9月30日(金)は、東京・駒込で「ジョナ研」があった。ジョナとはジョナサンの略で、ファミリーレストランの名前である。かつてLPSAが駒込にあったころ――。めんどうなので、以下略。
いままでは月に1回の開催だったジョナ研だが、9月は金曜日が5回あるので、異例の月2回開催となった。
開演は午後6時だが、私はいつも遅れる。だいたい8時ごろ入るのだが、最近は家にいるのが辛くて、というより誰かに会いたくて、早めに入ってしまう。
私は貧乏なので、きょうはジョナサンまで徒歩で行くことにした。ゆっくり歩いて、自宅付近から35分。山手線に乗れば初乗り料金の距離なので、このくらいで着いてしまう。
6時40分ごろにジョナサンに入ると、Hon氏がビールを飲んでいた。きょうは彼が一番ノリ。ほかには誰もいなかった。
Hon氏はいつもケラケラ笑っている朗らかなオッサンだが、彼は聞くも涙、語るも涙の、壮絶な半生を送っている。彼の話を聞くと、私の身の上話なんか屁みたいなものだと痛感してしまう。
Hon氏は5時半に入り、すでに食事も済ませてしまったという。もし私が来なかったら、彼は相当な時間、ひとりぼっちだったわけだ。
さてここで、ジョナ研の、暗黙の了解事項を記しておこう。
まず参加資格だが、これはとくに設けていない。しかし金曜サロンの雰囲気を味わっている者が望ましい。
ただ金サロに行ったことがなくても、「将棋愛」がある、と認められる者には、特別の参加を許している。
したがって、将棋愛がないと判断された場合は、たとえ女流棋士であっても、参加を認めない、ということになる。「愛がある」。そう、これが参加資格といえるかもしれない。
さてこの条件で、LPSAの女流棋士は、何人が参加できるだろうか。
ジョナ研の開催日は不定で、原則的にはW氏と私で日にちを決める。日にちが決定しても、ケータイで連絡を取り合うことはせず、ある裏ルートを使って、その情報は旧金サロ会員に流される。ここで各自が参加か否かの表明をする。
当日は一番ノリした会員が、人数分の席を確保する。今回はHon氏がその役を担ったわけだ。あとは徐々に会員が集まり、めいめいが将棋の雑談や研究、実戦にいそしむのである。
通常、ファミレスでゲームの類はご法度だがそこはそれ、常連の顔で、大目に見てもらっているのだ。ジョナサンは本当に素晴らしいファミレスである。
会費は食事代のみ。それにかわいい女の子(ウエイトレス)がもれなく付いてくる。ときには棋士の参加もある。ファミレスなので、いつ来てもいいし、いつ帰ってもいい。喫煙席なのでタバコも吸い放題である。これほど費用対効果がよく、自由度の高い将棋会が、ほかにあるだろうか。
7時を過ぎて、パラパラと人が集まってきた。W氏、Kaz氏、Kun氏、植山悦行七段・中井広恵女流六段、そしてY氏。総勢8人となった。こんな将棋雑談の会に棋士がふたり参加するのもスゴイが、ちょっと人が少ないなあ、と感じてしまうのがもっとスゴイ。いつもなら旧LPSA金曜サロン会員だけで、8人くらいはいくはずだからだ。
では例によって、席の配置を記しておこう。
壁
Hon 中井 植山 Kaz
テーブル
Kun 一公 W Y
最初は植山七段が私の向かいに座ったので、中井女流六段と席を代わってもらった。最近は、中井女流六段がつねに視野に入っていないと、落ち着かなくなってしまった。
その中井女流六段はきょう、斎田晴子女流五段との女流名人位戦A級リーグがあったが、勝利を収めたようだ。めでたい。これで3勝4敗となり、残り2局は矢内理絵子女流四段、清水市代女流六段と対戦する。なかなか厳しい相手だが、残留に向けて死角はない。
みながめいめい食事をオーダーし、それが終わると、植山七段以下4人は、きょうの中井-斎田戦の検討を始めた。これは会員にとって、相当贅沢なことである。
私は中井女流六段にスマホを渡し、メアドの最終チェックをやってもらった。機種はもちろん、色まで同じ「中井モデル」なので、中井女流六段も操作しやすい。
しかし、泣く子も黙る天下の中井女流六段にメアドの設定をしてもらうなんて、私のほうが相当贅沢である。
設定が終わったので、早速中井女流六段からメールをいただくことにする。記念すべき処女メールである。来た!
批判を浴びそうだが、そのメールのタイトルと本文を、原文のまま載せよう。
「タイトル:少し元気になりましたか?
本文:今日は大沢さんの携帯の設定の為にジョナサン研に参加しました(流れ星の絵文字)
中井」
泣ける。本当に泣けてくる文章だ。
この1ヶ月、中井女流六段には泣きごとばかりを聞かせてしまい、本来なら「あんたいつまでウジウジしてんの!? もう知らないっ!!」と突き放されても仕方のないところである。
然るに中井女流六段はいつもいつも、女神のような優しさでウンウンと話を聞き、私をとことんまで癒してくれた。
いままでに何回も書いてきたが、中井女流六段には、何と御礼を言っていいか分からない。これから私に何があっても、この恩は一生忘れない。いや、忘れるけれども。
さて、メールが来たら返信である。私は慣れない手つきで、本文を書いた。
(つづく)
いままでは月に1回の開催だったジョナ研だが、9月は金曜日が5回あるので、異例の月2回開催となった。
開演は午後6時だが、私はいつも遅れる。だいたい8時ごろ入るのだが、最近は家にいるのが辛くて、というより誰かに会いたくて、早めに入ってしまう。
私は貧乏なので、きょうはジョナサンまで徒歩で行くことにした。ゆっくり歩いて、自宅付近から35分。山手線に乗れば初乗り料金の距離なので、このくらいで着いてしまう。
6時40分ごろにジョナサンに入ると、Hon氏がビールを飲んでいた。きょうは彼が一番ノリ。ほかには誰もいなかった。
Hon氏はいつもケラケラ笑っている朗らかなオッサンだが、彼は聞くも涙、語るも涙の、壮絶な半生を送っている。彼の話を聞くと、私の身の上話なんか屁みたいなものだと痛感してしまう。
Hon氏は5時半に入り、すでに食事も済ませてしまったという。もし私が来なかったら、彼は相当な時間、ひとりぼっちだったわけだ。
さてここで、ジョナ研の、暗黙の了解事項を記しておこう。
まず参加資格だが、これはとくに設けていない。しかし金曜サロンの雰囲気を味わっている者が望ましい。
ただ金サロに行ったことがなくても、「将棋愛」がある、と認められる者には、特別の参加を許している。
したがって、将棋愛がないと判断された場合は、たとえ女流棋士であっても、参加を認めない、ということになる。「愛がある」。そう、これが参加資格といえるかもしれない。
さてこの条件で、LPSAの女流棋士は、何人が参加できるだろうか。
ジョナ研の開催日は不定で、原則的にはW氏と私で日にちを決める。日にちが決定しても、ケータイで連絡を取り合うことはせず、ある裏ルートを使って、その情報は旧金サロ会員に流される。ここで各自が参加か否かの表明をする。
当日は一番ノリした会員が、人数分の席を確保する。今回はHon氏がその役を担ったわけだ。あとは徐々に会員が集まり、めいめいが将棋の雑談や研究、実戦にいそしむのである。
通常、ファミレスでゲームの類はご法度だがそこはそれ、常連の顔で、大目に見てもらっているのだ。ジョナサンは本当に素晴らしいファミレスである。
会費は食事代のみ。それにかわいい女の子(ウエイトレス)がもれなく付いてくる。ときには棋士の参加もある。ファミレスなので、いつ来てもいいし、いつ帰ってもいい。喫煙席なのでタバコも吸い放題である。これほど費用対効果がよく、自由度の高い将棋会が、ほかにあるだろうか。
7時を過ぎて、パラパラと人が集まってきた。W氏、Kaz氏、Kun氏、植山悦行七段・中井広恵女流六段、そしてY氏。総勢8人となった。こんな将棋雑談の会に棋士がふたり参加するのもスゴイが、ちょっと人が少ないなあ、と感じてしまうのがもっとスゴイ。いつもなら旧LPSA金曜サロン会員だけで、8人くらいはいくはずだからだ。
では例によって、席の配置を記しておこう。
壁
Hon 中井 植山 Kaz
テーブル
Kun 一公 W Y
最初は植山七段が私の向かいに座ったので、中井女流六段と席を代わってもらった。最近は、中井女流六段がつねに視野に入っていないと、落ち着かなくなってしまった。
その中井女流六段はきょう、斎田晴子女流五段との女流名人位戦A級リーグがあったが、勝利を収めたようだ。めでたい。これで3勝4敗となり、残り2局は矢内理絵子女流四段、清水市代女流六段と対戦する。なかなか厳しい相手だが、残留に向けて死角はない。
みながめいめい食事をオーダーし、それが終わると、植山七段以下4人は、きょうの中井-斎田戦の検討を始めた。これは会員にとって、相当贅沢なことである。
私は中井女流六段にスマホを渡し、メアドの最終チェックをやってもらった。機種はもちろん、色まで同じ「中井モデル」なので、中井女流六段も操作しやすい。
しかし、泣く子も黙る天下の中井女流六段にメアドの設定をしてもらうなんて、私のほうが相当贅沢である。
設定が終わったので、早速中井女流六段からメールをいただくことにする。記念すべき処女メールである。来た!
批判を浴びそうだが、そのメールのタイトルと本文を、原文のまま載せよう。
「タイトル:少し元気になりましたか?
本文:今日は大沢さんの携帯の設定の為にジョナサン研に参加しました(流れ星の絵文字)
中井」
泣ける。本当に泣けてくる文章だ。
この1ヶ月、中井女流六段には泣きごとばかりを聞かせてしまい、本来なら「あんたいつまでウジウジしてんの!? もう知らないっ!!」と突き放されても仕方のないところである。
然るに中井女流六段はいつもいつも、女神のような優しさでウンウンと話を聞き、私をとことんまで癒してくれた。
いままでに何回も書いてきたが、中井女流六段には、何と御礼を言っていいか分からない。これから私に何があっても、この恩は一生忘れない。いや、忘れるけれども。
さて、メールが来たら返信である。私は慣れない手つきで、本文を書いた。
(つづく)