一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

藤井棋聖、「永世棋聖」に(第95期棋聖戦第3局)

2024-07-02 00:05:55 | 男性棋戦
先月伊藤匠叡王が誕生し、タイトル戦も一段落と思いきや、棋聖戦はまだ終わっていなかった。1日はヒューリック杯第95期棋聖戦第3局である(主催:産経新聞社、日本将棋連盟)。
対局場は愛知県名古屋市。名古屋駅の新幹線ホームでは、きしめんの立ち食いソバが食べられる。私は在来線のホームで食べたことがあるが、美味かった。
藤井聡太棋聖は本局に勝つと永世棋聖の資格を取得できる。挑戦者の山崎隆之八段はあとがないが、とにかく1つは勝たねばしょうがない。
将棋は山崎八段の先手で、相掛かりになった。山崎八段は中住まいに組み、6筋の歩を突き越す。山崎八段らしい大胆な手だ。
対して藤井棋聖は玉を横に寄る。中住まいの位置には金がいるからナナメ上に上がるか横に寄るかしかなかったのだが、名人に定跡なしだ。
戦いは進み、藤井棋聖は自然な指し回しで優位を築く。
というところで、藤井棋聖が7筋に手裏剣を放つ。これが痛打で、山崎八段は玉で取りたいのだが、飛車打ちの王手角取りがある。
よって山崎八段は7筋に飛車の王手で先着したのだが、今度はその飛車と角に両取りの心配が出てきた。
しかし回避するヒマがなく、銀で両取りを打たれては勝負あった。
藤井棋聖の玉はさびしそうだったが、スルスルと安全地帯に逃げ越した。藤井陣はいつも広いが、玉の逃走経路がいつも確保されているのに感心する。
最後は藤井棋聖が山崎玉を即詰みに討ち取り、幕。山崎八段は奮闘虚しく、3局で散った。
さて藤井棋聖は5期連続の棋聖獲得により、「永世棋聖」の資格を得た。藤井棋聖の初タイトル獲得から、もう4年が経ったわけだ。齢「21歳11ヶ月」は、中原誠十六世名人の23歳11ヶ月・永世棋聖を2歳更新する最年少記録となる。しかも、中原十六世名人の永世棋聖は年2期制だったから、それだけチャンスも多かった。藤井棋聖の場合、タイトル獲得が早かったこと、途中の失冠がなく、5連覇だったことから、大幅な記録更新となった。
藤井棋聖は今月22歳の誕生日を迎えるので、21歳までのおもな記録は、ここまでとなる。
前人未到の八冠王、永世棋聖、タイトル獲得23期、棋戦優勝10回、その他もろもろ。この時点で、ほとんどの棋士の生涯成績を抜いている。あらためて、恐ろしい21歳だ。
ちなみに当ブログの記事「永世称号取得は、どのタイトルが最も難しいか」は、藤井永世棋聖誕生直後からアクセスが上がり、いま現在、444件にもなった。

コメント (5)
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