一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

内藤九段の詰将棋

2022-07-05 23:35:17 | 男性棋士
先日、「デイリースポーツ」を久しぶりに見た。同紙は1948年8月1日創刊で、何が何でも阪神タイガースの記事が1面になることで知られる。
そして私たち将棋ファンには、内藤國雄九段出題の詰将棋「詰めの妙味」がお馴染みだ。
対象読者がおっちゃんだから、そんなに難しい問題は出せない。といって簡単でもない。ピリッとした妙手が必ず1手入っていて、内藤九段らしい「味」が出ているのだ。
たしか初期のころは、翌日に答えが掲載されていたような記憶がある。私が高校生だか大学生のとき、どうしても解けない問題があって、誤植とは思ったのだが、切り抜いて小銭入れの中に入れた記憶がある。
その小銭入れはいまでもあるが、中に入っているかどうかは確認していない。
その「詰めの妙味」、7月2日付では、何と「15686回」だった。たしか連載10000回のときは、同紙はもちろん、将棋専門誌でも取り上げられたはずだ。15000回のときはどうだったのだろう。
「詰めの妙味」は休みなしの毎日掲載だから、年365回として、仮に43年間だと15695回となる。これはほぼ現在の数字と同じで、つまり、43年は連載していることになる。これはギネスブック級の大記録ではないだろうか。
しかも詰将棋は4コママンガなどと違い、しっかりした完成品?を提供しなければならない。これは想像以上に大変な作業だと思う。内藤九段の持続力と創造力に、あらためて敬意を表するのである。
では、7月2日付の詰将棋を紹介しよう。

ヒントは「二枚目の桂で仕留める」。10分で二段。

では、解いていってみよう。初手▲8三香成は△同飛以下王手は続くが、およそ詰将棋らしくない。というか、△8一玉で詰まない。
初手は▲8三銀不成だろう。ここは成る手もあるが、本能的に、成らずである。
△8一玉に、桂が2枚あるので、とりあえず▲7三桂と捨ててみる。△同歩に▲7二銀不成だ。ここでも成る手があるが、不成なら△9二玉のとき、8三に成り返ることができる。
戻って▲7二銀不成を△同玉は、▲6四桂までの詰み。
この変化がピッタリだから、▲7二銀不成までは正解手順に思える。
だが△9二玉に▲8三銀成△8一玉で、全然詰まない。
▲7二銀不成を銀成にしてみたが、大同小異である。こりゃ意外な迷路に入っちゃったなあ、というところで、▲7四角成が閃いた。
△8三合駒は▲同馬で無効なので△7四同歩だが、そこで▲8三銀成としてみる。△8一玉に▲7三桂。
あら、詰んだ。整理すると、「▲8三銀不成△8一玉▲7三桂△同歩▲7二銀不成△9二玉▲7四角成△同歩▲8三銀成△8一玉▲7三桂 まで、11手詰」
内藤九段らしい、味のある詰将棋だと思った。
今後の詰将棋も、楽しみにしている。
コメント
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