おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
ワーク・タスク一辺倒で、家族内でも「生産性の原理」で臨んでしまう人たちについて、の2回目です。
10年以上前に夫婦でカウンセリングにやって来た父親の話です。
主訴は、小学校高学年の男の子の不登校です。
この人は、会社で品質管理の担当者でした。
手にたくさんの資料を携えていました。
まず「QC(品質管理)ストーリーに基づいて」と、子どもの生育歴、登校に至ったいきさつから現在まで事細かにに記録していました。
続いて、「特性要因図」と言って、出来事の因果関係を明らかにする手法を用いて不登校の原因を図解していました。
私は、ひと通り話を聴いてから質問しました。
「説明はわかりました? ところで、お子さんの不登校の目的は何ですか?」
父親は、何を言い出したか、という表情で「は?」と言いました。「目的」など考えたことがなかったのです。
出来事、モノの因果関係を解明するには、品質管理の手法が使えるでしょう。しかし、人間に関わる出来事を理解するためには、「説明」にはなっても「解決」には至らないでしょう。
大きな勘違いと言うべきです。