hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

上野千鶴子『在宅ひとり死のススメ』を読む

2021年04月23日 | 読書2

 

上野千鶴子著『在宅ひとり死のススメ』(文春新書1295、2021年1月20日文藝春秋発行)を読んだ。

 

文藝春秋BOOKSの作品紹介は以下。

累計125万部ベストセラー『おひとりさまの老後』シリーズ、最新作!

「慣れ親しんだ自宅で、自分らしい幸せな最期を迎える方法」を提案。

「わたしには家族がいませんので、基本、ひとりで暮らしています。
 現在72歳。このまま人生の下り坂をくだり、要介護認定を受け、
 ひとり静かに死んで。ある日、亡くなっているのを発見されたら、
 それを『孤独死』とは、呼ばれたくない。それが本書の執筆動機です」 
                     (上野千鶴子)

「在宅ひとり死、おおいに結構。事実、世の中こうなってきている」養老孟司氏・推薦!
「ひとり静かに在宅死。わたしもそうありたいと願っています」下重暁子氏・絶賛!

・「孤独死」あらため「在宅ひとり死」へ
・慣れ親しんだ自宅で、自分らしい最期を迎えるしあわせ
・ウエノが徹底取材!「おひとりさまの最期」最新事情
・医師、看護士、介護士、看取り士をコーディネートする方法
・とくにガンなら「在宅ひとり死」が、ほぼ100パーセント可能
・病院死は、医療が貴重だった昭和の名残り
・「施設」に入れたがるのは、本人ではなく家族
・ずばり、家で死ぬために必要な費用はいくらか
・「老後の幸せ度」は「おひとりさま」と「大勢家族」が高く、「老夫婦ふたり」世帯が低い
・たとえ認知症になっても「在宅ひとり暮らし」で問題がない理由
・安楽死、尊厳死は正義か
・介護保険をどう活用すべきか
・もちろん私は「在宅ひとり死」でゆくつもり

 

年寄りの容態が急変したら119番してはいけない

家族はまず訪問看護ステーション(24時間対応)に、だめなら主治医、ケアマネに連絡する。離れていて素人の子どもに連絡してはいけない。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

家族嫌い、集団生活嫌いの上野さんが、「在宅ひとり死」を強引に勧める本。
論旨の強引さが目立つ。また、多くに他の人の著書、調査結果の引用が多いが、自分の論旨に合致したものだけを引用しているという疑いが私には強い。

上野さんは認知症になっても一人暮らしできるのでは?と問う。冷凍食品をかじっても、真っ裸になっても、問題ないのだと言うが、下の方を失敗して気づかなかったり、仏壇の線香の始末を失敗したりしたらそれは危険だ。家族が居ればとても一人にしておけないだろう。一人暮らし可能だという論旨に強引に誘導しすぎだ。

 

上野さんは、安楽死はもちろん、尊厳死も問題あると主張する。食べられる限り生かして置いて欲しいと上野さんは書くが、何が正義だというのではなく、人それぞれが選択すべき問題に過ぎない。

 

 

上野千鶴子の略歴と既読本リスト

 

以下、メモ

 

すごい勢いで「おひとりさま」が増えている。

介護保険が始まった2000年には、高齢者の子どもとの同居率は49.1%、約20年で30.9%に。

高齢者世帯の独居率は、2007年には15.7%、2019年には27%で、近い将来独居世帯は半分以上になる。

 

大量調査で独居高齢者と同居高齢者の生活満足度を比較すると、独居の方が低くなる。これは独居の貧困率が高く、社会的孤立も高いため。しかし、中流の高齢者の住む地域では、「選択的」独居者が多く、生活満足度は同居より高く、二人世帯、とくに妻の満足度は最低、という調査もある。

 

このところ、病院死の割合がようやく減少に転じて、代わって在宅死と施設看取りが徐々に増えてきた。

 

介護保険の要介護認定率は高齢者全体では平均2割程度。80代後半では5割、90代で女性83%、男性67%。ピンピンコロリではなく、フレイル期間を経験し、訪問介護を経て、在宅のままゆっくり下り坂を下って在宅で死ぬのが普通になる。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする