おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
一昨日(11月10日)のことです。
午前中の来客がキャンセルになったので、午後から相次ぐZoomでの対応のためにテレワークを決め、最寄り駅近くのレストランでカミさんとランチをすることになりました。
待ち合わせの場所には私の方が先に到着していました。
ほどなく、冬物のジャケットを着て小走りで私に近づいて来るカミさんの姿にふと、島崎藤村の「初恋」の詩を思い出しました。
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな
林檎畑の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ
◎現代文によって訳が知りたい方はこちらを:初恋 島崎藤村 歌曲 歌詞の意味
http://www.worldfolksong.com/songbook/japan/hatsukoi-shimazaki-toson.html
この詩は知ったのは、高校生の頃に傾倒していた文芸評論家の亀井勝一郎の『恋愛論』か『青春論』か、あるいは他の本だったかもしれません。
こんな言葉も知りました(作者忘却)。
「男の恋は恋を恋することによって始まり、人を恋することによって終わる。女の恋は人を恋することによって始まり、恋を恋することによって終わる」
高校1年生の時に無残な振られ方をして以来、恋愛には無縁の恋に憧れ続けていた暗~い青春時代。
武者小路実篤の『友情』やツルゲーネフの『初恋』を読んだりしては妄想の中で何度も失恋気分を味わっていました。
私の頭の中のそんなことを知らぬカミさんとの満ち足りたランチの後、私は舞い上がってカミさんのビジネス上の提案をしました。
私としては、ヒューマン・ギルドの非常勤取締役であり、時々お手伝いに来ているカミさんの協力を得て是非取り組みたい案件でした。
ところが答えは
「やだやだ、絶対ヤダ!」
そんなに強く否定しなくても。
私のつかの間の初恋を連想させるムードは、たちどころに沈没してしまったのであります。
でも、でもですよ。
つかの間であっても勝手に【初恋】を連想して、しばらくその気分に浸りきれる私って「生涯現役」の背後に「生涯青春」の残滓(ざんし、残りかすの意味)があるのがわかってうれしかったです。
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