伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負(主催:新聞三社連合、日本将棋連盟)はきょうから第4局。お盆休みがあったせいもあるが、なんだかこちらの気持ちが一段落してしまって、「あ、まだ王位戦が続いてたんだ」という感じである。七番勝負は長い。
それはともかく、ここまで藤井聡太王位2勝、渡辺明九段の1勝であるが、結果以上に渡辺九段が健闘していて、3連勝していてもおかしくなかった。もはや渡辺九段の藤井王位に対する劣等感?はないといえるだろう。ここから逆転奪取も期待できるが、それには本局を勝つことが絶対条件である。
第4局の対局場所は佐賀県唐津市。唐津といえば唐津城と唐津焼だろうか。唐津城はさすがに観光したことはあると思うのだが、意外に記憶がない。
第4局は渡辺九段の先手。角道を開け、藤井王位が飛車先の歩を突いて、渡辺九段が銀を上がった。これは矢倉志向である。後手が矢倉に追随するはずもないが、この出だしはうれしい。
渡辺九段は、極めて矢倉的な進行。対して藤井王位は、中飛車に振った。こうしてみると平成、いや昭和時代にタイムスリップしたようだ。最近のプロ棋界は意味不明の相居飛車が全盛で、私はまったくついていけない。棋士だって、さすがに飽きてきただろう。一周回って、また昔の戦法が指されるのではないか。ただこの形も、近年実戦例があったらしい。
渡辺九段、5筋に角を引く。ここで私なら角銀両取りに桂を跳ねるが、藤井王位は5筋の歩を突く。以下、銀が中央で威張って、やや指しやすい。
ここで渡辺九段は、玉を入城させた。これは後手の居角が間接的に利いてくるから、実戦的には指しにくい。そこをさらっと指すところに、渡辺九段のすごみがある。
藤井九段、タイム51分で、角頭に歩を打つ。ここでも桂を跳ねるのはウソ筋のようだ。
だが、ここで渡辺九段が固まってしまった。私はきょう一日ヒマだったのだが、PCでドラマ(TVer)を見てABEMAに戻ったら、まだ局面が進んでいない。私は、ABEMAが再放送をしているのかと思った。
これ、角を歩で取られちゃかなわないから角を動かすしかないが、1三、2四、3五、7五はタダ。4六、6六も角銀交換の駒損になる。よって8四に出るしかないと思うだが、渡辺九段の長考は続く。
そしてなんと、そのまま封じ手になってしまった。実に2時間37分の長考である。第3局、藤井王位の「3時間10分」もなかなかだったが、こちらもなかなかだ。
封じ手は、どう考えても▲8四角である。その後の展開は予想できるはずもないが、現実的には、消費時間が2時間も開いてしまった。これは渡辺九段にとって小さからぬディスアドバンテージである。局面も藤井王位が気持ちよく攻められそうで、渡辺九段に主張点がないように思える。
渡辺九段、大丈夫だろうか。
(つづく)
それはともかく、ここまで藤井聡太王位2勝、渡辺明九段の1勝であるが、結果以上に渡辺九段が健闘していて、3連勝していてもおかしくなかった。もはや渡辺九段の藤井王位に対する劣等感?はないといえるだろう。ここから逆転奪取も期待できるが、それには本局を勝つことが絶対条件である。
第4局の対局場所は佐賀県唐津市。唐津といえば唐津城と唐津焼だろうか。唐津城はさすがに観光したことはあると思うのだが、意外に記憶がない。
第4局は渡辺九段の先手。角道を開け、藤井王位が飛車先の歩を突いて、渡辺九段が銀を上がった。これは矢倉志向である。後手が矢倉に追随するはずもないが、この出だしはうれしい。
渡辺九段は、極めて矢倉的な進行。対して藤井王位は、中飛車に振った。こうしてみると平成、いや昭和時代にタイムスリップしたようだ。最近のプロ棋界は意味不明の相居飛車が全盛で、私はまったくついていけない。棋士だって、さすがに飽きてきただろう。一周回って、また昔の戦法が指されるのではないか。ただこの形も、近年実戦例があったらしい。
渡辺九段、5筋に角を引く。ここで私なら角銀両取りに桂を跳ねるが、藤井王位は5筋の歩を突く。以下、銀が中央で威張って、やや指しやすい。
ここで渡辺九段は、玉を入城させた。これは後手の居角が間接的に利いてくるから、実戦的には指しにくい。そこをさらっと指すところに、渡辺九段のすごみがある。
藤井九段、タイム51分で、角頭に歩を打つ。ここでも桂を跳ねるのはウソ筋のようだ。
だが、ここで渡辺九段が固まってしまった。私はきょう一日ヒマだったのだが、PCでドラマ(TVer)を見てABEMAに戻ったら、まだ局面が進んでいない。私は、ABEMAが再放送をしているのかと思った。
これ、角を歩で取られちゃかなわないから角を動かすしかないが、1三、2四、3五、7五はタダ。4六、6六も角銀交換の駒損になる。よって8四に出るしかないと思うだが、渡辺九段の長考は続く。
そしてなんと、そのまま封じ手になってしまった。実に2時間37分の長考である。第3局、藤井王位の「3時間10分」もなかなかだったが、こちらもなかなかだ。
封じ手は、どう考えても▲8四角である。その後の展開は予想できるはずもないが、現実的には、消費時間が2時間も開いてしまった。これは渡辺九段にとって小さからぬディスアドバンテージである。局面も藤井王位が気持ちよく攻められそうで、渡辺九段に主張点がないように思える。
渡辺九段、大丈夫だろうか。
(つづく)