80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

富士急行モハ3100形の製作・その7

2016-10-12 09:46:23 | 私鉄電車
こんにちは。

モハ3100形の台車のディティールアップを検討しました。

以前にご紹介したように、この3100形はNB1というかなりレアな台車を装備しています。狭軌WN駆動装置をわが国で初めて実用化した台車とされていますが、模型的にはその独特な外観をどう再現するかが着目点といえます。機能的には軸梁式に相当するものですが、梁自体が非常に短く、軸受の片側が支点、もう片側が軸バネという非常にコンパクトな構造になっているのが特徴です。この軸梁と、通常より大きめの軸受フタをどうにかして作り、TR53の軸バネの上に貼り付ければ少しはNB1に似てくるのでは?という目論見です。

真横写真を見ながらPC画面上であらあらの形を描きます。ちなみに私の撮った保存車の台車写真は平行性がイマイチなので、鉄道ホビダスの「台車近影」に収録されている写真を拝借しました。これをコピペして薄紙にプリントし切り抜けばOK。。




軸受フタは丸刀で抜いても恐らくきれいな円形にはならないだろうとハナから諦め、Nゲージ用のヘッドマークはどうか?とか、ユザワヤの手芸コーナーを半日徘徊すれば何か見つかるか?など色々考えたすえ、穴あけパンチの抜きカスを利用することにしました。手持ちのパンチは穴径が大きいので、穴径3mmの1穴パンチというものを探して買ってきました。通常はどんな使い方をするのだろうかと思いますが、リングを通してメモ帳とか単語帳とか作るのに使うのでしょうか? 税込540円。軸受は4台車16個なので1個当たり34円・・・。ん~ホワイトメタル並みの高級品♪




パンチの特性として抜きカスはV字形に折れて出てきます。素材、厚さ、手加減などを変えて試してみましたが変わりませんでした。当初、プラ板で作ることも考えていて、左端がt0.3プラ板を抜いたものですが、平面に戻しても中心に折れ線が残ってしまいます。右のふたつはt0.3のいさみや方眼紙で、抜きたては中央のように折れ曲がりますが、定規で何度か強く押せばスジも残らずきれいな平面に戻ることがわかりました。




おおざっぱですが試作品です。白黒コントラストが強すぎていまいち雰囲気がわからないので、グレーに塗ってみて判断しようと思います。軸受はもう少し大きめのφ3.5mmくらいでもよいかも知れません。軸梁の下側にはみ出す部分はグレーに塗ると恐らく目立ってくるので削らないといけないかも。紙質も、切り抜きしやすさからみてアート紙系のもっと薄いものの方が良さそうです。いま少し改良にトライしてみます。





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ナハ10の製作(2)

2016-10-11 00:07:53 | 中央東線方面
こんばんは。

ナハ10の続きです。

補強のしかたやデッキの構造を考えながら作っているので、2両のうちの1両をまず先行試作車として鋼体完成まで持ち込みたいと思います。

窓抜きが終わった車体。組み立て中にヨレてこないようにデッキ下部はつなげたままにしています。軽くカッターは通してあるので、仕切り板とドアが付いて箱になった段階で切り取ります。




裏側です。今回、幕板部分の内貼りは省略し、かわっていつもより太い4×4mmヒノキ材で補強しました。腰部は今までどおり内貼りを貼った上に3×3mmヒノキ材を貼っています。




デッキ部はドアの取り付け寸法に合わせた切り欠きを入れてあります。




紙厚が薄いので、側板の反りを少なくするため、窓の吹き寄せ2ヶ所に補強を入れました。内貼りの紙を貼った上からさらに1.7×0.4mmの洋白帯板を貼り重ねてあります。本当は全個所に入れたいのですが、窓セルを1枚ずつ貼ることになってしまうので中央付近の2ヶ所だけとしました。その他の部分には気休めですが瞬着を塗ってあります。




窓の部分単体では強くなりましたが、折り曲げようとすると帯板の反力でこのように盛り上がってきます。屋根の曲げに際しては添え木を当て、だましだまし曲げる必要がありそうです。




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ナハ10の製作(1)

2016-10-10 02:49:08 | 中央東線方面
こんばんは。「準急アルプス」向けの客車をぼちぼち製造していきたいと思います。来月の運転会のお題は「ロハ合造車」なのでナロハネ10だけあればいいのですが、できれば編成で走らせたいですから。・・・ってあと1ヶ月で何両作る気なんでしょう?(笑)


この編成の3等座席車は5両組み込まれていて、編成記録情報などを参考にナハ10×2、オハ46×2、ナハフ10というラインナップを考えていていました。ナハフ10はナカセイのプラキット組みの古いものをレストアして充当する予定でしたが、他車とのバランスから厚ぼったさが拭えないため、ストック品を捜索していたら出てきたKATOのスハフ42に置き換えることにしました。ブルーなので他車とともにぶどう1号に塗り替える予定です。




オハ46もなんとなればKATOのスハ43を改造すればしのげるので、手つかず状態だったナハ10 2両を作ることにしました。型紙は既に印刷済みなのでこれを組み立てていきます。まずは窓抜き前に曲げぐせをつける儀式から。紙はスノーマットの薄手の#300を使っています。#400との使い分けは・・・特にないです。(笑)軽量客車だからということでもなく、強いて言えばR付き窓の多さでしょうか。カッターだけでサクサク抜いて行ける四角四面の窓と違って、彫刻刀の推し切りはそれなりに力が要るので大変なのです。




紙を薄くしてもなお、これぐらい抜くともう飽きちゃいますね。困ったもんです。。




ナハ10形のドアはアルミ製の無塗装で登場し、後年ふつうの折戸に改造されたそうですが、今回想定している昭和33年頃にどのような状態だったのかが今ひとつわかりません。この写真は1年遅れで製造された緩急車ナハフ10の落成直後の写真(出典が国鉄車両設計事務所)ですが、折戸ながら車体色に塗装されているのがわかります。ナハ10も無塗装時代は長くなかったのかなとも思えるので、今回の模型では"塗り"でいこうと思います。




ちなみのこの写真は模型とラジオ別冊「Nゲージ」に収録されています。昭和47年刊行のこのムックはNゲージ黎明期の「ないものは作る」精神にあふれていて、いま読み返しても元気をもらえます。いち時期Nゲージを並行してやることになるきっかけとなった本ですが、結局、スクラッチのしやすさから1/80に戻ってきてしまいました。




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富士急行モハ3100形の製作・その6

2016-10-09 15:34:27 | 私鉄電車
こんにちは。3連休中日ですが天気がパッとせず、これ幸いとばかり模型いじりに興じています。


モハ3100形の床下機器を作っています。過去帳入りしているとはいえ自分の撮影したものも含め、この車両はけっこう写真が残されているため、機器図面起しにはたいして時間はかかりませんでした。この写真のように現時点でおおむね8割程度はできているのですが、労力的にはまだ道半ば、5割くらいの心境です。理由はのちほど。。




制御関係機器が載る偶数車Mcの2-4位側で、左が富士吉田(現富士山)駅側の乗務員室です。中央の主制御器はカツミの近鉄30000系ビスタカー用のプラ一体製品から切り出してきたもので、中央の1ブロックを詰めて小型化してあります。周辺のいくつかの機器箱も同じ製品から形が似たものを切り取ってきたものです。遮断器は小高のプラ製床板から切り出したものですがちょっと大ぶりでした。主制御器の左隣りの機器(詳細不明)はヒノキ材と真鍮板・帯板から自作しました。




反対の1-2位側ですが、こちらは今のところハンドブレーキホイールと箱1つが付いただけです。




ここには実車写真のように自然通風式の2群の大きな主抵抗器が並びます。これを少し手の込んだ作り方をしてしまったために「労力は5割」状態なのです。




自然通風式のいわゆるリボン抵抗器は、モデル8の製品が形状もよく愛用されている方も多いようですが、いかんせん今は市場在庫がありません。今回は近鉄30000系用から型取りして作ることにしました。原則、現時点で入手可能な製品の型取りはしないのをモットーにしてはいるのですが、今回の場合は使える部分が一部で余りの方が圧倒的に多いため、ゴメンナサイと手を合わせて型取りさせていただきました。
実車は1組につき横3列の抵抗体ですが、近鉄用でそれに該当するのは1ヶ所だけであとはほとんど4列です。1ヶ所を何度も型取りするのは面倒なので、4列部分も含めてすべての抵抗器に“おゆまる”を押し当てて型取りしました。




成形剤はタミヤのポリパテです。前回ブレーキ制御装置を型取りしたときの余りを使いました。レジンのように流動性のある素材でないため、彫りが深くディティールも細かい今回のケースでは再現性に不安がありましたが、ご覧のとおりかなり良い感じでできあがりました。




しかしここから先が問題で一気にハードルが上がります。4列の抵抗体をすべて3列に切り出し、上下のバリも取って、なるべくきれいな形に整形します。6mm幅にしたかったのですが、いくつか狭いのが混じっていますね。。




そして、仕切り板を挟みながらこれをフレーム上に並べて接着していきます。上述のように抵抗体の大きさがまちまちなため、先に仕切り板を等間隔に入れてしまうとぜったい合わなくなってくるためのやむを得ない工法。瞬着を使えば早いですが、ずれてしまったらハイそれまでよなので、セメダインスーパーXクリヤで1個ずつ位置を確認しながら接着しています。




続いてこちらはM'c車で主にブレーキ関係や補助的な機器が載っています。この写真は右が大月側の乗務員室で、1-3位側の機器類となります。MGはエコーの3kwタイプで、形態的には反対向きにしたいのですが、裏にディティールがなくのっぺらぼうなため、やむなくこの向きに取り付けています。




最後は同車の2-4位側で、左が大月向きの乗務員室です。この部分はたまたま長野県内に残っている保存車を詳しく調査できたため、それに基づいて作ることができました。3100形の第2編成は1971年、踏切で衝突した小型トラックを巻きこんでブレーキ関係機器を破損、急こう配を逸走しカーブを曲がり切れずに脱線・転覆するという痛ましい事故に遭遇しました。富士急ではその後対応策をとったわけですが、この機器類を見ていくと、いくつかその痕跡をうかがい知ることができます。





左端に2つ横向きに並ぶのは元空気ダメで、その隣に「CM」と書かれた(恐らく)コンプレッサー接触器の小さな箱があります。そしてその次、これは遠目にはよく見えないのですが、床下を覗き込むとフィンをもつ3本の配管すなわちアフタークーラーが床板にへばりつくように設置されています。中央の四角い箱の上側です。




3100形の製造当初の写真でこの部分がきれいに写った写真がないのですが、ほとんど同一仕様で製作された秩父鉄道のデハ300形のサイドビュー写真がこちらのブログに載っています。デハ302の写真を拡大して見ていただくと、アフタークーラーが垂直に取り付けられているのがわかります。一般的に冷却効果を考えれば床板とは垂直に取り付けられるべきものが水平になっているあたり、事故を踏まえた対策のように思えます。


模型ではこれをφ2mmネジで表現しました。実車は3本あるようですが2本でごまかしています。




その隣りに「戸」と書かれた恐らく戸締め用の空気ダメがあり、その隣にある白い大きな鉄板が制御弁をはじめとするブレーキ制御装置を防護するプロテクターです。裏側をみるとこの写真のように弁装置一式があるのがわかります。事故の時はこのあたりに大きなダメージを受けたのでしょう。左端に白飛びしていますが防護板が写っていますが、床の取り付け部分をみるとなんだか貧弱で、横からの衝撃をどの程度受け止められるのかちょっと疑問が残ります。模型ではこの防護板のみ取り付け、中の弁装置一式は省略する予定です。




そしてその隣にはDH25と思われるコンプレッサーがあり、これはエコーのパーツがあるのでそのまま取り付けています。そして最後に控えるのがこちらなんですが、木枠に入った"何か"が吊り下げられています。形状や+-の表記があることからバッテリーのようです。本来のバッテリーは反対側に積まれているのと、秩父鉄道デハ302の写真をもういちど見ていただくと、この部分には中型の機器箱が2つ並んでいるので、これも安全対策の一環で、非常時でも制御電源を喪失しないように新たに積んだものかも知れません。




ところでこの床下写真を見返していたら、とんでもないものを発見してしまいました。このバッテリー様の箱から伸びた電線の先にあったのは、なんと裸のナイフスイッチ!? フレームの溶接の具合がいかにも後付けの感じがしますが、これをカバーする「箱」のようなものの付いていた痕跡がありません。まさか現役時代からこんな裸で走ってたんでしょうか? さすがにここまで模型で表現することはしませんが気になりますね。





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富士急行モハ3100形の製作・その5

2016-10-06 18:56:17 | 私鉄電車
こんばんは。台風去って今日は暑かったですね。なかなか本格的な秋が訪れません。


モハ3100形の動力車の下回りを作り始めました。床板は、台車からMPギヤ、ウェイトまで剥ぎ取られてダルマさん状態だったエンドウの「電動車ユニットB」を活用。すなわち床板とモーターだけですが・・・




この床板のボギーセンター間は実測で173.5mmですが、モハ3100は170mmにしなくてはなりません。その差3.5mmでは両方の穴を均等に開け直すと元の穴とかぶってしまい、余分なすき間を埋めなくてはなりません。しかし図面をみると、この車のセンターピン位置は前後とも同じではなく、連結面側が2,800mmなのに対し運転室側は2,950mmと150mm長くなっています。床板のセンターピン位置を測ってみると連結面側とピタリ一致していたので、こちらを基準に合わせ、運転室寄りのセンターピン穴を開け直すことにしました。また、床板の幅も33mmから32mmに詰めてあります。




この電車は通常は2連でしか運転しないので片台車駆動にしました。MPギヤのホイールベース変換工事をもう1組分やるのが面倒というのが本音ですが、結果、センターピン位置をずらした方の台車は非駆動となり、ユニバーサルジョイントを縮めたり、はたまたモーター軸を短軸化したり・・・といった手間も省けました。




車体とのマッチングもOK。写真は撮っていませんが試験走行結果も良好で、ピボット軸受をドリルでさらっただけの“なんちゃってプレーン軸改造”も今のところは問題なさそうです。(耐久性は追い追い結果が出るでしょう・・・笑)




さて、すでに没してしまった車両の模型化に困難はつきものですが、この3100形も非常に目につく部分で未解明なことがあります。それは窓サッシです。この車の窓は二段サッシですが上段は固定で下段のみ開け閉めできます。バス窓の進化した形ですね。この上段窓のサッシが実はスチールで上半色に塗られていたのではないかという疑念が拭えないのです。カラー写真を見ればわかりそうなものですが、順光で綺麗に撮られたものが意外に少なく、また、対象のサッシ部分は非常に細いため色飛びしたり、デジタル画像の宿命で影の部分の色が混ざり込んだりしてよくわからないのです。

この写真は私が昭和50年前後に撮影したもので、残念ながらモノクロですが、下段のアルミサッシに光沢がみられるのに対し、上段の中桟部分にはそのような光沢はみられず、上半色と同じ色に塗られているように見えます。




これはネットに上がっている写真のうち光線状態が良く、サイズも大きい写真の一部を切り取ってコントラストを強めに加工してみたものですが、これでもアルミサッシとは違うように見えます。




そしてこちらは長野県内に保存(放置?)されているモハ3101-3102編成です。すでにグレーや水色に塗り替えられていて実車の面影はありませんが、この写真からわかるのは、上段のサッシは塗られているのに下段のアルミサッシは塗られておらず地肌のままということです。塗り替えたのは業者か素人かわかりませんが、「元々塗ってあるところは塗り、塗っていないところは塗らない」というのが作業工程的には自然に思えます。




ちなみに鉄コレのモハ3100形は上段も含めてアルミサッシです。富士急より2年遅れて登場したウリふたつの秩父鉄道デハ300形も写真を見る限り総アルミサッシです。なので、単に光線の具合で「塗りサッシ」に見えるだけなのかも知れませんが、もしなにかご存じの方がいらっしゃれば情報をお寄せください。



最後に色つながりで余談をひとつ。マッハ模型の調色塗料のリストをみると、少し前までは上半色は「オーシャングリーン」、そして下半色は「サラソダブルー」と書いてありました。「サラソダ」って発音しにくいし何だよ?と長年不思議に思っていたところ、鉄道ピクトリアルの記事にこう書いてありました。



鉄ピクが誤植でないとは言い切れませんが(笑)、まあ「サランダ」の方が発音的にもあり得そうです。では「サランダ」って何ナンダ?


ネットで「サランダ」を検索するとアルバニア最南端の都市と出て来ます。イタリアの“かかと”で蹴られそうな位置にあります。緩い弧を描く湾の先にはイオニア海の青い海が広がっていて、その色はまさに富士急下半色!

(Wikipediaより)

なんでしょうか??


しかしそれなら「マイアミ・ブルー」でも「アタミ・ブルー」でもいいような気が・・・
敢えて色名にするくらいだからよほど鮮明で衝撃的な色をした場所、モノ、景色などかあるはずです。


サランダについてもう少し調べていくと「サランダ ブルー・アイ」という連語にたどりつきます。これはサランダから山奥へ入った秘境にある泉だそうで、「Blue eye spring」と呼ばれているそうです。この写真がそうですが、まさに「碧い目」にも通ずる美しい神秘の泉ですね。これが「サランダブルー」の正体なのでしょうか。

(wondertrip<http://wondertrip.jp/africa/21021.html>より)



正解は今のところわかっていません。
それよりもサランダの街を旅してみたくなりました♪



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