしたということに過ぎないのだろうか

 

 

松尾豊(まつお・ゆたか)

2002年東京大学大学院博士課程修了。スタンフォード大学客員研究員。

2007年より東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻特任准教授。

 

 

以下、メモ。

 

講義1:AIと人間の間で会話は成立するのか
ディープラーニングのここでの定義:多階層のニューラルネットワークを用いた機械学習

技術手法には、画像認識で使われるCNN(畳み込みニューラルネットワーク)とRNN(再帰型ニューラルネットワーク)がある。

RNNは、言語処理、音声認識で使われる時系列データの扱いに適している。例えば「こんにちは」と入力されると、「隠れ層」(中間層)の状態があいさつを済ませた後の状態へ変わり(再帰)、次に入力される情報へ以前と異なる(あいさつを済ませたのちの)対処をする。時系列で状態が引き継がれるが、長くなると最初の頃の入力の効果が弱まるので、改善したLSTM(長短期記憶)という方法がある。

 

チューリングテスト:部屋の外にいる人がチャットして、部屋の中の存在がコンピュータか人間か区別がつかなければ、そのコンピュータは知能を持っていると言える。

 

記号接地問題 シンボルグラウンディング

「ネコ」という言葉には、「ネコ」という言葉の表層(シニフィアン)と、「ネコ」という概念(シニフィエ)の両方が必要。これまでのAIは「ネコ」という表層の処理はできるが、概念に対応できないので言葉の意味理解ができなかった。現在、画像と言葉を結びつける研究が進んでいる。

 

講義2:脳とAI、違いはどこにあるのか
うつ状態に見られるやる気や喜びの喪失は、報酬に対する感受性が低くなった状態。

 

AIの活用は、たくさんのデータを使った「学習フェーズ」と、学習した結果を使って新しいデータ(未知の画像など)を分類する「推論フェーズ」に分かれる。

「推論フェーズ」

(1)画像入力、 (2)各画素の値が入力、 (3)値は入力層から幾層にも分かれて構成されているネットワークをたどって、個々のニューロンで値が計算される、 (4)最終的に出力層で値が計算され、ネコなのかそうでないのか判定

「学習フェーズ」

ネットワーク間をつなぐ線にはそれぞれ重みがあり、学習フェーズでその重みを「誤差伝搬法」(誤差の関数の微分を取って重みを更新する)で決める。

 

「過学習(オーバーフィット)」

学習データに適合しすぎて、そのデータでの正答率は高いが、それと異なるデータでは正答率が低くなる。丸暗記ではなく、うまく抽象化して、ポイントをつかんで、そのポイントと答えの関係を学ぶ「汎化性能」を上げる必要がある。

 

講義3:AIは芸術作品を生み出せるのか


講義4:AIロボットの実現はなぜ難しいのか
人間の知能は、環境を知覚しモデル化し、運動制御するループ(知覚運動系処理)の上に、何らかの言葉を聞いて意味・内容を理解し、言葉で返す記号系処理が載っている二階建てと仮定している。

 

講義5:AIの画像認識技術で暮らしはどう変わるのか

講義6:AIと人間は融合するのか
インタビュー1:ジェフリー・ヒントン「ディープラーニング誕生までの道のり」
インタビュー2:ヤン・ルカン「人間のように学べるAIを目指して」

 

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