かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

世界の警察は役不足か、覚悟不足か?

2014-09-10 15:25:20 | 国際・政治

 先月末に「世界の警察官が戻って来る?」と題して、期待を込めて米国の風向きが変わったと投稿した。きっかけは米国の記者がイスラム国(ISIS)に斬首されたことだった。その後も2人目の記者が虐殺され、議会や世論が大統領の対応は弱腰で手ぬるいと非難する声が高まった。

 オバマ大統領が「世界の警察官を止めた」と発言以来、ならず者国家は勢いを得て各地でやりたい放題するようになった。並行してこの2か月で米国世論は大きく転換した。イラクやシリア戦争で大統領は意思決定をためらい、やることをやっていないという声が高まった。記事の中に「戦争疲れ」という言葉が聞かれなくなった。

 この一両日CNN/ORCとワシントンポスト(WP/ABCの世論調査が立て続けに発表された。どちらも同じような結果だった。ISISは米国にとって深刻な脅威で、7割以上がイラク空爆を支持、更にシリア空爆にも前向きだった。先月末に「世界の警察が戻ってくる」で予測したように、米紙が驚くほど世論の風向きがタカ派に変わった。

 一方で、世論調査の行間を読むと米国民はオバマ大統領を信用して無いように感じた。人気の無かった地上軍投入の可能性すら賛成する比率が増える程に国民はタカ派が増えているが、軍事圧力をかけるには大統領は極めて慎重で、軍事介入のステップアップには欧米やアラブの有志連合を募り、議会と国民の同意を得てから決断する姿勢を保っている。

 多分、こういう慎重な姿勢が米国民の間にオバマ大統領外交の低評価を招き、大統領就任以来最低の支持率を得る原因になっているようだ。言い換えると、米国というよりオバマ政権が世界の警察には役不足、或いはその覚悟が無いと思われている様に私は解釈する。

 正直言って、オバマ大統領がISIS掃討には3年かかると予測し、有志連合で軍事加入をプランし、シリアしまで空爆拡大を躊躇い、地上軍投入を避けたいと考えるのは、現実的かつ合理的なように思う。だが、私には結論に至る過程がスローでまず過ぎたように感じる。誰の目にも明らかな事態になって初めて決断した。

実際、彼はシリアやロシアが一線を越えたと言いながら効果的な手を打たず、米人記者が殺された時に「戦略はまだない」と言って議会や国民から非難された。実はその間世論も揺れていた。結果的に、オバマ大統領の節目節目での発言が不適切で却って世論の不信感を招いた。

 オバマ大統領は今夜、国民に向けて包括的な戦略を説明する予定だと報じられた。リーダーには揺れる国民に向かって、毅然として難局に立ち向かう姿が必要なのだ。しかし、今となっては演説一本で米国民の信頼を得るのは難しいかも知れない。先ずは覚悟を示すことだと私は思う。■

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

田舎暮らし雑感14夏(10)

2014-09-07 23:35:09 | 日記・エッセイ・コラム

 遺族年金を頂いている母宛に市町村職員年金者連盟から米寿祝の記念品が届いた。母の誕生月は7月だったが、その時は母が米寿だとはすっかり失念していた。数えで88才が米寿だと知らなくは無かったが、その時は母が87才になったとしか思いつかなかった。

 傘寿(80才)のお祝いは家族全員が田舎に集まりお祝いした。その時は最後かもしれないからと言って全員顔をそろえてくれた。母の認知症が進んだ今思い返すと、傘寿のお祝いをやっておいて良かったと思う。いずれにしても慌てて東京にバラバラに住む家族にメールを送り、心で米寿のお祝いしてくれと連絡した。

 デング熱感染が全国に広がっているニュースが連日流れているが、実家の周りでは年々虫が減っている気がする。同じように蚊も減っている。家の中に蚊が全く入ってこないので過ごし易い。今年は雨の日が多いので、家に湿気を入れない為玄関や窓を開けっぱなしにしなかったのも一因だろう。最近はチョウチョやトンボ、バッタ等の虫もたまにしか見かけなくなった。その傾向が更に強まったと感じる。

 だが、実家の中には歓迎せざる生き物が跋扈している。ゴキブリ、ネズミ、蛇に加えて新たに強敵が出て来た。書斎で本を読んでいると右足の親指の付け根がチクッとした。かなり痛かった。足元を見ると小ぶりのムカデが部屋の隅に向かってニョロニョロ這って行った。どうやってうちの中に入り込んできたのだろう。ムカデとはどうしても友好的にはなれない、というか怖い。

 部屋の隅に置いた台の下には見当たらなかったが、ゴキブリホイホイにかかっていた。こいつだ。捕まえたぞ。幸いまだ小さいムカデのせいか大した痛みではなかった。母が使っていた何年も前の使い残しのメンソレータムを塗った。母を見舞った時にムカデに咬まれたと言うと、珍しく彼女の表情がかわった。少し、笑ったような気がした。同情している様子は伺えなかった。

 先月の食費も7月に続き2万円を切った。効果的な節約モードが定着したと思う。だが、現実はさえない。メニューが滅茶滅茶限られているので、時々安価な惣菜を買っている。アジやサバの南蛮漬け、卯の花、高野豆腐、きんぴらごぼうの4パターンを回してバリエーションを付けている。もうしばらくの辛抱だ。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

改造内閣支持率上昇の危うさ

2014-09-05 22:59:45 | 国際・政治

 安倍政権の内閣改造後の支持率が11ポイント改善して60%になったと報じられた(日本経済新聞9/5)。内閣改造だけで支持率が大きく動くのはいつものことだが、世論調査の詳細を読むといつもと少し違う。端的に言うと従来安倍内閣に厳しい評価をしていた女性の支持が大幅に増えて支持率が上がったということだ。

 誤解を恐れずに言うとこの結果は信用できない。今回の女性の支持率変化は情緒的で変わり易いタイプだと感じる。何故か、改造内閣はまだ何も成し遂げていない、謂わば支持率は期待値だ。女性は期待値を上げ男性はスルーしたといえる。どんな政策が女性の琴線に触れ期待値が高まったのか。彼女達の評価は1)女性が輝く社会の魁として史上最多の女性閣僚を任命、2)リベラル派の党幹部任命、3)石破氏を地方創生担当大臣に任命、あたりにあったと思われる。

 だが、そもそも最近の安倍内閣支持率低下の主要原因は、1)消費税導入の決定、2)集団的自衛権に関わる憲法解釈変更の閣議決定などであり、女性の支持率が減ったためだ。何のことは無い内閣改造の支持率アップは、実は元に戻っただけだ。第2次安倍内閣の重要課題は1)消費税10%導入の判断、2)社会保障改革、3)原発の再稼働、4)岩盤規制の緩和・改革などであり、その多くが女性がより敏感に反応するアジェンダである。

 安倍政権が重要課題に真面目に取り組めば取り組むほど、内閣改造で上昇した女性の支持率は失われると私は予想する。失礼ながら今回の支持率アップはどうせその程度の情緒的な反応である。第2次安倍内閣の布陣で重要課題に上手く取り組めるか(もちろんそれが安倍首相の狙いだが)は、この女性浮動票がカギを握っている様に私は感じる。

 彼女達はマスコミ報道の影響が大きい。そうすると政府のマスコミ対策が極めて重要になる。これが私の「あえて穿った見方の第2次安倍内閣評」だ。重要課題に真正面から取り組むと既得権益層だけでなく国民全体に痛みを強いることになる。特に女性は痛みに強く反応する。大義より目の前の生活だ。誤解を恐れず大胆に予測すると、第2次安倍内閣の重要課題は女性票が痛み止めを求め中途半端な結果に終わる可能性がある。

 最後に一言、私は決して女性蔑視主義者ではない。報道された世論調査結果のデータ(事実)を分析して得た推測を紹介しただけだ。偏見を捨てて冷静に見る訓練が出来ていると思う(願う)。90年代米国で仕事した時既に女性マネージャが活躍していた。彼女達と一緒に働き、概ね優秀だった記憶がある。部下が男性優位主義者(メイル・シュービニスト)だと訴えられ人事と対応したことも何度かある。個人的に女性は好きだし。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DVかーさん

2014-09-04 22:56:44 | 日記・エッセイ・コラム

 朝食を終わらせ書斎に戻りパソコンを開いてネットをチェックしていると家内から電話があった。下の孫がベッドから落ちて足を折った、電話をかけて嫁さんを元気付けてやってくれと言う。勿論、二つ返事でオーケーして直ぐに電話した。

電話に出て来た彼女の声の調子はそんなに落ち込んだ感じはせず安心した。川の字で寝てるうちに赤ちゃんがベッドから落ち、翌日診て貰った小児科は単なる打撲だと言われた。しかし様子がおかしいので、大学病院に行き大腿骨が折れていること分かったという。

骨がくっつくまでに20日間かかると診察されたという。レントゲンでは骨が真横にパッキリ折れており、赤ちゃんは痛がらなかったのが骨折を見落とした一因だったようだ。それに小児科だしと、彼女は最初の誤診をかばった。

囲いのあるベビーベッドに寝かさなかったのは、赤ちゃんが寝つきが悪いので一緒に寝ていたのだという。「そうか、赤ちゃんはママに蹴っ飛ばされたんだな」と例によってデリカシーの無い悪い冗談を考える前に言ってしまって反省したが、彼女は思ったより元気に切り返した。

病院からの連絡を受けて区役所が事情を聴きに来ると彼女は言った。最近児童虐待のニュースが良くあるから驚きはしなかった。「区役所はDVかどうかチェックしに来るんだ、役所のシステムが機能しているようだ」と言うと彼女の夫も同じことを言ったと言う。やっぱり親子だ。

私は調子に乗って彼女を「DVかーさん」呼ばわりし、「月末に東京に戻るから美味しいもの食べに行こう」と元気付けた。娘や家内にはいつもデリカシーが無いと言われるが、嫁さんとは妙に気が合う気がする。気がするだけで本当は傷ついているのかもしれないのだが。もしそうだったらゴメン、「DVかーさん」。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

42年後に父の親友が逝く

2014-09-03 21:11:20 | 日記・エッセイ・コラム

 このブログに時々登場する友人のアマチアカメラマンSのお父さんが先週金曜日に亡くなった。日曜日の夜お通夜があると聞き、彼の家に徒歩で向かうと真っ暗で人影が無かった。灯が見えた向かいの家に行き若いお母さんに聞くと、農協系のスーパーの近くにあるやはり農協系の葬儀場らしいと教えてくれた。最近はお通夜も葬儀場でやるのかと訝り呟くと、彼女もそうですねと曖昧に返事した。

 礼を言って急ぎ家に戻り車で葬儀場に向かった。夜の田舎道は暗くハイビームにしないと数十メーター先は真っ暗で何も見えなかった。少し怖かったが、数分で国道沿いに商店街の灯が見えた。葬儀場の駐車場はまばらに外灯があるだけで薄暗く人影が無かった。葬儀場の裏は窓が無くどこにも灯が見えなかった。表に回るとわずかに入り口のドアの形の灯が見え、その横にS家のお通夜を伝える白い看板が立っていた。

 ドアを開けて入るとすぐ左手に受付があり中年の男性二人がいた。二人とも会った記憶が無かったが、一人は私を知っていて東京から戻ったのかと聞いた。指差された右手方向の部屋に入るとちょうど和尚さんのお経が始まった。お経の後焼香をして受付に戻ると、Sの奥さんがいてお父さんの最後の様子を聞いた。

 私の父と仲の良い同級生で、42年前父が死んでから何かと母のことを気にかけてくれたらしい。母が介護施設に入居した頃はもう90を過ぎていたはずだが、Sの車で松山まで見舞いに来てくれた。彼はお盆明けの22日に体調が悪くなり、正式に介護認定が出る前に二度ばかり介護ヘルパーに来て貰い、29日に亡くなったという。平均的な高齢者の死に方と比べると家族に負担をかけなかったのではないかと思う。私の理想にする死に方だ。

 お通夜で見た死に顔は穏やかだった。亡くなった直後は厳しい顔だったが、徐々に穏やかになったという。担当医は日頃から必要最低限の治療に留めるべきという方針が、穏やかな死に顔の一因ではないかとSは言った。私もその説には合点がいった。というのは、数年前に亡くなった親戚の顔がひどく歪んでおり、原因は胃瘻(いろう)のせいだと聞いたことがあるからだ。

 お通夜で焼香の順番を待っている間、孫も曾孫も見ないで死んだ父のことを思い出して胸が痛んだ。心筋梗塞で死んだ父の42年前の死に顔は老人と言うには若過ぎた。若くして死ぬといつまでたっても若い時の記憶だけが残る。私は父より12年も長く生きたことになり、見た目は写真の父より老けた印象になった。今になって思えば、父はもっと長生きできたと思う。

 今日の夕方ジョギング中のSに会った。お通夜と葬式の日に全く眠れなかったが、昨日ジョギングするとぐっすり眠れたという。お通夜と葬式を葬儀場でやる家が最近増え始めたという。我々の集落ではS家が2軒目だそうだ。親族が助けに来てくれたものの、Sと奥さんの二人で式と生活の両方を仕切るのは大変で、葬儀場が表の通夜・葬式だけでなく裏の家族や親族の食事からお風呂まで纏めて「おまかせサービス」があり凄く楽だったという。私も母が死んだ時は是非そうしたいものだと言った。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする