一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第37期竜王戦第4局・1日目

2024-11-16 01:16:31 | 男性棋戦
15日から大阪府茨木市で、第37期竜王戦第4局である。茨木といえば、むかしJR京都線の223系で、茨木行きに乗った気がする。
ここまで藤井、佐々木、藤井の勝利で、藤井聡太竜王2勝、佐々木勇気八段1勝。本局、藤井竜王はともかく、佐々木八段は絶対に負けられない。負けて1勝3敗は相当劣勢で、この星から逆転したのは大山康晴王将、大山王将、米長邦雄九段、中原誠名人、深浦康市王位の5例しかない。うち4例は、タイトル保持者側が防衛している。つまり佐々木八段はあらゆる意味で、本局が実質的カド番なのだ。
本局は佐々木八段の先手。第2局、佐々木八段が矢倉に組んで快勝した将棋を思い出すが、10月27日放送のNHK杯を見て合点がいった。
この日は佐々木NHK杯と郷田真隆九段の一戦だったが、先手の郷田九段が矢倉に組み、会心の攻めで快勝した。竜王戦第2局は10月19日・20日だったが、NHK杯の収録日は第2局より早かったはずで、このときの将棋を参考に、佐々木八段が逆を持って指した可能性が高い。
よって本局、佐々木八段は間違いなく矢倉に組むと思った。ところが佐々木八段の初手は、飛車先の歩を突く手で、私はズッコケた。こいつぁまた、相腰掛け銀から右金をまっすぐ上がり飛車を引く例の形か……と思いきや、佐々木八段は早繰り銀に出た。作戦家の佐々木八段、本局はこの戦法に賭けた。
対して藤井竜王も銀が出る。そこで佐々木八段が銀をまっすぐ立ったのが妙な手。たぶん新手で、佐々木八段はこの手を指したかったのだ。以下腰掛け銀に組み替えたあと、早繰り銀の位置に角を据えた。
これがなかなかの手に見えて、藤井竜王が角を対抗した形は、相矢倉のようだ。
佐々木八段、香を捨てて桂頭を攻め、端の角打ちから馬を作る。藤井竜王の熟考が目立ち、消費時間に3時間の差がついた。
佐々木八段、藤井竜王に生角を打たせて十分。ABEMA AIの評価は「佐々木58:42藤井」だ。
佐々木八段は銀を繰り出し、藤井竜王が62手目を封じて1日目が終わった。
ここまで佐々木八段はまずまず構想通り指せているだろう。あとは自分の持てる力を出し切れば、勝てるとフンでいると思う。
さて封じ手予想だが、5四の歩を守る手はありえない。強く迎え撃つ「△4四歩」としておく。
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