伊岡瞬著『もしも俺たちが天使なら』(2014年6月10日幻冬舎発行)を読んだ。
宣伝文句は以下。
セレブからしか金を獲らない詐欺師・谷川涼一。〝ヒモ歴〟更新中だが喧嘩は負け知らずの松岡捷。不始末で警察を追われた元刑事・染井義信。はみだし者三人の前に美しい娘が現れ、「変な男に実家が乗っ取られそう」と助けを求めてきた。彼女は何者? 怪しい男の背後で動く組織とは? 最高にクールでタフな男たちの、友情と闘いのクライムノベル。
谷川涼一:詐欺師。なけなしの金は奪わない。善意は逆手にとらない。弱者の恐怖心は利用しない。
松岡捷(しょう): 喧嘩早く強い。20代半ば。身長185㎝前後。二枚目で絵美のヒモ状態。子分は丸山、小池。
染井義信:元刑事で探偵業。別れた妻は再婚し藍沢真知子41歳、娘・さとみは11歳。
石崎:不良グループの頭で捷と対立。子分は浜口など。
敷島絵美:美容関連企業を経営する敷島祐三郎の後妻。元銀座のホステス。色気たっぷりの32歳。
松岡憲吾:捷の父親。狷介で強情。癌で闘病中。後妻は色気ある桐恵で連れ子が美人の茉莉。
青木惇:松岡家に同居するぶどう畑作業の実直な助っ人。資産狙いか?
クロモズ:黒田和雄。大阪を根城にした謎の暴力的詐欺集団。
「もしも天使だったら、こんなに苦労しないでもっと簡単に人助けしてますよ。…」「たしかに。――おれは、自分でも意外だったが、久しぶりに心のどこかに火がついた。天使だったら、こんな感触はきっと味わえないだろう。人間で充分だ」(p338)
初出:「パピルス」41号(2012年2月)~49号(2013年8月)
私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)
ともかく面白く読める。
登場する男は皆かっこよく、女は皆、美人だが、まあ、そこは物語ですから。喧嘩は、こいつは強いと思うと、次に登場するやつはもっと強い。まあ、そこは漫画みたいなものですから。
何年も実直に働いた青木は、本当におとなしく真面目な男なのか、資産狙いではないのか? 最後まで謎で話を引っ張っていく。