おはようございます。ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(7月14日)は、大阪で某アルミ・メーカーの新任管理者研修(2日間コース)の1日目を担当しました。
17:30に研修を終え、17:40から隣のパ-ティー・ルームで懇親会が始まりましたが、18:20には終わりました。
こういう懇親会、大歓迎です。ホテルに早めに帰って、たくさんの仕事をこなせました。
さて、菅総理のリーダーシップを会社の社長にたとえて、「放漫経営」や「放任型リーダーシップ」として批判してきましたが、C.I.バーナードという経営学者(大手電信会社の副社長)の「権限受容説」の立場からも批判します。
一例を出します。菅総理の脱原発発言に対する閣僚、幹事長の発言です(毎日新聞7月15日朝刊から)。
「遠い将来の希望について首相の思いを語られた」。
枝野幸男官房長官は14日の記者会見で、「原発に依存しない社会を目指す」との首相発言は政府方針ではなく、首相の個人的な「思い」との見解を示した。
海江田万里経済産業相も衆院東日本大震災復興特別委員会で「将来のエネルギー電力供給の方向性として示された」と用意した紙を読み上げた。
民主党の岡田克也幹事長は記者団から「首相の思いは党の方針か」と聞かれ、「民主党ではない」。
このことは、菅総理の記者会見での発言が、内閣とも党とも摺りあわせをしていないことが明白です。
つまり、菅総理の権限は、もっとも支えるべき立場の枝野官房長官にも、岡田幹事長にも受容されていないのです。
ここで、「他の人にある行為をする、しないに影響を与える、周囲あるいは相互間の合意に基づく力(パワー)」としての権限を、「その部下が上長者が自分に対して持っている力を認めること」とする「権限受容説」から見ると、菅総理の権限は、部下によって受容されていないことが明白です。
権限受容説をもとわかりやすく書くと、「1つの命令が権威を持つかどうかの決定は命令を受ける側にある」とする理論です。
菅総理は、俗な言い方をすると、「部下からの信望がない」のです。
本当にいいのでしょうか、日本の宰相のリーダーシップがこれで。
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「勇気づけ」のことは、ほんの少しで、リーダーシップやモチベーションのことが書かれています。
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