一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

悪夢の社団戦2022(前編)

2022-07-10 20:20:31 | 社団戦
今年も6月26日から社団戦が始まった。今年は1チームの参加人数が、3年振りに7人に復活した。大会日も、団体個人戦はないものの、個人戦を4日間(15回戦)やるまでに戻った。
我が「将棋ペンクラブ」は7部からの出場である。私自身は3月の大野教室から連敗続きで、とても社団戦が務まる雰囲気ではないのだがそこはそれ、今年も参加させていただくことにした。
大会は昼12時から始まるので、出発はまあ余裕である。今年も都バスに乗り、産業貿易センター台東館に到着した。
選手の出だしは悪かったが、徐々に集まってきた。しかし、木村晋介会長は仕事のため欠席。アカシヤ書店・星野氏の姿も見当たらない。
また藤宮氏は他のチームへ移籍した。彼は今年社会人になったのだが、その会社からスカウトされたらしい。
チームの移籍はよくあることで、私もLPSA→大野教室→将棋ペンクラブと、3チームを渡り歩いている。
そんなわけで、若干メンツが不足しているが、Akuさんが会員のSe氏を誘って来ていた。各自空き番は必要なので、これで戦える目途がついた。
1回戦は「えんだい」と。私は大将で出場し、以下山本、Abe、山野、A、Se、Akuの各選手である。
初回なので、対局の前に開会式がある。まず、今西修氏の代行氏が挨拶。
続いて、所司和晴七段の挨拶である。「えー、えー」。独特の節回しは健在であった。
なお今年は、LPSAの挨拶はなかった。
振ってもらって私(奇数)の後手になった。持ち時間15分、秒読み30秒で対局開始。
私の居飛車明示にえんがわ氏は四間飛車。私は棒銀を志向したがえんがわ氏の防御がたくみで、私は仕掛けられない。そこで右銀を6二まで引き二枚銀の形にしたが、△6五歩~△6六歩▲同銀に△6五歩と決戦する自信が持てず、△6四歩と自重する。社団戦のプレッシャーとは、そのくらいのものである。
しかしいつまでも自重していられないので、数手後△6五歩と突き出した。

第1図以下の指し手。▲5七銀△7七角成▲同桂△7八角▲6八飛△8七角成▲6五桂△同桂▲同飛△7六馬▲8五飛△8四歩▲2五飛△9八馬▲2六飛(第2図)

会場には、蛸島彰子女流六段と大庭美夏女流初段が回っていた。蛸島女流六段は3月19日(誕生日)に「駒我心」を上梓し、今年の将棋ペンクラブ大賞・文芸部門の最終候補に残った。
今回は7人制なので、1テーブルに3組が座っている。私は横の様子が見られて心強い。
えんだい氏は▲5七銀と引いたが、意外だった。当然▲6五同銀を予想し、△同桂▲同飛△7七角成▲同桂△8七角あたりを考えていた。
もっとも本譜も△7七角成から△7八角とし、馬が作れた。これは居飛車として十分の成果だろう。
▲8五飛には△同馬も△同飛もあったと思うが、まあ△8四歩と交換を拒否するところだろう。
▲2五飛には△9八馬が、△2四香の先手。▲2六飛と引かせて、ここは後手が指せると思った。

第2図以下の指し手。△7六馬▲1四歩△2四香▲1六飛△1四歩▲1三歩△同香▲2五桂打△1五歩▲1八飛△1四香▲1七歩(第3図)

第2図で指す手が分からず、とりあえず△7六馬と引いた。えんがわ氏は▲1四歩。左辺は何もないので、当然この筋から反撃する。
私は△2四香の切り札を放ち、▲1六飛に△1四歩。▲2五桂打にも△1五歩から△1四香と、慌てない。そして▲1七歩とフタをさせては、後手が優勢になったと思った。

第3図以下の指し手。△3五歩▲同歩△3六歩▲4五桂△2五香▲2六歩△同香▲2七歩△1六桂▲3九玉△6六歩▲6八歩(第4図)

第3図では△8五歩から飛車を活用する手も浮かんだが、あまりに遅い気がして、指す気にならない。そこで△3五歩と桂頭を攻めた。
△3六歩に▲4五桂が当然ではあるのだが、▲2五桂が浮くから意外だった。
私はありがたく△2五香と桂を取ったが、数手後その桂を1六に打ったのが余計だった。打った瞬間は気持ちがいいが、▲3九玉と我慢されると二の矢がない。
△6六歩と▲6八歩を換わったが、攻め方が分らなくなってしまった。

第4図以下の指し手。△3七歩成▲同金△6七歩成▲同歩△同馬▲4八銀△6六桂▲3六角△4四歩▲6八歩△5六馬▲1六歩(終了図)
まで、時間切れで一公の負け。

秒に追われて△3七歩成としたが、悪手。予定は▲同金に△2五桂だったが、▲2六金△2八桂成▲同玉(▲同飛もある)△1七桂成▲同飛△1六歩に▲同金で後手悪い。
よって△3七歩成では黙って△2五桂とし、▲3六金△2八桂成▲同飛△1七桂成▲同香△1六歩がまだしもだった。
だがこの変化は、△2八桂成が余計である。だから前譜の「△1六桂▲3九玉」の交換が余計だったのだ。この2手がなければ、△3七歩成を△2五桂に換え、▲3六金△1七桂成▲同飛△1六歩(参考図)で、後手が有望だった。

また、書いている途中で思ったのだが、第4図から△2七香成▲同銀△3七歩成▲同金△2五桂▲3八金△1七桂成▲同飛△2八桂成▲同金△1六香もあったと思う。
本譜に戻り、△6六桂はいかにもダサい攻め。
これには▲5九銀くらいでもダメだったが、▲3六角が△5八桂成を防ぎつつ▲1四角を見た名手で、これは負けになっていると思い、愕然とした。
△4四歩に▲1四角とせず▲1六歩が、また私を焦らせた。私は△4五歩と桂を取ったが、▲4四桂が生じている。まったく……と嘆いていたら、「切れました」と相手が言った。なんと、また時間を切らしてしまったのだ。
社団戦ではかつて、3年連続切れ負けをやらかしたが、またやってしまった。

優勢だった将棋を負けにしたとき、私は周りの音が聴こえなくなる。この病気を治さないと、どうしようもない。
感想戦では、えんがわの別の選手が、「(第3図から)△8五歩でいいでしょう」と断じた。
以下は▲4五歩△8六歩▲4六角△6四歩が進行の一例だが、これなら後手のと金攻めが速い。
ほかの選手の成績は、3勝3敗。つまり、チーム3勝4敗となった。
私のせいで、またチームが負けた……。
私は頭の中で、くずおれた。
(つづく)
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