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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

これもかなり以前の話です。いくつかのケースをごちゃ混ぜにして、それらしい話にしています。

妻と一緒に夫もしぶしぶカウンセリングにやって来ました。

夫と妻は、10歳以上の年齢差(夫が上)があり、夫は、会社では係長の職にあります。

この夫がやたら細かいのです。彼の頭にあるのは、「効率」「成果」「生産性」ばかりです。

家計費に関しては、予算と実績の差を厳密に管理します。もちろん妻に家計簿をつけさせ、毎月チェックします。1人の子どもも入れて、食費予算はわずか1日1,000円(毎月3万円、この中には夫の弁当代も入る)でした。

そればかりではありません。台所に入って妻の料理の仕方(素材の使い方、料理作りの手順)を事細かに指導します。洗濯の仕方も洗剤のムダがないかにも口出しします。もちろん掃除の仕方についてもです。

私は夫に尋ねました。

「もしかしてあなた、部下に煙たがられていませんか?」

「どうしてそんなことがわかるのですか?」と夫。

「あたりまえでしょ」と言いたいのをグッとこらえて、「会社でやっていることと、家でやっていることが同じだと想像したからです」

と答えました。

カウンセリングが進んでから、私はこう尋ねました。

「ひょっとしてあなた、妻を部下のように思っていませんか?」

「当然でしょ」と夫。

私は、アドラー心理学に基づいて夫婦間の対等について話しました。夫婦の年齢差は関係ないのだし、そもそも家庭は職場とは違うことを伝えました。

だんだん勢いが付いて「妻を部下のようにみなすこと自体、結婚に対する冒涜だ」と言いました。

と同時に妻に「この状態があと2年続いたらどうされますか?」と問いかけました。

妻は、抑えていた思いをいっぺんに晴らすかのように答えました。

「離婚します!」


夫をまるで上司のように増長させるのは、部下のように従う妻がいることを警告することも忘れませんでした。

それにしても、職場と家庭を勘違いする夫があまりにも多いのには驚かされます。


<お目休めコーナー> 富嶽三十六景①(すみだトリフォニーホールにて)



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