かぶれの世界(新)

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際限なく支持率が下がり続けるブッシュ

2006-05-09 22:55:32 | 国際・政治

1月の年頭教書を聞いた時、特別具体的な証拠はないのだが直感的にブッシュ大統領は危ない、折角11月にニューブッシュを打ち出し支持率を少しとはいえ取り返したのに、これでは米国民は彼を信用しなくなると思った。私の直感を自慢するわけではないが、その後の展開は正に予想したとおりになった。

たまたま見つけたウィスコンシン大学のフランクリン政治科学教授のブログによると、彼はあらゆる世論調査を総合し統計的に大統領支持率を分析している。グラフは正に私の印象どおりの傾きで変化していた。年頭教書の演説以来1日0.072%のペースで支持率が着実に低下している。

http://politicalarithmetik.blogspot.com/2006/05/bush-approval-at-34-in-gallup-33-in.html

カード氏からボルテン首席補佐官に交代後先月末にに実施した世論調査の結果も芳しくなく、ニクソン氏以来の低支持率だったと言う(5月6日AP)。スタッフをシャッフル、内閣改造はまだ進行中だがブッシュの所謂インナーサイクルばかり起用してインパクトが無く、ワシントン(謂わば永田町)界隈ではすこぶる評判が悪い。当然だと思う、何故状況認識が出来ないのだろうか。

3月に「岐路に立つアメリカ」で保守派がネオコンから離反し始めたと書き込んだ。その後の成り行きを見ると、どうも全米レベルで大票田の保守本流にネオコン離れが広がり始めたように感じる。その理由としてイラク戦争、移民法、ガソリン高騰等があげられている。特にガソリンの高騰に対して怒りが蓄積されていると言う。

しかし、私はこれらの政治経済課題の結果論もさることながら、米国民がブッシュ大統領の言葉を信じられなくなった、ニクソン政権末期の「クレダビリティ・ギャップ」と同じことが起こっているのではないかと思う。ブッシュを大統領に選んだ人達はブッシュの「強くぶれない人柄」に惚れたはずで、昨年までは度重なる不祥事でも保守本流の間で持ちこたえてきた信頼が、今年になって遂に裏切られたと感じ崩れ始めたのではないかと思う。

クリントン前大統領は事態が悪化する前に独自の世論調査を利用しながら共和党の政策の美味しいところも取り込み、巧妙に政策を変えて支持率を維持した。しかし、ブッシュへの愛が冷めるともはや何を言おうと効果はない。もう一度9.11とか戦争が起こるか、方針を思い切り転換しないと今までの小出しの変化では失った信頼は取り戻せないところまで来た。

このままでは秋の中間選挙で共和党が負けると言う思いが広がり、議会との関係もギクシャクしてきている。こうなると良いニュースは無視され、悪いニュースばかりが取り上げられる。ブッシュ大統領はレーム・ダック化の道を一直線に突き進んでいる。米中会談を無事終わり、私が恐れた孤立主義へ振れはまだ起こってないのが救いである。

ブッシュが制御可能で今すぐやれることはエネルギー政策の転換と移民法でリーダーシップを発揮することである。イランの核問題については対決姿勢を見せながら外交的解決を図る道は無いだろうか。荒唐無稽だが、ロシア・中国を迂回して外交的解決が可能になれば中東情勢は一気に見通しが開ける。

ライス長官は冷戦時代の対ソ連外交の専門家だったと聞いている。冷戦時代の秘密外交が今頃復活するとは思えないが、乞うゲオポリテックス・リダックス!?■

コメント
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