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光秀謀反の本能寺 なーんちゃって③

2021年02月09日 15時45分42秒 | 光秀の本能寺
信忠たちが危険地帯を抜けてホッとした時、偵察の者が戻ってきた
「この先に筒井勢らしき部隊が待ち構えています、数はおよそ500ほどかと」
数ではほぼ同じだが相手は武装集団で騎馬に鉄砲隊もある
こちらは全員が平装で武器も刀と槍しかない、馬も信忠と重臣が乗る10騎だけだ
戦闘となればおそらく勝てまい。 それでも信忠らは進んで行った
「止まれ!」筒井勢から声がかけられた、パラパラと足軽が走り寄り、その後ろから騎馬武者数騎がやって来た
「この人数は、いかなることであるか?」指揮官らしき武者が大声で言った
「我らは御中将織田信忠様と家臣である! 筒井順慶殿のお身内と見たが如何なりや」
「いかにも筒井順慶はわが殿であるが、織田信忠様はわが主のご主君、このお姿は一体どうなされたのか?」
「おとぼけめされるな! 明智が謀反のことはとうにお耳に届いているはず、かくなる上は御中将様に従い明智を討つべし」
「ははは!いかにも、されど主は京に行かれたまま戻られず、国境の備えを固めよと申されただけでござる」
「されば問答無用!ただちに我らに合力して明智を討つべし」
「さよういかにも我が主は御中将様の合力でござる、されど織田信長様の指図にて明智様の与力を賜った身でもある
信長様がご健在であるうちは勝手に主替えはいたしかねる、我らは我が主の申すままに従うのみ」
「ならば御中将様には従えぬと申されるか」
「そうは言っておりませぬ、右大将さまの命に従うと申しただけでござる、但しそれは我が主が決めること、我らは主に従うのみ」
「ならば我らをどうなさるつもりか!」信忠の奉行は怒りをあらわに声を荒げたが筒井家の指揮官は顔色も変えずに
「ただ国境を固めよとの指図を受けたのみでござる、それ以外なにをせよとも言われておらぬ
織田様は主筋でござる、されど明智様も謀反を起こしたとはいえわが主が命じぬ限り我らがかつてに討つこともできませぬ
主持ちの武士とはまことに融通が利かぬ面倒なものでござるよ」
「たわけたことを!われらを愚弄するか!」奉行はいきり立つた
するといつの間にか前に出て来たのは信忠であった
「わしは織田信忠である。 主の留守居ごくろうである、見たところ名のある重臣のようだが名はなんと申す?」
信忠と聞いて指揮官は一瞬緊張したようであったが、すぐにわれにもどると
「拙者は筒井家の家老で島左近と申します」と言った
「であるか。 たしか甲州攻めにも筒井殿に従って参陣しておつたはず」
「いかにもおりました、ご存じで...」
「そなたの名は順慶殿から幾度か聞いておるよ、大いに手柄をたてたそうな」
「いやぁ さほどのことではありませぬ」
「まあ良い、それよりもこれまで見知った情報を残らず聞かせてくれ
わが父、信長は光秀の謀反により本能寺でお腹を召された、故にもはや光秀と筒井の主従関係は無くなった
これよりは筒井は我に従うべし、わしが信長公に代わり織田家を引き受けた」
隠すことなく筒井の家来に信長の死を告げた28歳の信忠にさすがの豪腹の島左近も度肝を抜かれた
(信長様に負けぬ胆力を持った若君じゃ)左近も隠し立てなく話す気になった
それによると、信長討たれるとの情報を真っ先に知ったのは大坂にいて四国へ渡る準備をしていた織田信孝の軍であった
そこには大将の信孝も丹羽長秀もおらず家来たちだけが真っ先に情報を聞いた
14000と言う軍勢も小身の信孝が金でかき集めたよそ者だから
たちまち霧散してしまった、残ったのは本来の家臣4~5000だけとなった
しかも士気が低いから仇討ちなど無理らしい
それと安土城にも光秀の軍が出向いて行ったらしいが、いち早く蒲生氏郷は長浜の羽柴秀吉の家族も伴って日野へ逃げたという事だ
今は、そのくらいしかわからないと言った、信孝の軍があてにならなければどうするか?
信忠は選択を迫られた