「犬も食わない夫婦喧嘩というものを、してみんとてするなり」(2007年11月24日)
何かのときに飛び出してきた昔むかしの我がブログ。「まあ、何て得意そうになって、恥ずかしいことを書いている事か!」
今や、互いに枯れ切って、相方(当時は「奥様」と書いていました)とは喧嘩することもない毎日です。こんな時もあったのだと、以下、そのまま掲載します。
11月22日はいい夫婦の日でした。しかし、大小は別にして喧嘩しない夫婦はいないと思います。
「話を聞かない男、地図の読めない女」という本を読んだことがあります。口げんかでは一般的にやはり口が達者な女性が有利でしょう。それでもときには、男性が追い詰めそうになるときもあります。そんな、女性が詰まったときの切り札はこうです。
「あなたはね、○○のとき、○○って言ったのよ! いい! そもそもね、あなたっていう人は、そういう人なのよ!」と直接関係ない昔の話をいきなり持ち出します。
そんな昔のこと覚えていない男性は、反論もできません。そんなときは、尻尾をたれてその場からスゴスゴと立ち去るのが良いでしょう。いや、立ち去るしかありません。ここで、ムカっと来て、何か反論しようとすると、言葉に詰まって大声や手を出すことになります。そして修羅場となり、奥さんの判例集を厚くするだけの結果に終わります。
一昔前の男性は、「いったい、誰のおかげで飯が食えるんだ!」と怒鳴るか、暗示して、戦いに表面上、勝利したものです。
上野千鶴子さんの「おひとりさまの老後」に、寝たきりになっても、棒をもって介護する奥さんを虐待して、「いったい、誰の年金で生活できるんだ!」と怒鳴るおじいさんの話がありました。その満々たる自信、立派です。夢のようです。
といっても、以上の話はもちろん一般論で、我家の話ではありません。
遅れてきた大和撫子の奥様は、昔々の新婚当時、私が何かキツイ言い方をすると、いつの間にかいなくなります。ふと、気が付いて探してみると、台所の隅で、シクシクやっていることがありました。
結婚後35年になろうとしている今は、もちろん、そんなことありません。
逆になりました(??)
おとなしく、我慢強い奥様のいる家庭は以下のようだと想像します。あくまで、想像です。
おとなしい奥様はそもそもキツイいい方で反論はしません。論理的にピシャリと決め付ける夫に対し、無言になります。しかし、納得せず、まだ怒っていることは顔を見れば鈍感な夫にも分かります。いろいろ理を尽くして説得をしますが、変化はありません。
結局、根負けして、「わかった、わかった。そうしましょう」と妥協するしかありません。
そして、下向いて、小声で夫が言います。「弱み握られているから、しょうがない」
「弱みって、なによ?」とびっくりした奥様。
後ろ向いて、立ち去りながら聞こえるように、「ほれた弱みに決まってるだろ」
逆転勝利??