hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

5回目のBo-peepでランチ

2021年04月08日 | 食べ物

 

コーヒーとケーキのカフェ Bo-peep(ボーピープ)でランチした。前回は4回目で、昨年11月にカフェした

武蔵野市吉祥寺本町1-35-17 吉祥寺ビル1F

 

いつも空いていてくつろげるが、11時半の開店直後の入店だったが、その後も、6人分のテーブルと、数名のカウンターも我々二人だけ。

店内はいつでもきれいにしている。壁のクロスステッチの絵も前回の秋の絵から変わっていた。隣りのテーブルの花もカワイイ。おそらくオーナーのお二人も、感じがよく、なかなか良い店だ。

 

私のコーヒーは、やわらか130cc、深煎り、グアテマラ。相方(右)はブレンドでミルク添え。いずれもカップはウエッジウッド。

 

相方はキッシュ+ミニのサラダ

 

私はラップロール。

普通はトルティーヤ(すり潰したトウモロコシから作った薄焼きパン)で巻くらしいが、小麦粉で作ったという。小麦粉をうどん粉と書いていて、「古っ」とバカにされた。今度からメリケン粉と言おうか?

 

ほどくと、こんな風になっている。

 

巻いて端を包み込んでとめてある。

美味しく、ゆったりとくつろいだ。

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貫井徳郎『私に似た人』を読む

2021年04月07日 | 読書2

 

貫井徳郎著『私に似た人』(朝日文庫ぬ1-2、2017年6月30日朝日新聞出版発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

小規模なテロが頻発するようになった日本。実行犯たちは実生活では接点がないものの、一様に、冷たい社会に抵抗する《レジスタント》と称していた。テロに関わらざるをえなくなった、それぞれの人物の心象と日常のドラマを精巧に描いたエンターテインメント大作。

 

最近、無差別であるが小規模のテロが日本のあちこちで起こるようになった。自殺する犯人たちに面識はない。ネットで連絡しあったことがあるだけのようなのだ。テロ組織があるわけではなく、指導者の存在も未確認で、思想も共有しているようには見えず、社会を変えられるとも思っていない。それでも彼らは自らを《レジスタント》と称している。こんなテロを人々は《小口テロ》と呼ぶようになった。

 

この本は10章から成り、(小口テロ)に加害者側、被害者側として関わることになった10名の話が続く。ネット上で謎の人物「トベ」が背後に見えかくれする。

微妙につながりを持つ10名の物語から、現代日本の問題点、「格差」、「閉塞感」、そして、ワーキングプア持って行き場のない「憤り」が描き出される。日本推理作家協会賞受賞作『乱反射』のように、良く工夫された構成だ。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

SNSで関係しある十数名の人が、小口テロに関わり、繋がりあうという構成は面白い。話自身も面白く、スイスイ読める。ただし、同じ様な展開の話で、十章、十名は長く、冗長だ。

 

しかし、小口テロを何のために実行するのかが、よく理解できない。理想の社会を実現するためでもなく、狙う相手に復讐するためでもなく、金のためでもない。小口テロがあちこちで頻発すれば、無関心な人々が真剣に考えるようになるという理屈も理解しがたい。

 

 

貫井徳郎(ぬくい・とくろう )の略歴と既読本リスト

 

 

樋口達郎は、実況アナウンサーが別れた恋人・香月紗弥の名前を呼びあげたのでびっくりする。達郎は別れた後の紗弥がどうしていたのかを調べ、恋人・勝村が彼女に暴力をふるっていたことを知る。達郎は……。

 

小村義博は、自動車工場でボルトの検品という辛い作業に従事し、吃音癖から孤独だった。SNSで優しいハンドルネーム《みどりん》と、別のSNSで社会の構造を教えてくれる《トベ》と知り合う。《みどりん》には恋人がいることが判明し、生きがいだった野良猫を引き殺された義博は……。

 

二宮麻衣子は、(義博の起こした)小口テロ現場で大怪我した人の介護にあたる。ただ見ているだけだったり、撮影するだけの人の中に、目覚ましく救助に活躍する男性がいた。怖いヤクザ顔の彼は同じ会社の名取通晃だった。彼は常に正論を厳しく主張することからヘイトと呼ばれ、毛嫌いされていた。

 

29歳の秋山は渋谷スクランブル交差点で刃物を振り回し二人の女性の顔を切って逮捕された。小口テロ実行犯で死なずに逮捕された初めての《レジスタント》だった。秋山は取調べでテロを教唆した《トベ》の存在を認めた。刑事の猪原は引きこもりの娘・寛海のスマホに《トベ》とのやり取りを見て愕然とする。猪原は《トベ》を誘い出して逮捕することに成功するが、寛海にひどく嫌われてしまう。されに《トベ》には親、子と多くの《トベ》がいることが判明する。

 

昔からできないということがなかった伊藤圭輔は、SNSのアニメサークルで知り合ったネガティブな性格の《ひでぶ》の愚痴を受け止め、励ましていた。圭輔はネットで《トベ》と知り合い、小口テロへ背中を押すという草の根運動をあなたならできると勧められる。圭輔は《ひでぶ》に小さな石の一つになることを勧める。一方、優しかった恋人・美和は、圭輔に刺激されたのか、突然、国際ボランティアNGOに参加してカンボジアへ行くと言い出す。

 

 

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3月(2)の花

2021年04月06日 | リタイヤ生活

 

3月12日に届いた花

 

白、赤の1本と、2本の黄色とピンク、計6本のチューリップ。2本の紫のリューココリーネ、青いニゲラ、いくつかの花を持つ1本のマーガレットとコデマリ。

 

 

変わっていて、近くで見るとちょっと不気味なのはニゲラ。花びらに見える部分は「がく片」で、中央部にちょっと太くクネクネと立ち上がっているのが雌しべ。周りで線香花火のようにチカチカしているのは「総ほう片」。

 

ややこしい名前だが語呂が良くて覚えやすいのがリューココリーネ。1本の細い茎の先端部が数本に枝分かれして花をつける。花は、6つの花弁が星型に展開する。

ネットには香りが良いとあるが、それほど強い香りではない。ただ、朝一番に、締め切ったリビングに入ると、花の香りに包まれ、花ある生活を実感する。

 

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貫井徳郎の略歴と既読本リスト

2021年04月04日 | 読書2

貫井徳郎(ぬくい・とくろう )の略歴と既読本リスト

1968年、東京都渋谷区生まれ。東京都立青山高等学校、早稲田大学商学部卒業。妻は同じく推理作家の加納朋子。
1993年、第4回鮎川哲也賞の最終候補作となった『慟哭』でデビュー。
2010年、『乱反射』で日本推理作家協会賞を、『後悔と真実の色』で山本周五郎賞を受賞。

なお、『愚行録』、『乱反射』、『新月譚』、『私に似た人』が直木賞候補。

その他、『烙印』、『失踪症候群』、『天使の屍』、『修羅の終り』、『崩れる 結婚にまつわる八つの風景』、『誘拐症候群』、『鬼流殺生祭』、『光と影の誘惑』、『転生』、『プリズム』、『妖怪切断譜』、『迷宮遡行』、『神のふたちの貌』、『殺人症候群』、『被害者は誰?』、『さよならの代わりに』、『追憶のかけら』、『悪党たちは千里を走る』、『空白の叫び(上)(下)』、『ミハスの落日』、『夜想』、『明日の空』『微笑む人』『北天の馬たち』『我が心の底の光』『悪の芽』『ドミノ倒し』『明日の空』『私に似た人』など。

 

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貫井徳郎『明日の空』を読む

2021年04月03日 | 読書2

 

貫井徳郎著『明日の空』(創元推理文庫Mぬ15、2013年4月25日東京創元社発行)

 

裏表紙にはこうある。

帰国子女の栄美は桜の美しさを楽しむ余裕もなく、不安いっぱいで日本の高校での初日を迎えた。幸いにも友達ができ、気になる男の子とも仲良くなれたものの、やがて辛い別れを経験することに…。時は流れ、大学生となった栄美の前に現れたある人との出会いをきっかけに、高校時代の思い出はまったく別の形を見せてゆく―。『慟哭』の著者が仕掛ける、忘れられない青春ミステリ。

 

真辺栄美(えいみ):エイミー。アメリカ生れ育ち。高3で日本へ。

菜津美:栄美の高校の同級生。親友。人懐っこい。

飛鳥部(あすかべ):栄美の高校の同級生。高身長、スポーツ万能、イケメン、成績優秀で人気者。

小金井志郎:クロウ。栄美の高校の同級生。父親が大麻所持で捕まる。いつも一人で、栄美以外は話しかけない。

ユージ:英会話磨きのため六本木で外国人の案内をしてチップを稼ぐ。

アンディ:20代前半の黒人。ユージと仲間になる。明るいが引っ込み思案。

梨佳:栄美の大学の友人。5人の女子のまとめ役。

香月(こうづき):栄美の大学のスノーボード・サークルの先輩。栄美に気がある。

 

第一部は帰国子女の栄美が目立たないように気をつける高校生活。
第二部は一転、六本木でのユージとアンディの気楽な話。
第三部は栄美のだまされそうになる大学生活。

 

本書は2010年5月集英社より刊行作品の文庫版。

 

 

私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?  最大は五つ星)

 

そもそも、高校や大学での友だち付き合いの話、とくに気になる男性へ恥ずかしさと、もどかしさのバランス、駆け引きの気持ちでためらう話など、お爺さんにははるか昔の想い出が化石化していておもろない。

 

高校時代の小金井志郎(クロウ)の意図的説明不足はミステリーとしてのルール違反では?

飛鳥部が完全にいい奴との表現ばかりで、まったく裏を暗示する伏線が見当たらないのはいかがなものか。

やつあたり気味だが、
題名が “IT WILL BE FINE TOMOROW”、
Part 1が In the high school 、
PART2が At Roppongi、
PART3が In the university って、わざわざ英語で書くほどのこと?

 

 

貫井徳郎(ぬくい・とくろう )の略歴と既読本リスト

 

p231より

「明日の天気、わかる?」
「えっ、明日ですか? 確か曇りだと天気予報で言ってましたけど」
「違うね。明日は晴れるんだ」
……
「おれはアンディからバトンをもらった。このバトンは、今度は君に渡すよ。おれやアンディに感謝する気持ちがあるなら、次は君が誰かのために何かをしてあげればいい。……ひとりひとりが他人のために何かをしてあげられたら、ちょっといいことに繋がりそうじゃないか?……」


(ひねくれ者の私は、夢あるこのいい話に付け加えたい思い出がある。出歩くことが多かった昔は、よく公衆トイレに入った。当時公衆トイレは和式だったのだが、床や便器のふちが汚れていることが多かった。私はトイレを出る前にトイレットペーパーをちぎって、汚れの上に落とし、足でこすって便器に捨て、ちょっとだけきれいにしてから出ることを心がけていた。次々と同じことをすれば、公衆トイレはどんどんきれいになるのに、と信じて??)

 

 

鎹:かすがい。「子は鎹」。かけがね。二つの材木をつなぎとめるために打ち込む、コの字型のくぎ。

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全卓樹『銀河の片隅で科学夜話』を読む

2021年04月01日 | 読書2

 

全卓樹著『銀河の片隅で科学夜話 ――物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異』(2020年2月10日朝日出版社発行)

 

「はじめに」より

現代科学の様々な分野の成果、そしてそれをめぐる人間の物語のうちで、筆者の興味を引いた話がここに集まっている。宇宙の話、原子世界の話、人間社会の話、倫理の話、生命の話と大くくりに五つに分けられた。……各章はそれぞれ独立した話で、15分から20分で読める長さである。

また、多くのかなり古い時代の挿絵が挿入されているが、編集者の大槻美和氏がそのテーマを暗示させる絵を選び出したものだそうだ。

 

第3回八重洲本大賞・第40回寺田寅彦記念賞

 

 

いくつかご紹介

一日の長さは一年に0.000017秒ずつ伸びている。月の満ち引きで海水が海底と摩擦して地球の自転が減速するためだ。500億年後(その時には地球も月も既にないのだが)には一日の長さは今の45日になり、ひと月の長さと同じになるという。

 

宇宙は、より多次元の空間に埋め込まれた、両端が閉じた空間だから、中心はない。

天の川運河の中心は暗くなっていて、光をあまりとおさない暗黒星雲、巨大ブラックホールだ。

 

じゃんけんプレーのビッグデータ解析によれば、最初に出す手はグーが数%多く、負けた次には負けた相手に勝つ手を出す傾向がある。したがって、最初はパーを出し、次にはチョキを出す相手にグーを出すと勝ちやすい。

 

飲酒運転率が1/1,000で、飲酒検知器の精度が99%だとすると、検知器が鳴って捕まえた人が本当に飲酒運転だった確率は、(1)90%、(2)10~90%、(3)10%以下のどれか?

1,000人に検知器で調べたら鳴るのは統計的に1人。酔っていない残り999人を調べたら、誤動作で鳴るのが999×1/100=10人。鳴った合計11人のうち本当に酔っていたのは1人だから、当たった確率は1/11=9.1%。

そもそも1/1,000の確率を精度99%の検知器で計るのは無理。

 

3人共に9割の確率で正しく判定できるとすると、3人とも正しい判定をするのは0.9×0.9×09=0.729。一人だけが間違える確率は0.1×0.9×0.9=0.081で3通りあるから3×0.081=0.243。したがって、多数決の正しい確率は合計して、0.972と9割より向上する。

インターネット上でのデータのやり取りは、同じデータを複数回送ってところどころで多数決をとる「エラー補正アルゴリズム」が内蔵されて、エラー補正されている。

 

多数決の秘められた力

フランスのガラム博士の「世論力学」によれば、ある意見を支持する固定層が17%以上存在する状態で多数決を取ると、最終的には全員がその意見を支持するようになるという。すべての人を、定まった意見があり常に賛成または反対の意見を持ち続ける「固定票タイプ」と、他人の意見を参考勘案して賛成反対を決める「浮動票タイプ」に分ける。浮動票タイプの人は、ランダムの集まった3人による多数決に従って意見を変更するとした。

  • 浮動票タイプだけの社会では、意見の調整が進むにつれて、どちらかが優位になっていき、最後は全員賛成か、反対になる。
  • 常に賛成の固定票タイプが5%いると、最初に70%が反対であっても、ランダムなグループで意見調整すると、最終的には全員が賛成になってしまう。
  • 固定票タイプが17%以上いると、残りの浮動票タイプの全員が反対でも、最後は全員賛成になる。

まわりと意見交換をしながら社会全体の意見を調整する「民主的手続きを踏んだ」多数決を行う場合、2割にも満たない確信をもった少数派の意見が、残りの一般有権者全体の意見に優先することが起こる。

声評の世界では、良貨は17%以上あるときに、悪貨を駆逐することができる。

 

 

私の評価としては、★★★★★(五つ星:読むべき、 最大は五つ星)

 

個々の話は、新鮮な切り口で、目を開かれるものがほとんどだった。話もわかりやすく、数字を使った解説も私でも分かった。

 

各テーマはバラバラで本全体としての主張は明快ではない。しかし、特にあいまいなまま世の中の常識として知られている社会的ルールを、数学の力を借りて仕組みをはっきりさせ、各要素の影響を明快なものとしているのはすばらしい。たとえ単純なモデル化が行われていても。

 

 

全卓樹(ぜん・たくじゅ)
京都生まれの東京育ち、米国ワシントンが第三の故郷。
1980年東京大学理学部物理学科卒、1985年東京大学理学系大学院物理学専攻博士課程修了、博士論文は原子核反応の微視的理論についての研究。
専攻は量子力学、数理物理学、社会物理学。量子グラフ理論本舗/新奇量子ホロノミ理論本家。
ジョージア大、メリランド大、法政大等を経て、現在高知工科大学理論物理学教授。著書に『エキゾティックな量子――不可思議だけど意外に近しい量子のお話』(東京大学出版会)などがある。

 

 

目次

はじめに
〔天空編〕
第1夜 海辺の永遠
第2夜 流星群の夜に
第3夜 世界の中心にすまう闇
第4夜 ファースト・ラグランジュ・ホテル

〔原子編〕
第5夜 真空の探求
第6夜 ベクレル博士のはるかな記憶
第7夜 シラード博士と死の連鎖分裂
第8夜 エヴェレット博士の無限分岐宇宙

〔数理社会編〕
第9夜  確率と錯誤
第10夜 ペイジランク─多数決と世評
第11夜 付和雷同の社会学
第12夜 三人よれば文殊の知恵
第13夜 多数決の秘められた力

〔倫理編〕
第14夜 思い出せない夢の倫理学
第15夜 言葉と世界の見え方
第16夜 トロッコ問題の射程
第17夜 ペルシャとトルコと奴隷貴族

〔生命編〕
第18夜 分子生物学者、遺伝的真実に遭遇す
第19夜 アリたちの晴朗な世界
第20夜 アリと自由
第21夜 銀河を渡る蝶
第22夜 渡り鳥を率いて

参考文献

 

 

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