おはようございます。新宿区神楽坂で研修&カウンセリングの事業を営む ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
私は、講師という仕事柄、教え方の本は数限りなく読んでいます。
その中でもこの『いちばんやさしい 教える技術』(向後千春著、永岡書店、1,000円+税)は、平易さ、内容の体系化された点、使いやすさからしてもピカイチの本です。
教え方と勇気づけを結び付けた研究をしたい私の眼鏡に叶った本に新年早々、出合えたことに感謝です。
著者の向後千春氏は、早稲田大学人間科学部でうまく教えるための技術と科学を扱う「インストラクショナルデザイン(教え方のデザイン)」を講じる教授。
アドラー心理学の権威者でもあり、独自に研究会を開いておられます。
内容は「誰でも教え方のプロになれる!」との立場から、教え方がうまく行けば、教える人と学ぶ人の間の信頼関係も徐々にできてくるのですが、相手がうまく学べないのは教える側の技術不足、と手厳しくもあります。
そして、教え方のルールを次の10カ条にまとめています。
1.熱意よりも何をどうすればいいのか具体的な指示を
2.「教えた」かどうかは「学ぶ側が学んだかどうか」で考える
3.結果が思わしくないのは、すべて教える側の責任
4.上手に教えたいならコミュニケーション上手になる
5.教えるときは相手をよく観察して相手の状況をつかむ
6.相手にとってちょうどいい知識を与える
7.相手に教えたことを練習させて結果をフィードバックする
8.相手にできるようになってほしい具体的なゴールを決める
9.相手の「心」は変えられないが、「行動」は変えられる
10.ゴールは必ず「行動」として設定する
さらに、「教える」ゴールを次の3つに分けて、具体的に展開しています。
Aグループ 運動スキル・・・・お箸を持つ、自転車に乗る、トランペットを吹く
Bグループ 認知スキル・・・・英単語を覚える、数独パズルを解く、伝わりやすい文章を書く
Cグループ 態度スキル・・・・金銭感覚を養う、モチベーションを上げる、リーダーシップをとる
もっともっと書けるのですが、私のブログだけ読んでわかったつもりになる人が多くなりそうなので、あえてここで終わります。
たった1,050円(税込み)の本なので、是非ご自身でお求めになって勉強してください。
とにかく、使える本です。
(クリックしてね)