一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第34回将棋ペンクラブ大賞、決定

2022-07-25 23:09:13 | 将棋ペンクラブ
きょう25日、将棋ペンクラブから、「第34回将棋ペンクラブ大賞・受賞作品」が発表された。

【観戦記部門】
◎大賞
椎名龍一 第80期A級順位戦・豊島将之竜王VS佐藤天彦九段(毎日新聞)

○優秀賞
藤井奈々 第34期竜王戦第3局・藤井聡太三冠VS豊島将之竜王(読売新聞)

【文芸部門】
◎大賞
松浦寿輝『無月の譜』(毎日新聞出版)

○優秀賞
芦沢央『神の悪手』(新潮社)

【技術部門】
◎大賞
石川泰『将棋 とっておきの速度計算』(マイナビ出版)

○優秀賞
飯島篤也『級位者のための将棋上達法』(マイナビ出版)

☆特別賞
日本女子プロ将棋協会『駒我心~初代女流名人 蛸島彰子の歩み~』(日本女子プロ将棋協会)
初の女流棋士である蛸島彰子女流六段の足跡や記録、その歩みとともに草創期からの女流棋界の歴史を記した貴重な書籍の出版に対して。

・最終選考委員
川北亮司(作家)
西上心太(文芸評論家)
所司和晴(棋士七段)
森田正光(気象予報士・株式会社ウェザーマップ創業者)

今年の最終選考委員は、木村晋介会長が勇退し、川北亮司氏が復帰。森田正光氏が新加入した。選考委員は多いほど良いので、増員には大賛成である。
観戦記大賞の椎名氏は昨年の第33回に続き、2年連続の大賞受賞。これは史上初の快挙である。椎名氏は第32回でも優秀賞を獲っており、ここに来て椎名旋風が吹いている。
本文は、「11年周期」の考察が秀逸だった。
優秀賞の藤井さんは、旅館で指すタイトル戦の雰囲気を余すところなく伝えている。藤井さんは女性ならではの視点、細やかな描写が魅力で、今後も期待大である。

松浦氏は、数々の文芸賞を受賞している大家。本書は「元奨励会員」「名駒探しの旅」がやや類型的に思えたが、その駒探しの冒険譚が読ませる。
余談だが、松浦氏と私は同じ誕生日の一回り違い。同じ星の下に生まれているはずだが、そのストーリーには雲泥の差がある。
優秀賞の芦沢央さん「神の悪手」は、短編集。表題作がいちばん面白い。ちょっと脚色したら、サスペンス2時間ドラマになりそうな素材だ。
蛸島女流六段の本は、当然何がしかの賞が贈られるべき。特別賞は、いい落としどころだったと思う。

技術部門は、ともに愛棋家が受賞した。昔は棋士のネームバリューで売り上げが左右されたが、現在は内容本位になっているようだ。
以上の皆様、おめでとうございます。

なお、今年の贈呈式は、未定である。
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