アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。新宿区神楽坂で研修&カウンセリングの事業を営む ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

本来ならば、「優しさについて」シリーズの第6回目として優しさの訓練法に入るつもりでしたが、大阪市立桜宮高校の2年男子生徒(17歳)が、所属するバスケットボール部顧問から体罰を受けたことがきっかけとなって翌日(1月23日)に自殺した事件を巡って、新聞やテレビでさまざまな報道がなされています。

私から改めてその事実をお伝えする気持ちはありませんが、自分自身の体験も含めて心理学的な側面から言及してみようかと思います。

アドラー心理学では、自殺について独特の見解を持っています。

アドラー心理学の創始者のアルフレッド・アドラーは「自殺の目的は復讐と告発」だと言っています。

 

私自身も教師の体罰によってこの世で初めて人間に対する憎悪を学んだ立場ですので、なおさら無関心ではいられません。

1987年6月27日発行のヒューマン・ギルドのニュースレターで体罰について書いていますので、この文章を2回にわたって掲載します。

体罰から学ぶもの

小学校4年の時、私の担任だったS教諭は、当初私にはスーパーマンに見えた先生でした。体操はなんでもござれ。宙返りも跳び箱も鉄棒でも、まるでこの世にこんな人がいるのかと思わせるような、ものすごい先生でした。
S先生が私の担任になったとき、私はたぶん尊敬の眼でS先生を見ていたはずです。

ところがS先生はとてつもない暴力教師でもありました。
宿題を忘れた、給食を残した、授業中私語を交わした・・・この程度でも児童をよく殴ったものです。
「足を肩幅に拡げ、歯をくいしばれ!」こう言って、力まかせのビンタが飛んでくるのでした。

小学校4年生の1年間はまるで地獄でした。楽しいこともあったでしょうが、まったく覚えていません。

子ども心に「いつか復讐してやろう」というような気持ちも芽生えていました。反動で私は、小学校5年生から6年生の頃は、教師の手に負えない問題児になっていたようです。

私が長ずるに及んで、さまざまなタイプの大人たちと接してみると、S先生は、子どもの私にはスーパーマンに見えたけれど、大人の中では単なる暴力教師にすぎなかったのだと、次第に得心が行きました。
その証拠に10年ぶりにあるところで出会ったS先生は、老眼鏡と白髪の目立つ、やや生活に疲れ気味の初老のおじさんでしかなかったのです。

<次回に続く>

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