かぶれの世界(新)

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お気に入りハイキングコース・ベスト3(後)

2006-08-04 23:00:31 | 旅行記

次点 タホ湖(米国)

カリフォルニアに引っ越すと、近場にあるタホ湖周辺の雄大な景色の中を歩いた。下界に広がるコバルト色の湖が新鮮だった。日本を除けば、その後行った何処よりもハイカーが多かった。実際歩いてみて、カリフォルニアから来た友人がワシントン州の山は箱庭みたいだと言った理由が分かった。その年の気候のせいもあったが、何処に行っても暑いのには参った。

秋が深まりオフシーズンの頃、一度だけ車でヨセミテ国立公園に行ったことがある。山越えの道は既に冠雪、怖かったが無事着いた。落差1kmの滝に沿って山道を登り、そこから見たハーフドームの姿は忘れられない。既に夕暮れになり山道が凍結するのを見越し、帰りは遠回りしたので結局往復10時間近くかかり自宅に戻ったのが深夜過ぎだったのが最も印象に残っている。

第2位 西沢渓谷-雁坂峠-甲武信岳(+快晴) 

数年前の11月初旬、久しぶりにテントを背負って早朝家を発ち中央線塩山駅でタクシーを拾い西沢渓谷に行った。天候はまさに日本晴れ、峠までの道は青空に紅葉が映えて最高の組み合わせだった。これほど美しい紅葉を見たことが無い。峠から先の尾根道も絶景の連続だった。

尾根の南側には澄んだ空気の中幾重にも重なった山々の先に富士山が浮かび何度も足を止め、当時先端のディジカメで撮った写真は日米の友人に好評だった。北側は埼玉県で低く白い雲が眼下に横たわり道中ずっと秩父の町が見えなかった。夕暮れになると霧に浮かぶ富士山と水面下の山々の景色は幻想的だった。この素晴らしさは保障されていない、半分以上時期と天候が貢献している。

次点 カナディアン・ロッキー 

9.11の翌年まだ出入国の警備が厳しかった頃の夏、末の息子とカナディアン・ロッキーで山歩きした。中でも印象に残っているのがバンフの象徴といわれるランドル山で、道具を使わないでも登れる限界の山だと聞いた。雨が降るとレインジャーステーションは登山を許可しない。

私達が行った時も天候があまり良くなく、2日待ってやっと登れた。砕石の急坂で足を踏み出すたびにズルズル滑り谷に落ちるかと何度も立ちすくんだ。やっと辿り着いた山頂から見るバンフの町と周りの山々は絶景で苦労は報われた。脆くて殆ど見分けがつかない帰り道が心配だったが、砕石の上をスケートで滑るように下るとうまく行った。(下記URLを参照)

http://blog.goo.ne.jp/ikedaathome/d/20040908

第3位 ブルー・マウンテン(オーストラリア)

3年前機会があって約1週間ブルー・マウンテンの民宿に泊まり山歩きをした。ここはグランドキャニオンが出来る何億年も昔に出来たグランドキャニオンで、谷の上と下では気候が違い、生物・植物も異なる全く別の世界があった。グランドキャニオンに比べサクラが咲く気候は穏やかだ。

前を見ると雄大な大絶壁、下を覗くと足元から恐怖を感じ、絶壁の道にへばりつき、谷の蒸し暑さの中を歩き、変わった植物や生物を見た。その直ぐ近くに自然に囲まれた住居があるのを見るともうここに住みたくなる。民宿のオウナーや絶壁で知り合ったイギリス人もそういう人達だった。

番外 

田舎の四国の山はどれもなだらかで最も標高が高い石鎚山でも2000mに達しない。数年前に石鎚に行った時は暑さの戦いだった。ずっと森の中を歩く難行が続き、道中ご褒美が無いのもつらい。最近どうしても山歩きしたいと思わなくなったのはそのせいかもしれない。

将来行ってみたいところは、1ヶ月くらいかけてニュージーランド(NZ)のあちこちを歩いてみたい。以前パッケージツアーでNZに行った時バスの乗り換えの待ち時間を使ってクック山の麓のコースを歩いた。オリンピック国立公園と同じように、NZは緯度が高く多様な自然があり狭い国なので移動時間を節約して何処でも行ける。

ガイドブックを買い、その後現地のウエブサイトで大体の情報収集はできた。ハイキングのことをNZではトランピング、オーストラリアではブッシュ・ウォーキングという。準備は出来たのだがその後トランピングの機会が無い。何時か是非紹介したい。■

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お気に入りハイキングコース・ベスト3(前)

2006-08-03 23:09:15 | 旅行記

会社勤めを止めた理由の一つは思いついた時いつでも山歩きをしたかった為だ。登山というほど本格的ではない、山登りの専門的な訓練を受けた者しか行けないようなコースを登ることは無い。しかし、山歩きを楽しむ為には重い荷物を背負うことは厭わなかった。今迄に行ったお気に入りのハイキングコースを紹介する。

次点 白馬岳-唐松岳

私が山歩きの楽しみを知ったのは、まだ20代の後半だった頃会社の同僚に誘われて北アルプスに行った時からだ。組合のストライキで突然の休暇となった9月の第1週目、新宿から夜行で白馬に行き山小屋を利用しながら白馬尻から白馬岳、唐松岳、八方尾根を下った。

雪渓を上り美しいお花畑に出合い、遠くに名山を見ながら岩道を歩き、足を滑らすと300mも転落しそうなキレットのスリルを味わった。それ以来日帰りで奥多摩や丹沢の山歩きを楽しんだ。時間があれば足を伸ばして奥秩父や南アルプス、尾瀬などにも行ったが寝返りすらママならない山小屋に泊まるのがどうしても好きになれず、その内近場の高尾山以外行かなくなった。

第1位 レニア山(米国)

米国単身赴任時は週末になると他にすることも無くテントを持って山に行くようになった。幸いにも赴任したワシントン州は3つの国立公園があり、特にレニア山とオリンピック(ONP)はよく行った。レニア山は富士山を一回り大きくした形のいい堂々とした山で、車中や登山口、登山道の何処からでも山頂がよく見え何度行っても楽しく歩けた。

レニア山は4000m以上の標高で富士山よりずっと裾野が広く何十ものハイキングコースがあり、どこから歩いても形のいい山頂が見えた。深い森を抜けると堂々とした白い頂が現れ何度行っても感激する。ガイドブックに載っているコースの半分近くカバーしたのは我ながら驚く。

次点 オゼッテ・ループ(米国)

オリンピック半島最西端の太平洋に面する海岸線を歩くコースで、シアトルからだと高速道路を使っても4時間程度かかるので早朝まだ暗いうちに出掛けないと日帰りできない。汐が満ちている時は海岸線の道がなくなるので、汐の満ち干を事前に調べていく必要がある。

オゼッテ湖につくと地の果てに来た気がする。海岸に出ると砂浜が真っ黒になる虫(多分季節による)に閉口しながら歩き始める。太平洋の荒々しい波が引いたタイミングを図って巨大な流木の上や岩を恐々と、しかし急いで渡っていく。会社の同僚夫妻と一緒に行った楽しく忘れがたいコースだ。

ONPは本当に興味深いところだった。高い緯度で森林限界が5000フィートの地形に太平洋からの湿気を帯びた風が吹き付け複雑な気候を生んだ。その気候毎に雨林、低地、山岳、亜アルパイン、アルパインの5つの領域に分類され、多様な動植物が住む。平たく言うと温帯雨林から氷河まで存在するのだ。夫々の領域に到達するハイキングコースがあり、とてもユニークな国立公園である。馬のように大きな鹿(エルク)や可愛いマーモット、近年狼が放たれ話題になったところでもある。

次点 南カスケード(米国)

レニア山の南東の方向に比較的なだらかで山歩きに適した美しい山々と川がある。中でもヤキマ方面410号線途中から登り始めるAIX山(発音不明)は標高2400m弱ながら、頂上からの展望だけをとるなら周りに高い山が無く360度展望が開けノースウェストの有名な山が全て見え最高だ。

ここは国有林で98年当時登山許可証を3ドルで購入した。国立公園は1週間/1年間の入園許可と全米国立公園1年間の入園許可があった。当時5-6ドルから20ドル程度だった記憶があるが、その後政府補助が削られ値上がりしたと聞いた。一方国有林にはハイカーは殆どいない。AIX山は道中日陰が少なく夏は最低2リットルの水の補給が必須。■

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中国経済は制御可能か!?

2006-08-01 18:05:37 | 国際・政治

未来予測は頭の体操

3年前にブログを始めて以来年末に文字通り独断的「大胆占い」と言い訳しながら、主に経済指標を中心に予測してきた。起こったことを四の五の能書きを垂れるのに比べ、起こったことを理解して未来を予測することは数倍難しく頭の体操になる。

私のような会社勤めしか経験のない人間にとって、世の中の事件を色々な角度から見て多数の意見を集約しその中で自分の考えを整理するのは一仕事だが、ブログに公表することによって自分を追い込み集中することが出来る。平たく言うと老化防止だ。

大外れの中国経済予測

所詮は受け売りの意見だが、それでも多くの評論の中からこれが本質を言い表しているという私の判断はまずまず正しかったと思う。しかし中国経済の予測だけは連続して言い訳出来ないほど大外れだった。

中国政府の経済成長目標、経済過熱抑制政策、アナリストの分析、資産バブル、汚職蔓延・環境汚染・農民の反乱・言論検閲など経済にとってマイナスの報道を総合して政府の計画プラスアルファー程度の予測をしたが、結果は毎年予測を大幅に上回る経済成長が達成された。

計画を大きく上回った経済成長

実際今年は政府計画が7.5%の経済成長に対し私は8.5%を予測したが、第2四半期(11.9%)を終った時点で上半期10.9%成長を記録した。更に6月には鉱工業生産が19.5%の記録的成長が景気加熱のサインとして注目されている。

固定投資は上期前期比31.3%と驚異的な伸び、小売売り上げは同13.3%と着実に伸びている。過剰設備や利益の減少・政策的指令などの圧力にも拘わらず、低コストの資本調達が可能なことが引き続き設備投資の下支えとなり、それが小売売り上げにも寄与した。

上部構造の問題

中国人民銀行は先月金利と預金準備率引き上げを実施したが、これらの政策措置では中国の景気過熱を十分に抑制できないと見られている。最近リリースされた経済指標は景気過熱が抑制されておらず、もっと強力な金融引き締めが必要なことを示した。

しかし、モルガン・スタンレーの報告によると金融政策がより厳しく改変される可能性は極めて低い。その理由は急激な融資削減が失業者増加のリスクを高め、社会情勢の安定を最優先してきた中国の指導部にとって受け入れ難いからである。

技術的な問題

日本に比べ地方政府の自由度が高く中央の計画通りにことが運ばない。経済活動の原資として地方政府の外資優遇措置が海外から継続的投資を呼び、中央は投資抑制の為金利を上げても成長のための資金(しかも低コスト)は途切れない。更に最近は資本蓄積が進み国内資本の再投資サイクルが回り始めた。

適切で効果のある措置が取れない原因の一つは、中央政府が経済活動を正確に補足出来てないことにある。国内市場が育ち活性化している飲食・サービス産業などは、共産主義国体制下で国営化された計画生産とは馴染みがなく、補足率が低い為でもある。

経済構造の変貌が生むリスク

中国経済は数年前まで従来の計画経済の延長線上にあったが、現在は資本主義経済と変わらない構造に変化した。経済活動の規制緩和は日本より進んでいるし、農民の土地問題を除けば私有財産も殆ど差が無い。政治的な言論の自由にはいまだ制限があるが、数年前に比べると遥かに自由に物が言えるようだ。

明らかに問題は急成長が停滞し始めた時だ。何度も危機的と噂された巨額の不良債権を今までは経済成長で帳消しにするサイクルが上手く機能していた。しかし成長が止まった瞬間にとてつもなく大きな不良債権が国中の経済活動を麻痺させる恐れがある。

外資優遇措置の見直し機運

昨日付けのサムスン経済研究所報告によると中国政府は最近外資系企業に対し優遇措置(税減免)の縮小、反独占法の制定、労使関係の監督強化、技術移転を迫り外資融資条件を変更した。この政策は外資排斥ではなくむしろ市場経済体制の維持強化というべきものだ。

しかし市場経済下で自律的な経済活動が進めば進むほど、経済活動をきちんと捕捉し変化を読み取り、状況に応じて金利などの適切な経済措置をとらないとバブルがはじけた後では手遅れになる。

中国は特別か?

今まで不良債権や資産バブルなどの報告を見て何度も中国経済崩壊のリスクの前触れかと私は恐れた。汚職や農民反乱の多発も13億の民が起こした比率で考えればそれ程酷くは無いのかもしれない。何時か崩壊するといわれながら比率で見るとリスクが薄められる。

しかし、中国は普通の自由な資本主義国に近づくほど特有の脆弱さが増すとも考えられる。中国には98年のアジア危機が起こる可能性は依然ない。為替システムが異なるからだ。しかし経済システムの違いは殆どなくなった。私は、中国政府はもっと強力な処方箋を早急に書くべきと考える。そうすれば「大胆占い」に近づくのだが。■

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